雪が消えたシゲト山までピストンで菖蒲ヶ浜から歩く。
NO.172  外山    2204m NO.---  白根隠山 2410m
山部薮人 03.06.10記、05.12.20追記(シゲト山山頂位置)

  山名板

   シゲト山
【山行日】     2003年6月9日(日)
【地  図】     1/25000図 中禅寺湖
【所在地】     日光市・足尾町
【天  候】     朝曇り・風なし 日中晴れたり・微風  
            午後曇り薄曇り大平山・黒檜岳山頂付近ガスが出る、風あり
            (気温)朝 8゜C/日中 13゜C
【同行者】     単独 なな(犬)
【コースタイム】
自宅発(3:10)=菖蒲ヶ浜県営無料駐車場(4:50-5:00)−日光プリンスホテル入口(5:05)−赤岩(5:30)−高山分岐(5:50)−千手浜渡船場(6:07)−周回道・黒檜岳登山口(6:25)−黒檜岳山頂(8:25-45)−雨量観測アンテナ(8:53)−1919峰(9:50)−シゲト山頂(10:50-11:20)−1919峰(11:55)−黒檜岳山頂(12:43)−黒檜岳登山口(14:30)−千手浜のクリン草園・柳沢橋(14:45-14:55)−渡船場(15:00)−菖蒲ヶ浜県営駐車場(16:00)=南河内・リフレ(風呂)着(18:00)==自宅(19:10)

菖蒲ヶ浜の歩道入口

千手堂跡
【日 光・菖蒲ヶ浜】
前日に食料他、新調のゴアのレインウエアーを、ななもゴア雨具を準備した。しかし3時間の仮眠のつもりがぐっすり寝てしまい、あわてて家を出発、この先どうなることやら。家を出て間もなく明るくなって来てしまった。中禅寺湖畔をスピードを上げ菖蒲ヶ浜の県営駐車場に着いた時は、普通の朝になってしまった。早出をして余裕の山歩きの予定が台無しだ。とにかく前向きに、朝の道路はまだ車は少ない。プリンスホテルの手前で中禅寺湖周回道に入る。さすがに誰もいない。 千手ヶ浜へ行くのは低公害のバスか遊覧船が人気のようでこの道を往復に使う人は余りいない。バスで来て片道を歩く。 周回歩道を約1時間で千手ヶ浜の渡船場に着く、休まず湖に沿って道を南下す。千手堂跡の石段を下ると、白の黒檜山入口の小さい道標がある。以前はテープがあっただけだったと思う。ななは日光の山は鹿が多いのでリードを外さずの一日だ。途中鹿に遇ったがすぐに姿を消した。

山の取り付きは急登が多い」が、決まりのようだ。しかしここは5分くらいはゆるやかな沢の扇状地を行く。程なくいよいよ急な斜面をジグザグな道になり登り切ると、急な沢に一旦下りて反対側に渡りまたズート、ズートの登って登ってまた登りだ。約1時間くらいでやや傾斜がゆるむが登りは延々続き黒檜岳山頂には、約2時間を要した。山頂のプレートのある所は社山からの分岐点で平らな見通しの無い所だ。そこには境界の見出の杭があるのでここが山頂になったようだ。しかしその先の雨量観測施設のある所の方が標高も有るし、見晴らしも良いし何より1/25千万地図の山名が書いてあるのだ。しかし先人がこの分岐点を山頂としているのでここに山名プレートを取り付ける。何枚かのプレートも見えたがだいぶ以前のもののようだ。

  

黒檜岳雨量観測局

白やしおの尾根
黒檜岳雨量観測局
 山頂から×印の方向に進む、この×印は社山から千手堂方面の周回する人が迷い込まぬように×印がつけてある。ここに入る人はマニアックな薮山好みの人という事になる。裏を返せば危険がいっぱいだが静かな自然との対話が出来るという事だ。雨量観測の設備は最近出来たらしく、ぴかぴかアースの電極の土が流されぽっかり穴が開いている。ここから北に錫ヶ岳、白檜山への尾根の雪が白くか輝いて見え、奥に八の字の雪渓の白根山までが一望できる。西には三俣山方向のこれから向う峰がはっきり見て取れる。アンテナのうらの石楠花の中を進み、暗い見通しの無い樹林を下りる。下り切った所から明るい白やしおの咲く所に出る。そこから足尾の松木渓谷のが見え斜め後方には、大平山が稜線を長く伸ばしている。ややモヤっているがはっきり見える。

