鬼怒沼山 2140.8m NO.195-2
鬼怒沼山をぐるり周回
【山行日】 2007年 7月 1日(日)
【山 域】 奥鬼怒
【地 図】 1/25000図 川俣温泉、三平峠 地図(加仁湯) 地図(鬼怒沼山)
【天 候】 晴、そよ風、時々曇り       地図(物見山) 地図(黒岩山)
【所在地】 栃木県日光市(旧栗山村) 群馬県沼田市(旧片品村)
【同行者】 単独
山行タイム
自宅発(6:00)=東北・日光道=霧降道=大笹牧場=女夫渕(8:20-30)−コザ池沢出合から尾根取付(9:15)−スーパー林道カーブ(10:20)−奥鬼怒トンネル口(11:45-12:05)−県境尾根(13:10-15)-鬼怒沼山下(13:45)−東電小屋(14:15)-(鬼怒沼散策)−沼入口(14:45)−アスナロ展望台(15:15)−オロオソロシ滝観瀑台(15:45-55)−日光沢温泉(16:25)−林道ゲート(16:50)−女夫渕(17:45-18:05)=「間欠泉」「上人一休の湯」=大笹牧場=霧降道=日光・東北道=自宅着(20:50)

【女夫渕〜尾根取付〜林道カーブ】
 「栃木百名山」を目指す「中高年の山歩きのよっちゃん」が最終章に入り今日歩かれるかも知れないと、言うことで今回は鬼怒沼山へ向う。 また、奥鬼怒スーパー林道を一度歩いてみたいと奥鬼怒女夫渕へ向った。 はっきりしない天気だが雲の画像を確認し好転すると読んでの遅い出発だ。 途中、今市付近では小雨降るも日光に着いて霧降道路では青空も見える、大笹牧場手前からは県境尾根は既に青空がになっている。 女夫渕の駐車場は満車であったが空きスペースがあり駐車でき準備に掛かる。 皆さんすでに出発か誰も居ない、釣り人が一人歩いて来た後を追うように女夫渕を(8:30)出発する。

 奥鬼怒温泉郷や鬼怒沼への従来ルートは黒沢の吊橋(絹姫橋)手前のがけ崩落のための通行止が続く。 現在はウスクボ平方面への車道を歩くルートになっている。 鬼怒川に掛かる橋を渡ると橋の側に、新しい登山道の工事が進行中で鋼鉄製の階段を設置中である。(鋼鉄製の急な階段は冬スリップして危険ではないだろうか登山道には不向きでは、尾根の巻き道の方がいいのになー) 車道を何度かくねくねと歩くと尾根先に上がる、現在仮道はここから河原に下りる様にある。 河原の中では吊橋を建設中である。(無駄ではないのか、現在落石の所をカルバートで直す方が良いのではないだろうか、そこを直さないと黒沢林道への道が無いのでは、必要ない林道だったら最初から作る必要なかったのでは、) 登山道が河原から離れると従来の道と合流し八丁の湯方面へ歩く、今日は陽射しが照りつけ暑い。 鬼怒川の右岸は崖が切り立っている、対岸はウスクボ平から斜面で鬼怒川へ落ちている。

 カッタテの滝を過ぎた頃からポケットの地図の確認を始める。 余りコンパスは見ない普段は地図と地形の照合で歩いている。 コザ池沢出合である登山道には橋があり、尾根側は滝になっている。 今日の楽しみの一つがショートカットの尾根ルート歩きである。 石垣の横から笹を手掛りに尾根に上がる、下草は薄く歩き易そうである。 この尾根の最大の難所は直ぐにやって来た、20mも上がると切り立った岩が立ちはだかっている。 ここは尾根上に立たなくては始まらないので急な岩をよじ登る。 今回は重装備で万全でロープ、8字環(エイト環)も持参している。 そこだけが危ない所であとは快適な分岐のない一本尾根歩きである。 尾根の樹種はアスナロやダケカンバで陽射しを遮っている。 地図を出したのは142mの三角台地だけである、ここもそろそろ林道ではと確認したのである。 高度差は200m位の登りは急な所もある、両側の沢音を聞きながらの暑い陽射しを樹林で避けられての登りで幸いであった。 奥鬼怒スーパー林道カーブ手前の所に「SPR−1筑大 育林」の杭が2本あった。 小ピークを巻くと林道カーブミラーとガードロープが見えた、出たー時間はどうなんだろうショートカットになったのだろうか。 この尾根の下り利用では時間短縮は間違いないと見た使える尾根だ。

