大日向山  1176.5m NO.234
雪があるがこの時期はこのルートがベストであろうか?
     山部薮人 04.01.26記
【山行日】     2004年 1月24日(
【地  図】     1/25000図 川治 地図(大日向山)
【所在地】     塩谷郡栗山村
【天  候】     快晴 そよ風 /  午後3時頃から粉雪    温度 終日 低い
【同行者】     氏山氏と二人で      登頂リスト 2004年へ  トップページ 

【コースタイム】
自宅発(5:05)==新4号・宇都宮石井街道上(5:40)==氏家町・氏山宅(6:00)==鬼怒川・滝コンビニ(6:43-55)==栗山・日陰集落(7:23)==@栗山ダム下駐車場・出発(7:43-55)−−ダムサイト管理棟(8:10)−−ダム北部・尾根に取り付く(8:30)−−ダム北の尾根ピーク(8:58)−−下郷線146号・送電鉄塔(9:30)−−峰ヶ沢に下りる(10:20)−−大日向の前衛峰とのコル(11:20)−−大日向山山頂(12:20 -13:00)−−前衛峰のコル(13:20)−−前衛峰のピーク(13:35)−−下郷線147号送電鉄塔(13:48)−−ダム北の尾根ピーク(15:30)−−ダム北部(15:50)−−ダムサイト(16:20-25)−−栗山ダム下駐車場・帰着(16:30-42)==日陰(17:10)==鬼怒川(17:24)==氏家町・夕食(==リフレ・風呂(19:10-20:30)==自宅(20:45)
今日の
歩行時間  大日向山 約8時間 25分   一日合計 約8時間25分

【各種情報】
国道4線氏家地内温度 −2゜C(AM6:10)/栃木県異常乾燥注意報
栗山村日陰から栗山ダムまでの道は毎日除雪してありました。全面積雪あります、夫婦トンネル内にはつららがありスリップ注意です。バーベキュー広場までは冬はゲートが閉じていて車は入れません。

大日向山・下郷線147号鉄塔から

山名板


【NO.234 大日向山】
1176.5m 冬のこの山はルート選択が問題だろう、この時期に良く歩けたと思う。気力だけではだめだ。天候と温度変化に対応したい。今回は陽のあるうちに戻れたからベストであった。

栗山ダムの先に女峰の尾根

青空に揺らぐ赤布

氏山さん・下郷線146号の所


大日向山へのルートを奥鬼怒に来る時は考えて日向地区を通る時道路から山を見上げていた。しかしあまりにも急峻で躊躇していた。太田山から尾根を詰めるのが夏場なら本来のルートなのだろうが。近くの夫婦山に2週間前に登った時尾根の雪が多くかった。その状態では隣の大日向山は雪が多そうなので南面からの挑戦にした。

栗山ダム下の駐車場からダムサイト管理棟の横を通って、ダムの周回道路を歩いてサイトの反対側のダム湖の北側まで歩く。夫婦山からの尾根と月山からの尾根の合わさるコルのような所だ。そこにダムの土砂捨て場がある、東京電力・第一土捨て場の白杭に黒字の書き込みがある。ここから夫婦山からの尾根(藤原町と今市市、栗山村の境界)のピークを目指してあがる。取り付くと境界は木が払われて開けていた、笹が雪に埋まり歩き易い。スノーシューなので快適に歩ける、大型だが体重が重いので20センチは沈む。ここの登りは境界のピークまで出だしとしては快調に歩いた。尾根に上がって初めて目的の大日向山が現れた、今日は雲もなく眩しいくらいの快晴で無風だ。

峰ヶ沢は雪がたっぷり

沢の中から頂上を見る

前峰とのコル


境界のピークまで赤ペンキがあり、これからの境界は明瞭のように思われたがピークからは不明になった。地図で送電鉄塔へのルートを確認して、なだらかな所と鉄塔を目標に北斜面をくだる。大日向山は直接登れないので一山の越さなければならない。傾斜の急な崖を避けて深雪の中を下る。帰りここなら戻る自信はある、約40分で送電鉄塔に着く。下郷線146号のようだ黄色のポールに矢印があり147号を案内している。この146号が行き止まりのようだ。

地図で見ると目標の鉄塔は147号鉄塔だったが、とてもその鉄塔へは急斜面で下りられなかった。目の前に大日向山がどっしりと大きく座っている。ここから下の沢には急で下りられない、ここから147号へ巡視路へ向かう。巡視路と言っても道は全然見えない、斜面の道は雪で全く見えない見当をつけて斜面を横切る。深雪でルートが不明になる大日向山の前衛峰から尾根伝いに境界を進むのがルートと思われるが諦める。

