鬼面山 1616m NO.200 飯盛山 1364m NO.199 | |
![]() 手前・飯盛山 奥・鬼面山 |
![]() 鬼面山の山名板・「なな」 |
【山行日】 2003年 9月 13日(土) |
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【地 図】 1/25000図 那須岳、那須湯本 | 【天 候】 晴→曇り 霧 |
【所在地】 那須町 | 【同行者】 氏山さん 山部 なな(犬) |
【コースタイム】 自宅発(2:00)==氏家町・氏山宅(2:50)==矢板IC・那須IC(高速)==那須・一軒茶屋交差点コンビニ(5:40)==北温泉駐車場・今回の登山口(5:50-6:20)−−中の大倉尾根(6:55)−−尾根、林道分岐(7:03)−−飯盛山(7:58-8:15)−−鬼面山への途中薮の中の大岩(10:00)−−鬼面山(11:50-13:00)−−薮の大岩(14:00)−−下方の薮(14:20)−−薮の大岩・再 (14:53)−−溝(15:27)−−飯盛山−−毘沙門沢・渡渉点(16:05)−−尾根、林道分岐(16:30)−−北温泉駐車場(17:05)==那須IC・矢板IC(高速)==氏家町・氏山宅(16:30)==風呂==自宅(20:00) 歩行時間 10時間25分 |
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【氏山さんと「なな」とで、鬼面山、飯盛山のリベンジ】 鬼面山飯盛山に再挑戦する。 前週は朝日岳山頂から尾根を伝って1816峰から鬼面山へ挑戦したが、朝日岳の垂直の岩壁が下りられず(20m)その日はあきらめた。 北温泉から毘沙門沢を渉り飯盛山経由で鬼面山に向うことにした。 今日2山の頂上を踏めばちょうど200山で残り73山となる。鬼面山、飯盛山なんとしても今日達成したい。 この山の記録を探したが資料は無くこのルートの情報は「栃木273山」著者の倉持さんのみであった。 今日は達成したいその信念で山部、氏山、「なな」のベスト隊での挑戦であった。 |
![]() 北温泉 |
![]() 北温泉 後方飯盛山 |
湯治場の湯煙ゆらぐ露天風呂 山道通る北温泉 |
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【北温泉・駐車場〜飯盛山】 まだ暗い北温泉駐車場に到着した、時間待ちに湯を沸かしインスタントスープを飲む。 この時期日の出が遅くなってきた、この場所は山陰で特に暗い、山の上方からだんだんと明るくなってきた。 出発の準備をしていると、北温泉に朝湯に入るのだろうか男女の2,3組が前を通っていった。 清々しい空気の中駐車場から北温泉にコンクリートの道を下って行った。 我々も準備をして出発する。 直ぐに温泉の露天風呂が見えて来る。 女性も一緒の混浴でプールのような露天風呂だ。 風呂の横を通りいよいよ中の大倉尾根に沢の橋を渡り登山道に入る。 ジグザグに急速に高度をあげて案内道標のある尾根に出る。 ここからはゆったりとやや掘れた周りの笹をきれいに刈った道を清水平・三本槍岳に向って進む。 この道が中の大倉尾根への道だ。 中の大倉尾根に出てから登山道を進むと左側に一面刈り払われて工事中でロープで囲われた所にでる。 沢を渉るヶ所を探しているのでそこに入り少し沢方面に斜面を下る。 資材を運ぶ索道が沢を横断している、その下の沢で砂防ダムの工事が行われている。 そこは明礬沢と毘沙門沢の合流地点で我々が目指す毘沙門沢の渡渉点の下流だ。 そこからは下の沢に下りるルートはなさそうなので元の道に戻る。 そこから100mも行かないうちに林道がありそこを左に曲がり林道を歩く。 この曲がり角に赤布を木の枝に付けた。 この林道はマウントジーンズのスキー場の近くから入るらしい、入口にはゲートがあるようで一般車は入れないらしい。 2、300m先で林道終点となりそこから上と下への明確な踏み跡があり下の踏み跡を選ぶ。 この道は釣り人か作業の人が結構歩いているらしい、先に進むにつれはっきりとした道になっている。 何ヶ所か数年以内に道に階段を製材してある廃材で補修してあり、この道を利用しているようだ。 少し尾根と下の沢に沿って平行に進むとやがてジグザグに下の毘沙門沢にくだる。 