(おおだけ)  1843.4m   NO.189
   登頂リスト 2003年へ  栃木の山283+のHPへ     山部薮人 03.08.12
   
       大岳1843.4m・山頂三角点標石               白錫尾根2296m峰(大岳山頂から)
   
       錫ヶ岳2388m(大岳山頂から)                 山頂から中禅寺湖を望む
 【山行日】      2003年 8月 10日(日)
【コースタイム】
自宅発(3:00)==鹿沼IC・清滝(高速)==日光・菖蒲ヶ浜駐車場(4:20-5:20)−−とちの木のある浜キャンプ場(6:00-15)−−千手ヶ浜(6:35)−−西の湖入り口・アザミ橋(7:20)−−山神の鳥居(7:47)−−無名沢橋・8号橋(8:03)−−落石注意・大岳取付点(8:08-20)−−1605m峰(9:00)−−小コル(9:41)−−露岩の所(9:58)−−大岳山頂(10:22-49)−−1605m峰(11:27)−−林道・取付点(落石注意)(11:52-12:06)−−林道・無名沢橋・8号橋(12:11)−−山神の鳥居(12:23)−−西の湖分岐(12:23)−−西の湖(12:45-51)−−バスターミナル前橋(13:21)−−千手ヶ浜(13:27-35)−−とちの木のある浜キャンプ場(14:00-30)−−菖蒲ヶ浜駐車場(15:10)==清滝・鹿沼IC(高速)==自宅(16:50)
【地  図】     1/25000図 白根山
【所在地】     日光市
【天  候】     快晴 (台風一過で足元悪い)
【同行者】     なな(犬)  
【ストーリーの始まり】
台風10号が日本列島を縦断昨日まで大雨が降った。 山は夜遅くまで降り続いていたようだ。 台風一過の晴天を期待して必ずいい写真を写したく何が何でも行こうと決めていたのだ。 今回は前週の柳沢林道の途中の山なので、ゆっくりと楽しんで来よう。 そんな事で家を午前3時に出て5時半歩き出しの山の重役出勤である。 前週の歩き出し2時半とは大違いである。

とちの木の浜の守り人笑顔みる 台風一過倒木多し
【菖蒲ヶ浜出発〜西の湖入り口(アザミ橋)】
初めて菖蒲ヶ浜に車を駐車したのは竜頭の滝下の県営無料駐車場であった。 しかし次からは中禅寺湖周回道入り口の所にあるスキー場のゲレンデに駐車した、普段は開放されている。 最近はいつもここから湖岸を歩いて千手ヶ浜に行く。 今日はいつものゲレンデの砂利の広場は大量の雨水が沢を作り真ん中をえぐり音を立てて流れている。 端に駐車してからゆっくりと時間が過ぎぼんやり仮眠していて気が付くと5時10分。 準備をしていよいよ歩き出し5時20分、プリンスホテルの所から千手ヶ浜に向って歩き始める。 湖岸の道は小枝と千切れた木の葉が散乱していて歩きづらい。 人は枝を踏めるがなな(犬)は飛び越えるので大変である。

今日もこの道を歩くのは先頭のようだ。 赤岩を過ぎとちの木のある浜キャンプ場の手前の沢が水量を増し音を立てている。 沢の橋を渡ると栃の実があたり一面落ちている、まだ栃の実餅を作れない若いやや小さい実である。 とちの木のある浜キャンプ場の管理人と立ち話を15分くらい話をする。 台風の雨で中禅寺湖の増水で浜が5m少なくなり、かなり水位が上がる、テントの横と周回道に大木が倒れたとの事、途中の道はどうでしたかと聞かれた。 先週の夜2時半頃静かにここを歩きましたと言ったら、鈴の音を聞いた確かに聞いた。 深夜まさか歩く人もいないだろうと話したんだと言っていた。 ご迷惑でしたと言ったら毎週ここに来ているんですかと、、、、、少し話しをして先に歩を進めた。 ここからの道はナタで倒木の枝を何度か切り開き千手ヶ浜に来た。 大木が湖に倒れ道が半分大木の根でえぐれ慎重に越える。 千手ヶ浜の入り口の大木から大きな枝が落下してこれは迂回して行く。

