【概要】 |
【山行日】 2004年8月1日(日) |
【山 域】 土呂部、湯西川 |
【地 図】 1/25000図 地理院 湯西川 地図(高倉山)
川俣湖 地図(前高倉山) |
【天 候】 晴れ、うす雲あり |
【所在地】 栃木県塩谷郡栗山村 |
【同行者】 単独 |

前高倉山・1398m |

高倉山・1437.2m |
【コースのタイム】
登山口までのアクセス
自宅発(3:30)==鹿沼IC==(東北道・日光宇都宮道)==今市IC(4:20)==鬼怒川コンビニ(4:30-35)==川治(4:50)==栗山・黒部(5:05)==土呂部==1193mの道路分岐(6:10)==湯西川前沢林道入口(6:13)==林道・山頂北崩落地の取付点(6:25-30)
歩行タイム
林道駐車点・取付口(6:30)−−支尾根の分岐ピーク(6:50)−−山頂尾根の西分岐点(7:10)−−前高倉山・1398m(7:20-40)−−1426m峰(8:25)−−1331m点前コル(8:40)−−1370m峰(9:00)−−1400m峰(9:15)−−林道切通し(9:20)−−1370m峰先鞍部(9:35)−−高倉山・1437.2m峰(10:00-20)−−林道切通し(10:40)−−林道・駐車場・取付口(11:10)==(この後土呂部へ下り、その後日加倉山へ行く)
歩行時間 4時間 3 5分 関連ページ 明神ヶ岳 NO.266 (04.07.03)ページ
日加倉山 NO.269 (04.08.01)ページ
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【取り付き点】
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約1ヶ月前に明神ヶ岳に登ったその時に見た高倉山は、前沢を挟んで対峙し断崖の上に聳えていた。 明神ヶ岳への時に通った林道前沢稲ヶ沢線をその先まで上って行く。 途中で林道は湯西川前沢線が分岐になる。 下から見えていた道は林道・湯西川前沢線それであった。 林道へ入ると途中で崩落があってまた道は荒れていて愛車H社2WDのステップワゴンでは走れない状態だ。 入口は簡単な柵が置いてあるのだけで入れるが注意してほしい。 道は高倉山の前衛峰手前の鞍部まで達して入るように見えた。 しかし延々と林道を歩いて高倉山に今回はここからは向かわない。
高倉山と前高倉山は宇都宮勤労山岳会の鈴木隆氏の高倉山の山行のページを見せていただき参考にした。 鈴木氏は土呂部牧場から前高倉山に上がっていた。(今まで知っている方は皆牧場からだった) しかし今回は前に前沢で見た林道の行方が気になって土呂部から1193mの分岐(峠)に行き、湯西川方面に下ってみると高倉山手前の鞍部からこちらに向かって林道が見えていた。 もう少し下ると林道入り口があってゲートは開いていた、最近の車のわだちも有り入って見ると前沢側と違って林道は気持ちよく走れた。 地図には途中までが載っていて未完成になっているが貫通している。 林道の前高倉山側は法面の工事が施されて大部分は上れない。 取り付き場所を求めて林道を進むと一ヶ所だけ崩落して所があり、そこから支尾根に取り付き頂上を目指すことにした。 |

崩落している所に取り付く |

小さいシャクナゲのジュウタン |

頂上尾根西端の境界杭 |

ミヤコザサの明るい頂上尾根 |
【前高倉山を目指す】 |
林道湯西川前沢線を走って前高倉山側斜面に取付点を求めて走る。 元々急峻な所に作った道であるから法面は要壁がコンクリートで固められている。 なかなか取り付ける場所は見つからずにいた。 一ヶ所山側が崩落している所あった、他に何本かの沢があるがここしかないようある。 途中で法面のネットを貼って吹付工事をしていた。 山頂の長い尾根の西端から北に向かっている支尾根に取り付くのである。 崩落地を上がるのでロープとピッケルを持参する(崩落の地のガレ場通過とガレ場上部の乗り越えのためロープとピッケルが必要)。 崩落地に踏み込み慎重に歩くガレ場から這い上がればまずは一段階完了だ。 後はいつもと同じで黙々と尾根に向かって高度を上げる。 少し急斜面でもがんばって尾根に到着する、尾根の小ピークに上がると尾根は見通しの利く所で薮は感じられない。 途中に幼木のシャクナゲのジュウタンのような所があった。 尾根歩きは問題なく前高倉山の長い頂上尾根の西端に着く。 西端は境界の杭が2本ありここで小休止する。
頂上尾根のミヤコザサに覆われるも笹の背が低いので快適である。 笹の葉は露が付いてキラキラ輝いている。 今日の格好(服装)は下はゴアの雨具、上も雨具でしたが途中で脱いだのでクロロファイバーのTシャツ一枚です。 汗に濡れた火照った体には風が爽やかに感じられる。 頂上尾根は樹林(ブナ、ミズナラ)の中なので見通しは尾根筋だけで眺望はない。 いよいよ頂上の探索である、尾根を東に進むと三ヶ所にシダが丸く茂る所を確認する。 山頂には名は不明であるがどこかの大学の名板があるはずだが見つけられなかった。 尾根中央にシダがその真ん中にウメモドキのような小さい木が一本ある。 そこの所は南からの支尾根(土呂部牧場)が来ているので、ここが水準点1398mの前高倉山山頂だろう。 笹尾根の先まで行った境界の杭があったが少し下り気味でやはり違うさっきの所に戻ってザックを降ろした。 なおも杭らしき物と山名板を探したが無かったので探すのをあきらめた。
【前高倉山頂】
前高倉山は長い笹尾根でのんびりと本などを読みながらこっくり居眠りに良い所である。 ここへは考えて見ると今回は北側の尾根そして途中から北西尾根を合わせたルートで歩いてきた。 前高倉の山頂へは土呂部牧場の中を歩かせていただくのが一番苦労なく前高倉の山頂に到達し易いと思った。 北側の尾根への取り付きは急で要壁が高く上ることが出きる所が限られているからである。 山名板を大きなブナの枝にロープで吊り下げたこれで一件落着である。 |