流れた跡は上まで来ているが今日は水量は多くなく難なく沢を渉り対岸に付く。 いよいよ飯盛山への取付で歩きやすい所を探す、渡渉点の少し下流から見ると崩れた壁があり無理のようだ。 渡渉点の所から大きな石がゴロゴロした所が草も少なく登りやすそうなのでそこを上がる。 石が終わると笹が一面となり傾斜も急になるが、程なく歩きやすいどこの薮山と変わりなくなる。 上を見ると木々の間からちらちらと日差しが見えて、頂上が近いのが解る。 直ぐに飯盛山山頂に到着した、一番の高い所なのでここが頂上だろう。 なんのマークもなくだれも来た形跡はない。 ここから明礬沢の上に茶臼岳にガスが掛かっているのが見える。 下の駐車場、ロープウェーの下の駅が手に取るように見える。 しかしそれ以外の所は樹林で見られない。 |
![]() 飯盛・山名板 |
![]() 飯盛山の「なな」 |
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飯盛山 | 毘沙門沢 | 沢の取付点 | 頂上付近の笹 |
毘沙門沢を渡りきり飯盛山は手の中に 木々の間の光見る |
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【飯盛山〜鬼面山】 今日の計画のメーンの鬼面山へのアタックの開始である。 飯盛山からの鬼面山への下りは下草も余りなく、快適な下りで赤布マークを付けながら歩く。 鬼面山と飯盛山の鞍部と言うか境目の一段低い笹薮に突入する。 ここまでは笹薮をかわして快適に下るがここからは覚悟が必要である。 ここの境目の溝は雨水が流れる排水路のようで笹がこの中だけ少ない。 マークをして溝に下りる少し溝の中を12時の方角に歩く。 ほふく前進もした、溝の中も笹竹が濃くなりこうなったら溝から鬼面山斜面に上がる。 とにかくすごい笹竹で掻き分けて歩くが振り返れば、元に戻りどこがどうだが解らない。 それでも一歩一歩前に進む、濃くなったり斜面が有ったりで遅い突然薮の中に大岩が現れる。 地上高3m幅6m有ろうかの大岩で上れない程に尖がっている。 ここまで飯盛山からすでに1時間45分も掛かっている。 しかし少しづつでも頂上に向っていることは確かだ、気持ちを取り直しここで一服する。 ここから1時間の薮が過ぎようやく上部が見える岩の重なるガラ場に草の生い茂る所に到達する。 マークを笹より高い木の枝に付けいよいよガラ場を登る。 傾斜が急になり慎重になる、時々足元から岩が転げ落ち下の氏山さんには事無きを得たが気を引き締め慎重に登る。 いよいよ傾斜が上がれず横に巻いて崩れた大岩を乗り越える。 大岩をよじ登ると潅木があり枝の上歩き頂上の東のピークに立つ。 ここでは木々の背丈は低く冬の厳しさがそうさせているのだろうか、頂上には途中では見られなかった御用松が多いくなる。 東のピークから広い頂上の笹原に出て10cm位の笹の低い部分にザックを置く。 天気は最高、眼下に大丸温泉の旅館の屋根と駐車している車、ロープウェーの駅と車、峠の茶屋周辺が手の中にある。 さっきまで山頂がガスで見られなかったがすっきりガスが取れてロープウェー山頂駅から出た人が一列に茶臼岳の稜線に等間隔での点が並んでいる。 毘沙門沢の上には、どっしりとおおらかな熊見曽根から清水平、三本槍岳が見られる。 朝日岳頂上が垂直の岸壁の上に乗りここにも入れ替わり登山者が頂上にたっている。 1816峰の緑の笹のペルシャジュウタンを敷き詰めた奥に、朝日岳がどっしりと頂上が切り立った垂直の岸壁にある。 朝日岳を見る方向はここから見た姿が一番良いのではなかろうか、ここに立つ物だけが味わえる。 広い山頂の西のピークが鬼面山の最高点である、背丈の低い松、ナナカマドなどが密生している。 鬼面山の山名板は東西のピークの間の笹原の中に所々にある一本のナナカマドの木に設置した。 ここの山頂に来た人はここの笹原で大の字になって寝るだろうそんな快適な山頂である。 西側の隠居倉から那須の見た山も素敵だが、東側の鬼面山から見た那須の山々も絵になる美しさだ。 頂上でコンビニのおにぎりを食べる、ラーメンの用意をしてきたが、飲み水が余りなくラーメンは中止する。 水は氏山さんと全部を出し分けて合いました。 ここでは遮るものがなく真夏のキラギラした太陽が照りつけ「なな」はブッシュの下に潜り込み日陰ですずんでいる。 至福の時を1時間強過ごし下山の準備をする。 |