明るいので熊の心配はない、鹿が高山への急な斜面をキィーンと声を上げながら駆け上がっていく。西の湖のバス停までの歩きは外山沢川の音を聞きながらの歩きになるいつもより大きい沢音しかし沢をのぞくとさほど水量が多いとは感じなかった。 バス停を曲がりあざみばしを渡る。

急坂上る鹿の白尻 キィーンと鳴いて岩から森へ姿消え
  
         折れた枝(千手ヶ浜入口)                            朝の男体山・中禅寺湖
荒れたアプローチ柳沢林道
いよいよ柳沢林道すがすがしい好きな道どんどん進み歩く。 右に折れる笹の小田代ヶ原に向う道が沢になっている、半端でないごんごん流れている。 道が本流で林の中は海で迂回は出来ない、少し道の縁を歩くもいよいよ本流を越えなければならず裸足になり歩く。 冷たい(上流にはツメタ沢がある、この水は草原の雨水と思われる)浅い所を探すが30cmぐらいの深さである。 渡りきるとべっとりと泥が足の指の間に付いて気持ち悪い洗って靴を履き歩き始める。 ここの林道にも枝が沢山落ちている。 山神の鳥居を過ぎ無名沢橋(8号橋)の手前から道は大きく深く掘られた所がある。 無名沢もごうごうと流れ周りのいたる所から水が噴出している。 この先の例の沢の渡渉点渡れないだろう当たり前である。 無名沢橋を過ぎると今日の大岳の取り付き点・落石注意の標識に着いた。
  
      沢になった遊歩道(西の湖分岐)                  柳沢林道の無名沢橋手前             
【落石注意(林道終点)・取付点〜大岳山頂〜取付点】
ここで今日の朝食を食べるパン1つ、アミノサプリをガブのみする。 取り付き点は始めは根の張った尾根これはいけると思ったらすぐにふかふかの腐葉土のジュウタンで歩きづらい。 とにかく当面に目標1605m峰を目指す赤布マークを付けながら上る。 鹿の道があったようだが、雨で鹿の踏み跡が薄いあまり鹿道に関係なく上をめざす。 シャクナゲが見えシャクナゲの横をすり抜け1605m峰の標石を探すが見つからなかった。 頂上部はシャクナゲの密生であるここから細い尾根が続くどうしてもここを通過しなければ大岳にいけない。 少し巻こうかとルートを探すが結構傾斜があり下るのもいやなのでシャクナゲのルートを開くことにする。 シャクナゲは掻き分けて通過すると後ろからパッチンが来る、山のマングローグである。 自分一人なら後ろパッチンがあろうがどんどん進むが、なな(犬)は密枝は通過できないのでナタで開く。 ここまで一切マークはない、マークがないのは未開の山のルートを作る楽しみがこたえられない。 しかし帰りを思い赤布マークを付けさせていただいた。 

シャクナゲパークを過ぎると尾根歩き少し行くと、鹿の道をたどってちょっとした鞍部(コル)に着く。 あとでこのルートが最良のルートを実感する。 尾根から真直ぐに樹林帯を直登すると一切の景色はない。 山部のルートは鞍部から頂上に向うと途中に沢の出来掛けのか露岩の岩場涸れた沢、岩場があり足掛かりがあり登り易い。 またここからの眺めが最高で特に中禅寺湖と周りの山々が見られる。 後でコースを振り返るとここの岩場からの眺めを外せない大岳に行ったらここを歩いてもらいたい。
ここからあと30分で真直ぐ登って山頂に至る。

