日向倉山(ひなたくらやま) 1341.9m  NO.245
良かった芝草山と優劣つけ難い、日向倉山は最高です。
どうも最近取付が曖昧で、取付点を横に見ながら歩いてしまう。そして急登するいつもそのパターンである。今回は狙いの尾根を慎重にまた薮を避けて取り付いた。目的の南の主尾根に乗れば後は前進あるのみで尾根を忠実にたどった。山頂は芝草山と甲乙つけ難い展望があった。どの尾根も味が有ると思うもう一度季節を変えて歩きたい。
【今日の概要】
【山行日】 2004年3月13日(土)
【山 域】 三依、芹沢
【地 図】 1/25000図 五十里湖、荒海山 地図
【天 候】 快晴、ややモヤがかる 時々冷風吹く 尾根の積雪は多い、(頂上2m )セッピが発達 
【所在地】 藤原町芹沢 
【同行者】 なな(ナナ) 登頂リスト 2004年へ  トップページ 
(山行タイム概要)
登山口8:25--
(南尾根)--山頂11:12-55--(東南尾根)--登山口13:30

(タイム詳細)
自宅発(5:55)==鹿沼IC(6:18)==宇都宮IC(6:25)==今市IC(6:35)==鬼怒川のコンビニ(6:44-56)==五十里岬トンネル==三依橋(7:35)==芹沢上坪・浄水場(7:40)==カーブミラーの所駐車・
出発(8:15)−−林道から右に入る作業道入口(8:25)入る−−尾根取付点左沢左斜面(8:35)−−南の主尾根(8:56)−−尾根・広い尾根(9:50)−−尾根・五葉松(10:05)−−尾根・枯れた大木(10:30)−−山頂の南端(11:00)−−中央(三角点標石?)−−山頂の北端・最高点・昼食(11:10-42)−−日向倉山1341.9m山頂(11:45-55)−−南端(11:55)東の尾根に向う−−東の尾根次のピーク・ここから斜面を下る−−途中方向修正・東南尾根 925峰へ−−取付点そばの右沢を渡る(13:15)−−車に帰着(13:30-40)==途中・風呂(リフレ)==自宅(18:15)帰着     今日の歩行時間   約5時間15分
【アクセス】 中三依、芹沢、上坪
栃木県側から会津西街道を(国道121号)走り川治、五十里湖から夢郷トンネル、五十里岬トンネルを通り藤原町三依地区に向かう。三依地区に入ってすぐに左折して芹沢橋を渡る。、三依小の前を通って芹沢地区へ上坪集落を過ぎると、町の水道設備がある。今回はその先の100mカーブミラーの所まで入る。その先は除雪されていない。
【日向倉山 1341.9m】

日向倉山 1341.9m(南尾根のピークより)

見晴らしの良い山日向倉山

【出発から取付点、南の主尾根へ】
上坪集落は芹沢の右岸に家が点在している。集落の最後の家の先にこの地区の水源地がある。ここに送電線(下郷線)の巡視路がある。山歩きもパズルのようで、いろいろのワナを用意している。積雪期には特に注意が必要である。地図の巡視路は日向倉山から滝向山への東尾根の鞍部を越えて行く。巡視路を歩いて尾根上を西にたどれば山頂に着くであろう。
今回は山頂からの南主尾根を登りに使う予定だ。水源地の100mくらい先のカーブミラーの小さい広場まで除雪してあった。ここまで車で入る。早速山仕度をして出発する。今日も「なな」が同行する。旧芹沢銅山への道が今は舗装された道となっている。後で上坪の古老に聞いた話では今では道は湯西川まで抜けているようです。さて車から歩き始めると直ぐ上空を送電線がはしっている。そのまま上流に沢と平行して道を歩く、右の檜林から15,6頭の猿が道と沢を横切り対岸の持丸山へ登っていった。広い広場が現れポツンと一軒屋がある、これも聞いた話であるが別荘とのこと。その先に右からの小沢が暗渠になっている。そこには国有林の看板が何枚も立っている。よく見るとその上に道が見える。舗装の道からの右へ入る作業道はここだけとの事。