シゲト山そばのシャクナゲ

日光と足尾の境の尾根、三俣山方面
白やしおは今日が最後のかな。ここから稜線の北側の木々の間を石楠花を避けて歩く。テープも結構あって迷うことはない。樹林の中から下りに掛かる、1919峰手前の鞍部への下りだ。上から見ると明るい広い鞍部で左右に笹原が広がる。鞍部に下り倒木を跨ぎ前を見る。まずい熊と遭遇10M目が合った熊の目は、ななを見たとたん熊が退いたななが追う。50M、100Mあっという間の出来事目の前を走る。「なな」、「なな」、「コイー」叫ぶななはすぐ戻った。。いつもの訓練通りななの呼び戻しは完璧。それにしても熊との遭遇とはこんなものなんだと思った過去に2回見たことがある。

【1919峰、シゲト山】
マークがありここまでルートは順調に1919峰まで着た。ここで一服シゲト山まであと少し時間が心配だがいざ出発。尾根に沿って進む、マークが無い探しながら獣の足跡がありそれを辿りながら下るがマークが全くない。もう直下に沢の原っぱも見え地図で確認したがどうも違う。左、左にまわり込みながらマークを探しながらコースを修正する。しかし見つからず結局元のマークまで戻る。ここで烏ヶ森の住人さんのHPのプリントを出し読む。書いてある「複雑な地形で注意が必要である」と注意して良く見るとマークが南の向きを変え下っている。ようやくルートが見えた少し登り返して笹の台地を進むと、倒木の樹林を下る。足尾側が開けていて皇海山が見える明るい展望がある。稜線の笹原を進むが何ヶ所かは、ツガの樹林の中を歩き笹原に戻り樹林入った尾根にシゲト山の白のプレートがある。トタンの案内板の下に発見する。ここで昼食をななとパン1つを分け合って食べる。さつきのプリントを見ながら三俣山への思いを次回に譲る。寝坊、コースアウト、熊との遭遇、アクシデントが3つあり宿堂坊山からの楽しみを残して戻る。ゆっくり休んでシャクナゲの写真を撮りながら戻ろう。

山名板

1919峰

【下 山】
黒檜岳で時間があれば大平山に行こうと思ったが、ガスが出て頂上を一時暗くした。またまた予定を変更してマークを外しながらの下山する事にする。 途中年配の1人の登山者にあった、社山経由で下山とのこと。千手ヶ浜のクリン草の庭を見て、渡船場をPM3:00に通過、ちょうど遊覧船が出発する所だった。今朝歩いた中禅寺湖周回歩道を菖蒲ヶ浜まで1時間で歩き車に戻る。

男体山(千手ヶ浜から)

千手ヶ浜のクリン草

【山の美化】
最近山歩きの中で重要に思うのが、マークだ特に冬雪の中を歩く時、道は無く道標があっても埋まっている。あくまで地図で確認するのが原則だが危険な所を歩かせないためにも必要だ。理想は踏跡が付かないように自然に一ヶ所だけ負荷を掛けないためにもおおまかなマークで良いと思う。次から次えと表れるマークのみをたどる山歩きは何か自分自身の主体性がない。
しかも最近マークをやたら付ける方がいる。カラーの梱包用の粘着テープを次から次へと木々に貼り付けて行く方がいる。それを時間があったので、黒檜岳の下りで90%を外した。その区間はきれいになった、一本道で迷うことは無いと思うが沢の両側と途中4ヶ所に赤布のマークを付けた。
ビニルの縛り紐は紫外線で劣化して裂け脱色さらさら風にそよいでいる。ビニルテープのぐるぐる巻きは時々巻き直さないと木がそこが締め付けらけて苦しそうだ。その他日用品の素材でビニル系は良くないようだ。昔からの素材の綿布がいいなこだわり過ぎかな。霧の多い所は大マークが必要だろう(根名草山など)紐状のマークは考えて必要な所のみにしたい。
今日はななにマークを運んでもらったが、リボンに見えた。

直にはげる貼ったテープ

回収したマーク


【シゲト山の在りかは、】
05.11.23大滝山に山行のおりのみねさんと増田さん(「回峰」の著者:白山書房)から『シゲト山山頂は今までの山名板のある1835mピークでは無いようです』との事でした。山名板の付近は尾根の明確なピークではなく、地図にシゲト山とあるのでそこをシゲト山山頂と思っていました。当時シゲト山行のおり痕跡はなにもなかった。のみねさん増田さんから尾根の1919mのピークに「字シゲト山」の刻まれた杭が見らたとの事でした。

山部も以前のシゲト山への記録を調べてみると、「字シゲト山」の杭の写真がありました。1919mのピークです、のみねさん増田さんの見られたものでしょう。地図の表示が山頂と思われない所が何ヶ所かあります。何時の日かシゲト山への折に「字シゲト山」の杭に再訪してみたいと思います。
杭の「なな」側に「字シゲト山」が刻字されています。 御料地と足尾との界標(境界杭)です。 黒檜山にも「字クロビ嶽」の杭が社山との分岐点にあります。 界標は明治期の宮内省が設置したものです、他の山にも「字○○○」はあります。

日光の宮内省の界標は、こちら>>