奥鬼怒の河原の道に新たなる 橋の基礎部が岸に顔出る
 

仮歩道

鬼怒川右岸尾根・コザ池沢出合から
【奥鬼怒スーパー林道カーブ〜奥鬼怒トンネル・栃木県側口】


 奥鬼怒スーパー林道は群馬・栃木の最北部、鬼怒沼山を迂回するような林道である。 栃木県日光市(旧栗山村)加仁湯・八丁ノ湯−群馬県沼田市(旧片品村)大清水間である。 1971年の奥鬼怒スーパー林道計画から 1990年10月奥鬼怒トンネル(延長1309m)完成、1990年(平成3年)6月開通した。 この林道は一般車両への供用予定されていない。 

 さて、コザ池沢出合から尾根を歩きスーパー林道の東端に出た。 一汗かいて水を飲み一息ついたいよいよ林道歩きだ、靴紐を緩めて軽く締め直し汗に濡れて汗の滴るザックのベルトに腕を通す。(岩や薮歩きは紐をしっかりと締め、林道歩き時は紐をゆるゆるに締めます) 奥鬼怒スーパー林道はダートながら平坦な道です。 ガードレール・ロープもあります。 いつも不思議に思うのは、この道を作った経済効果あるのだろうかという事です。 歩き始めて直ぐに宇都宮ナンバーのバンが群馬へ走って行きました。 トンネルまで乗せてもらいたかったなーなんて思っているうちに、今度は群馬側から軽のジープが走って加仁湯方面へ走り去りました。 この後車とは会いませんでした。(群馬の軽は群馬側へ役所の荷を運んで来てついでに栃木側へ来たもので、ゲートを出ずに戻って行ったそうです。) 林道の縁の草木は若葉から濃い色に変わりつつあります。 サワウツギが今を盛りに咲いていた。 名は知らないが黄色の草花が沢山咲いていた。

 林道は鬼怒沼山から東に派生する1942mの尾根を巻くようにコザ池沢が鬼怒沼山の北側まで深い谷を作っている。 その70-80m上部に林道が作られている。 魚止滝の横に来るとやや真北が黒岩山になるが1950mの前衛峰で見えない。  コザ池沢の対岸の尾根が県境尾根であるが、急峻で所々に崩落が見える2055m峰の崩落は一枚岩の表面がむき出しになっている。 2055m峰の北には小松湿原がある。 この林道ルートが利用可能なら小松湿原も楽々日帰りも可能という事になる。 県境尾根を眺めながら斜度のゆるい林道を沢音を聞き花の写真を撮りながらながら、林道カーブから1時間20分で奥鬼怒トンネルに到着する。

何のため森に作った車道 奥鬼怒の岩つる草絡む

奥鬼怒スーパー林道

県境の尾根(2055m・2043m峰)

【奥鬼怒スーパー林道トンネル〜県境尾根】

 トンネルからはコザ池沢の源流部の沢を歩く事になる。 取り囲む周りの尾根は競り高くここから尾根には沢道を歩くしかあるまい、トンネルから約200m上流に砂防ダムがあってトンネル付近では水は見えない。 砂防ダムに上がると県境尾根斜面から小沢が流れ込んでいる。 砂防ダムのプレートには「奥鬼怒本沢」とある。 本沢にしては水量は少なく、また斜度も少ないので歩き易い。 所々雲蚊の発生も見られるが気にもせず進む、やがて沢が二又に分かれる水量の多い右沢は滝になっている、ここから右の尾根に上がり沢を離れる。 トンネルからピンクの工事用テープが点々と付けられているのでこの沢ルートを外すことはないようである。 沢を離れると笹も現れるがさほど密というわけでない。 途中の斜面ではガンコウラン、ゴゼンタチバナなど陽だまりに咲いていた。 約1時間で尾根に出る、尾根道にはテープが木々にうるさいくらい付けられている。