車の入れる道は3,400mぐらいで終点である。途中倒木が道を塞いでいた。沢が道とレベルが同じになりやがて二又になる。南の主尾根には左の沢の手前から取り付いた。今日は早めに取り付いたので20分で尾根上に到達する。雪の斜面は解けずに50cm位ある、一汗かいたその分南主尾根の斜度が始めのうちはなだらかに感じた。

この裏を上がると925Pへ(下りに使った)

まず南主尾根に上がり一安心

【南の主尾根を歩く】

快適な尾根を歩く

高度が上がると県境の山々が見える
南の主尾根はどちらも一般的な尾根で、前週の横瀬山の尾根と同じようです。雪は平均50cmで締まって歩き易い、アイゼンも輪カンも必要ない。1100mの所で左から上がってくる支尾根と合わさる。ここまではミズナラとブナの自然林で人の手が全く入っていない感じだ。雪が解けたら道が有るのか今は想像もできない。何ヶ所かの急登を繰り返し尾根が細くなり左の尾根と合わされるともっと広い尾根になる。ここで発見、左の尾根からであろうか、輪カンの跡がある薄っすらと付いている。この感じからすると一週間も経たないようだが所々である。。やはりこの積雪期はこのルートがメーンなのか。間違っていないな、このルートを選ぶ人が居た事がうれしい。この後2,3ヶ所わずかに輪カンの踏跡を見た。尾根上は雪が深く気温がまだ上がらず固まっている。

尾根に五葉松の大木のある1200mのピークに着いた。ここからの眺めは那須と芝草山、ガス(もや)の先に薄っすらと高原山、南に持丸山が白黒くどっしりと見える。徐々に高度が上がるにつれて視界が広がる、下郷線の鉄塔が下になる。ピークには雪が少なくブナの根元の穴からイワウチワの葉がびっしりと見える。きっとあと一ヶ月もしたら尾根はお花畑なんだろう。次のピークはアスナロの峰ここからも見通しが良い。日光、黒岩山、台倉高山、会津駒の白い峰その前に田代山、大きく安ヶ森山までが見えてきた。ここまで来ると次のピークが頂上かと期待して歩く、枯れた大木のあるピークに着くといよいよアスナロの樹林のある日向倉山山頂が確認出来る。(トップの写真)

そこからの急斜を下る、ナナは下りが苦手でちょっと急だと巻き道を探そうとする。ここでロープをつけると観念して踏み跡を着いて来る。いよいよ頂上の最後の登りは深雪である。ここから目標がはっきりすると足取りも軽やかになる。最後に雪の中からシャクナゲの葉がほんの少しだけ見える。あと30cm雪があったらシャクナゲがあることは知らなかった。頂上と思ったピークはまだその先だった。


【いよいよ頂上尾根・頂上】
頂上は南北に長く東側が切れ落ちた尾根。アスナロの大木がある、最初は葉が小さく檜かと思ったしかしこの環境ではアスナロだと勝手にきめた。東側の垂直の岩にシャクナゲが沢山ある事が解かった。そこから10分ほどで北の最高点に着く。遮る物も無いこの山は、隣の芝草山に劣らない眺めだ。日向倉山の最高点は枯れた斜めの大木と切り株が雪から出ている。少し先まで写真を撮りに行って頂上に戻る時雪を踏み抜き今ここは地に付いていない木の枝で上にいることを知った。ここからは北側の景色が加わった隣の芝草山を横からその右に白い三倉大倉の尾根、左に荒海山が白く聳えている。
日向倉山最高点の枯れたアスナロの大木

芝草山 実際は写真よりすごい

地吹雪でも尾根は明瞭で迷う事は無い
山頂で山名板を探したが見つからなかった。山名板も雪の下かもしれない、もちろん三角点の標石は探せなかった。前に「標石は尾根の中央にある」と何かで見たような気がしたので枯れ木のある最高点をはなれて尾根上を移動する。南と北の中間の小高い所に山名板を取り付けた。後で考えると標石は最高点の北の端にあるのだろうと思える。次に必ずもう一度再訪したいリストに入れておこう。誰か標石の所に移して欲しいと今は願っている。この尾根には冬に珍しく広葉常緑樹がある、植物には疎いので解からないがモチノキの葉に似ている。雪の中良く耐えていると感心させらえる。