![]() 薮の中の大岩 |
![]() 「なな」大岩の所で |
![]() 雄雄しい「なな」、大岩の所 |
![]() 急登のガレ場 |
![]() 鬼面山 |
![]() 茶臼岳・下に峠の茶屋 |
![]() 朝日岳・1816峰の奥 |
![]() 熊見曽根・三本槍岳 |
【鬼面山から下山】 |
鬼面山山頂から下山である13:00に下る。 登ってきた東側のピークが急登だったので下りは南面の急傾斜だが1m位の笹原を笹につかまりながら東に巻くように下る。 山頂からは急な崩れた筋がが何本か落ちている巻きながら下るが登ってきたガレ場にはまだ相当に巻かなくてはならない。 巻けない急峻な沢の初期の崩落した筋を下る事にす。 砂礫の崩れた崩落地を周りの木につかまりながら下る。 手掛かりのない所はザイルを使って下る、氏山さんと交互に落石をさけ確保しながらゆっくりと下る。 下る途中で「なな」が付いて来ないのに気づく、いくら呼んでも付いて来ないしばらく呼んでいたらかなり上方の尾根で動く影が見えた。 余りの急傾斜で動けないで居る。 氏山さんに岩陰で落石を避けて待ってもらい、「なな」を迎いにまた確保しながら登る。 「なな」が姿を見せた懸命に呼ぶと恐々近くにやって来た。 ザイルを「なな」に付け一緒に急斜面を下る、足がすくみなかなか下れないゆっくり近くに付いて氏山さんの所までようやく着いた。 ここからまた氏山さんと交互に確保しながら落石をさけ下る。 傾斜が緩んできたのでまた4時(東)に巻きながらなおも下ると、隣のガレ場に出てそこのガレ場に登る時にマークした赤布が見えた。 やったとの安堵の余裕が出た。 50cm位の岩の堆積した所で岩にコケが付き笹と草で足元が見えずゆっくりになるが傾斜が緩みひと安心である。 岩から開放されるとまた深い笹の中に突入この辺はマークを小まめにしたので、マークに向って歩けば下りは楽である。 しばらくすると大岩に到着する大岩の岩のコケに付いた木に付けた赤布が印象てきであった。 ここでひと息つく周りは3mの竹薮でこれから歩く方向が解らない、適当なアップダウンが有り頭頂部を外すと根の曲がった所の横歩きになるので気をつける。 いよいよ飯盛・鬼面のコル・溝に着く頃と思ったら薮につけたマークを見つけ跡を懸命に登りながらたどるとなんとさっき休んだ大岩に戻ってしまった。 氏山さんと顔を見合わせるここをさっき出発してから53分笹竹の薮の中を懸命に歩いたのだ疲れた。 ここから飯盛山に向って再出発する今度は間違う訳にはいかない、慎重に竹を掻き分けながら進むしかし方向に自信を持てない。 途中で飯盛山に向って急傾斜を滑り下る、足が絡み頭から前のめりになる。 ようやく溝の中に転がり落ちる。 雨でも降っていたらこの溝の中をすごい水が流れるであろうことを考えると恐怖心が湧くような所だ。 溝の中は薮は少し薄くなったが掻き分けなければ進めない、山部は地べたを張って進む「なな」と同じ目線で歩く。 氏山さんは立って薮を掻きながら後から立って歩いてついて来る。 100m位溝の中を進むとマークを発見する。 ようやく鬼面山を下り終えたことに気が軽くなったこの溝が区切りのラインだ。 ここまで来ればあとはどんなに疲れていても、ゆっくり登っても飯盛山の頂上経由で毘沙門沢まで1時間あればいけるだろう。 とにかくゆっくりと進む飯盛山の頂上の横を通り、マークを追いながらガスが木々の間に入り込んできた、斜面を下り沢に着く。 沢のそばで湧き水をいっぱい飲んで英気を取り戻し毘沙門沢を渉る。 ここまで来ればあとは沢から中の大倉尾根に上がれば、下りだけだ1時間もあれば車に戻れるだろう。 鬼面山の頂上を踏んだ充実感でここからの車までの達成感で至福の下りの歩きであった。 先週のリベンジを氏山さん、「なな」と共に果たせた事にただただ感謝である。 |
鬼面山ルートを選びの難しき 楽な道なし薮の先 |
![]() 朝日岳と1816峰 |
![]() 鬼面山の山頂の笹原 |
![]() ススキの穂と朝日岳 |
![]() 沢横の湧き水 |
那須朝日岳の姿の良いのは、ここ鬼面山からが一番良いように思われます。 しかしここに来るのは大変な勇気が必要です、とにかく笹の根曲がり竹の薮を2時間以上歩かなければなりません。計画する時は充分な体力と気力と慎重な行動が必要と思われます。 |