 * 下山後このルートの事を地元の方に聞くと、この道は国土交通省の雨量計の点検のために付けられた道との事でした。 車でトンネルまで来て1時間ちょっとで尾根に上がれれば最短時間であるようだ。 * 

奥鬼怒本沢ここから尾根に上がる(奥鬼怒トンネル口)

沢上部の二又の小滝ありここで沢と分かれる


【尾根〜鬼怒沼山巻道〜巡視小屋・ 鬼怒沼】
 尾根に到着して時間を確認するとすでに午後1時を回っている。 ここから鬼怒沼山を巻いて沼へ向う。 鬼怒沼山への登りとなり、尾根を歩く、鬼怒沼山頂上部を巻きながら樹林の中を歩く。 今回も鬼怒沼山の頂上部への分岐に着いた時は何なのだろうかほっとした気になった。 一息ついてから巡視小屋までは、木々に付けられたビニル紐のマークを外しながら歩く。 東電小屋(巡視小屋)にも沼にも誰一人いない、ワタスゲだけが風に揺れていた。 思ったより花は少ない、水が多く木道が無かったら歩けないだろう。 鬼怒沼出口(南口)にある鶴沼付近にはイワカガミ、キンポウゲ、モウセンゴケ、花の付きはじめたコバイケイソウの群落があった。 人っ気のない深山の湿原の快さに後ろ髪を引かれるが下山を急ぐ。

尾根の途中から黒岩山方面

ワタスゲの鬼怒沼


【鬼怒沼〜日光沢温泉・かに湯・八丁の湯・女夫渕】

 鬼怒沼からは登山道を忠実にたどることになる、最近沼と日光沢温泉間を木道の整備を進めている。 以前の道は掘られてぬかるんでいたが歩きやすくなっていた。 今回も懸命に下り歩き飛び石や木道に目をやると靴跡の水分がだんだんとはっきりし、先行者が居そうである。 アスナロ展望台の少し前で話声が聞こえ直ぐに追いついた、前行者は二人連れだった軽く会釈をして先を急いだ。 オロオソロシ滝観瀑台の所で一服していると先ほどの二人もやって来た。 

 温泉神社、そして根名草山の分岐から石段を下り日光沢温泉の建物の下をくぐって正面に出た。 いつ来ても日光沢温泉の正面の顔は変わらず、いい顔してるなーと思う日光沢温泉に泊まったのは社会人になった頃だから30年以上前に事になる。 ここからの登山道は現在通行止めになっている。 現在は車道を歩く事になる、歩き始めるとクレソンの群落がある。 これは日光沢温泉で栽培しているもので採取は出来ない。 しばらく道を歩くと加仁湯横では工事現場事務所がありナダレ防止柵の設置工事をしていた。 加仁湯をパスして先へ進むと奥鬼怒スーパー林道のゲートの所に着く。

 ゲートには軽トラ止っていた、ゲートに鍵をかけているところだ。 声を掛けたら女夫渕まで乗っていくように言ってくれた、好意に甘えさせていただく。 途中数回止まりながらで、「熊五郎の水」の所では沢山のペットボトルに水を汲んでいた。 いい人の車に乗せてもらった、この方は川俣のスーパー林道の管理人の方だった。 そんなことでスーパー林道の事を聞くことが出来た、トンネルから県境尾根へのルートを開いたのは国土交通省の雨量計管理の為とのことであった。 女夫渕温泉前駐車場まで送っていただき本日の山歩きが終わった。

鬼怒沼の花々

紫外線で退色したマーク類を回収する。