  
       柳沢林道・落石注意(取付点)               1605峰付近のシャクナゲの薮       
  
      大岳直下の露岩の涸沢・眺望最高                       大岳1843.4mの山名板                 
大岳頂上は細長い樹林の尾根で南から北に少しづつ下がっている、その中央部に三角点標石が頭をちょっとだけ出している。 シラカンバの根から曲がっている根元に守られているように埋まっている。 ここから東側の戦場ヶ原と女峰山、大真名子山、が見られる。 太郎山は半分くらいが木々に遮られている。 男体山は木の上に頭が見えるがカメラ写りが悪い。 中禅寺湖も木々の間に見え、泥で濁った西の湖が小さく見えた。 西、北の群馬県境の峰がどっしりと座っているのが木々の間からようやく見える。 山名標識らしい物人工物は一切ない。 ここに山部特製手作り山名板を、シラカンバの木に太くなっても食い込まないようにゆるくぶら下げた。

おおらかな尾根を吹く風が気持ちよく ついうとうとと倒木枕

忠実に赤布マークをたどりながら、鹿に見送られながら1605峰に着く。 ここでよく見ると来た時のシャクナゲは巻いてもよかったかなと思ったが、来た道のシャクナゲの間を通って行く。 あとはふかふかの腐葉土の斜面を駆け下り落石注意の取り付き点に到着する。
  
          群馬県境のおおらかな尾根                   2077峰(左奥)への前尾根           
 
       入道雲の湧き上がる女峰山と大真名子山                      1741峰、高山、男体山の山々
  
         帰り道・千手ヶ浜から赤岩と男体山                        菖蒲ヶf浜の歩道入口      
【帰り道・・とちの木のある浜〜菖蒲ヶ浜駐車場】
林道から柳沢を見ながら歩き始める、水は濁らず音を立てて流れる。 戻る途中山神の鳥居の前で手を合わせ西の湖に向う。 帰り道でまた靴を脱ぐのは嫌なので西の湖を見て帰るルートにする。 西の湖に通じるつり橋に来ると河原で十数人が昼食を車座になって取っていた。 ここまで来ると人人人である、ついでなので大岳からみた泥海の湖を見ていこう。 着いてびっくり本当に泥海である水量も多く杭をはるかに越えて林の中まで水浸しになっている。 中山西の湖の写真を撮り千手が浜へと湖を後にする。
つり橋から千手ヶ浜バスセンターまでほぼ真直ぐに新しい道が作られていた。 この道を使えば大岳、宿堂坊山方面への最短ルートがあった。 どんどん新しい道を作っているこの道はいらない様に思うが、手軽な西の湖までのルートなのだろうがどうなんだろうか。

帰り道とちの木のある浜キャンプ場でホットを頂いた。 キャンプ場では喫茶はいけないらしい、しかし美人の管理の方の好意でおいしい香りを味わった。 クロスを掛けたテーブルまで作って頂きました湖を見ながらゆっくりと至福の時が過ぎました。 キャンプばの運営などの話をお聞きしながら波まで遊ぶキャンプの方のカヌーをボーと見ていました。 そうそうここは四季倶楽部が夏だけ運営しているそうです。 キャンプの邪魔になると悪いので帰路につきました。 

菖蒲ヶ浜のスキー場の台風の大雨で出来た沢は、ブルドーザーがせわしく動き直していました。 車を見るとふと気が抜ける気がしました。 今日の大岳のようにゆっくりと歩くと色々なことを考えながら歩けるようです。 短歌の一つも作りたいですね。

布ドリップのほのかな香り流れ来る 星形クッキー至福の浜辺
  
           とちの木のある浜の管理小屋                ゆっくりと過ぎ行く時の流れ至福の時    
【ルートの収穫】
人の踏み跡のない山を歩くと、鹿の道があちこちにある。 急な所は斜めにジグザクに、ここはという所は一気に登る。 普段この山で生活している鹿が最良のルートを作っている。 鹿は山のいたる所にを歩いている糞がどこにもある。 歩けば道が出来るその道を歩く申し訳ないように思うが利用させていただくありがたいことだ。 ここ日光の西側の山々がこんなに素晴らしい所だと再認識した、先週と今日の山歩きでは忘れられない山歩きになりました。
 
登頂リスト 2003年へ  栃木の山283+のHPへ