【戻りは東尾根から巡視路へ向かう?】
食事して山名板も取りつけナナも雪遊びに飽き、こちらを見て帰るのかなと問いかけるような斜め顔をする。リュックを背負いストックをまとめて拾って立ち上がると既にナナは南の尾根の端に走り出した。追うようにアスナロとシャクナゲの所になナナは上がって来た南尾根を下ろうとしている。「ナナ」「こっち」と東の尾根を指すと急いで戻ってきた。上がって来た南尾根を下るのでは楽しくないので、巡視路の様子を見ようと東尾根に下った雪は段々緩んで輪カンでも30cmは潜る。しかし下りは楽々ですぐ一つ目のピークに到達。振り返るが木々に間に尾根の黒々としたアスナロだけが目に残る。先行のナナがその先の斜面を下ろうとしない、追いついて先を見る。ヤセ尾根に多量の雪があり通過はナナには困難と見たらしい。尾根の近くまで行くヤセた尾根は結構長く雪庇が発達している。直感的にここは避けたほうが良いと思った。

再度ピークにもどり南の斜面を下ろうと下に目をやるとビニルテープが見えた。やはりここを下った人がいるのだなと思った。ビニルテープは古い物だったテープ類はこの斜面ではこれだけだった。

下りながら荒海山を見る

東尾根のから下り南東尾根の下部
後は登りに使った南尾根


【東南尾根に乗り移り・925ピーク】
東尾根から東南尾根に乗り移るルートも考えられる。だがヤセ尾根を越えられないのだから東南尾根に行くには一旦この斜面をくだる。雪に埋もれた涸れ沢を越えて巻きながら東南尾根に向かう。1m位と思える腐った雪輪カンが50cmむぐる歩き辛い。尾根と尾根の下部から下りながら巻き気味に水の音する沢に引き込まれないように下る。中々東南尾根にいけない、巻くしか無いだいぶ巻いた南面になったようだ。東南尾根の斜面は所々雪の無い所がある。急にナナが上方に駆け上がって直ぐ先に駆け下がっていった。作業道を見つけたようだ山部も後に続いた。その道は見上げれば今歩いた所の50m上を巻いて上がっていた。これが尾根まで有ったら最短ルートだろう。

道を下ると東南尾根を南へ下った鞍部まで道は付いていた。その先は雪で道は消えたその先は地図の925ピークだ。ゆっくりと登り直ぐに925Pに立つ。両脇が沢の尾根がどこまでも延びている。いままで下った所は上って頂上に向かっている時に沢越しに登り安そうだなと見ていた。この尾根を下れば朝の取り付きに向かっている気も楽にピークから下る。このピークからビニルテープのマークが3ヶ所確認したが枯れて折れて倒れていた物もありつけてから日も経ったものだった。だらだらと下っていくと右の沢に人工物が見える、よく見ると砂防ダムの上面に雪で沢を渡る橋のようにも見えた。
林道手前の最後のピークに上がらずの鞍部から右に回り込む。ドンピシャリ今朝の取り付き点に出た。沢を越え作業道に出ると日向倉山の頂上を踏んだ充実した気持ちになった。芹沢沿いの道には暖かい陽射を受けて、朝より雪が少なくなったようだ。

925のピーク

細いが尾根道は快適


【今日のワナ】
安直に巡視路を行ったら東のヤセ尾根の深雪、雪庇に阻まれたろう。東南尾根も東尾根に出るのでNGだ。残雪時のルートは何があるか解からない、コース選びは慎重に心掛けたい。今日はルート選択がドンピシャリだった。安直なワナに掛からなかった。

東尾根の送電鉄塔・後の尾根の鞍部は尾頭峠

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