146と147号の中間の尾根を下る事にした。峰ヶ沢に尾根を伝って下りた。沢の下降点に黄色のビニルテープがあった。ここでアイゼンに取替え一気に前衛峰と本体のコルに上がる。大汗をかくところだが、温度が低く快適にコルに着いた。ここから尾根の雪に足を差しながら本体の取り付きまで鹿と兎の足跡を案内に歩く。ここからまた斜面登りである、積もった雪も岩陰の所では下の落ち葉が見える所がある。南斜面と傾斜があるので積雪は少ない、ここで赤ペンキが現れるペンキをたどっていよいよ頂上の尾根の南東に上がる。

掘り出した

三等三角点

頂上にて


大日向山の頂上尾根は広くなだらかで快適である。ここで深雪なのでアイゼンを外してスノーシューを履く。尾根では木々の間から周りの山々が見える。尾根に古いビニルテープが2,3ヶ所有った高みを求めて歩く、途中高原山が良く見える所を見つける。帰りのカメラポイントにとっておき頂上に向かう少し右にカーブして尾根の北端のピークに着いた。RKさんの木切れの山名板があり頂上を確信する。氏山さんとやったな、がんばったなと到達の実感を喜びあった。

山名板を取り付けて三角点標石を掘り出して写真に撮る。初めてのドリンクとパンを一個食べる。周りの山々は木々に阻まれ目では解かるが写真は無理だ。無風で帰りの時間が心配なければハンモックでゆっくりしたい気持ちである。頂上から戻る時にさっきの開けた所で高原山をカメラに納めて深雪(約70センチ)の尾根を歩く。ここからの眺めは那須、白倉山、高原山方面が遮るものが無くすばらしかった。

日留賀岳方向

鶏頂山

高原山(山頂から)


尾根の端からスノーシューを外して靴のみで南斜面を駆け下る、下のコルまで20分で下りる(上り60分)。この先の尾根を進んで下の沢から上がってきた所の赤布マークに着いた。ここからは沢に下りずに147号鉄塔に向かう、この尾根上が境界なのだ。前衛峰のピークまではすぐに着いた。眼前に147号の鉄塔が見えるピークから左に尾根が延びているがその先は沢(田茂沢川)に降りる。ピークから鉄塔の左は植林地である、この尾根が田茂沢川と峰ヶ沢の分水嶺である。ピークを下ると下郷線147号の巨大な鉄塔の下に着く。少し上って鉄塔の下に着くと水滴が落ちていた、雪の上に水滴と氷の跡が無数に雪上に付いている。

鉄塔の基部の上部に巡視路の黄色ポールがある。そこには146号への矢印があるが雪で全くルートが見えない。この時期のルートは146号へのルートを探して行くのが正解だった。今回は境界の赤ペンキに誘われて147号鉄塔の尾根を登り始める。ここからは北斜面で上るにつれて雪が深くなる、傾斜がありスノーシューでは上がれない。アイゼンでのラッセルであるそれも腰まで雪に埋まり全面の雪を崩しながらのジグザグ歩きになる。1時間歩いても頂上も見えない、傾斜の緩い方に回り込みながら上方を目指すが回り込みにも限界がある。立木があればそれを頼って上がれるが岩場も有り時間だけが過ぎていく。雪の中の靴も踏ん張りが利かずに次の足が出ない、途中で先頭の山部が輪カンを付けて様子を見る。少しは雪を踏ん張れるようになったような気がするぐらいの効果しかない。

147号鉄塔から

147号の黄ポール・氏山さん

147号上の大岩
ここは体力勝負のみがんばった、ようやく傾斜が緩くなったら朝歩いたラッセルの跡が目に入る。今歩いた所が境界上だが冬はここの登りは避けたほうが良い。冬のルートは146と147の巡視路を歩き、傾斜の緩い146からピークの往復が良いと思った。ピーク上のマークの赤布を見て無事帰還を確信する。ここで持参した菓子を食べて休憩する。ここからはスノーシューを付けて一気にダム湖の取り付き点まで歩いた。ダムの周回道路でスノーシューを外して靴で歩く足が軽く、充実感も手伝って楽しい会話をしながらダムサイトまで歩く。さっきから上空は雪雲の覆われて粉雪が舞っている。ダムサイトの石碑の前で記念写真を写してダム下の車を眺める。今日はタイヤ、靴跡は自分達のものだけでだれもここには来た形跡はない。車に戻ったが温度が低く靴紐も凍り付いて中々解けなかった。

 


栗山ダムサイト

月山

夫婦岩

左端に六方沢橋も見える

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