前高倉山、頂上尾根の東端の杭 |

高倉山への尾根はこんな感じ |
【前高倉から高倉山を目指す】 |
前高倉山頂の尾根の東端から一旦鞍部に下りる。 そして一つ目のピークを越してまた下り1426m峰へ40m位の登り切る。 ここからの地形が注意したいゆったりと尾根は北に向かうが、途中で西派生する尾根に乗り移る。 ここからは切り立った尾根に取り付いて尾根を忠実に遡上するのである。 尾根は切り立っているので注意が必要だが尾根上に明快な獣道があって歩きやすい。 ここを利用している獣が何であるかは解らない鹿ではないようだ。 1400m峰からは急な斜面を下りると林道湯西川前沢線がある。 ここは要壁が有るので右側(東側)を木々を手掛りに林道に下りる。 峰越えの所で小屋か゛有った。 ここから少し道を前沢側に歩くと先日上がった明神ヶ岳の尾根が正面に見えた。 なかなか急な斜面だった事が解かる。
林道からは北に峰と鞍部の先に目指す高倉山があった。 ここまで来ればあと1時間も有れば頂上に立てそうだ、そう思うと元気がでるものである。 続いて要壁避けて西側の斜面から取り付く(赤布残置)そこのピークは巻いて次の鞍部までは笹を分けての歩きになる。 林道の切通しからは今までと同じような尾根と斜面であり約40分で高倉山に着いた。 山頂は小枝に古い赤のビニルテープの二つあっただけで他の山名板などは探したが無かった。 木々の間に開かれたスペースの中央に黒く苔むしてちょこんとだけ標石の頭が見える。 上空は木々の枝葉が覆いかぶさりつつある。 航空測量の残骸が上空の枝先に括られていた。
想像していた高倉山と違って薮もルートも明瞭で快適な物だった。 しかしここへはこのルート以外では来られない所である。 頂上から北に派生する尾根はどれも急激に落ち込みその先は検討もつかない。 また東西を沢が挟んで絶壁をなしているので高倉山へは南からのルートしかないと考えられる。
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切通しから見た高倉山 |

標石の上には測量の残骸がある |
【高倉山、山頂そして林道を楽しく歩く】 |
山頂からの眺望はないとにかく静か何の音も聞えない、時折ウグイスの声が下の方です。 沢からは500m位上方で全く沢音もない。 今は風も止まっているようである。 いろいろな事を思いながら付近を散策してから山名板を枝からロープで下げて記念撮影し一服して林道の切通しへもどる。 時々明神ヶ岳を見るがガスが取れずに最後まで頂上は見られなかった。 切り通しからは林道を歩いて車に戻った。 何ヶ所かの沢は水が豊富で音を立てていた。そばには山アジサイがつぼみを膨らませて少しづつ咲き始めていた。
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熊であろうか樹皮が剥がされている |

木々の間から明神ヶ岳が時折顔を出す |
【いつになっても使えない林道】
この急峻な山域に林道を作ってこれから植林してどれだけの経済効果を見ているので有ろうか。 状況を見ても道を利用しているとは思えない路面で崩落、崩壊があちこちで起こっている。 路面も流れた水でえぐれてとてもトラックが木材を運んでいるとは思えない。 今も林道の法面の整備工事をしているここまでもいくら費用を費やしたかわからない。 難工事だったろう膨大な労力が無駄になってしまうのが目に見えている。 他に費用を掛ける意味があるのだろうか、そんな林道が栃木にはたくさんある。 先日の馬坂沢への栃木県側が1年間で真ともなのはいつあるのだろうか。 それが地域の経済と生活にどれほど貢献しているのか税金の生かした使い方を望みたい。
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【前高倉山の山名】
山部の山名板は当初倉持氏のリストに基づいて、[高倉山1398M]と作った。 ところが2.5万分の1地図を良く見ると高倉山が二つあるではないか。 他のホームページを見ると前倉山となっている、それではと[前倉山1398M]を作る。 それから2年後いよいよ前倉山、高倉山を歩こうと地理院の地図を見る。 すると[前高倉山1398M]となっているではないか。 三度も作り直した前高倉山だった。 残った[高倉山1398M]の標高を彫り直してペイントを入れる。 [高倉山1437.2M]を作成した。 [高倉山1437.2M]は再利用のリサイクル山名板である。 前高倉山を高倉山とした地理院の誤記が何度も作り直すことになったのである。
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