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羽賀場山(一等三角点峰)・お天気山 |
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NO.362
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羽賀場山は栃木の一等三角点峰の一つである。 選点・明治 25年 11月 10日堀江當三、埋石・明治
26年 3月 19日高井鷹三、により柱石長 82cm(推定 80kg)が設置された。 標高は、
774.53mである。 * 冠字は、堀 22である。
* 冠字とは、現在で言えば "基準点コード"のようなもので、当時の標石番号であり、"堀"とは、堀江當三の略号と言える。 名前の頭文字という事ではない、"堀"が名前と同じなのは珍しく、それぞれの測量官に"冠字"が当てられていた。 |
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一等三角点「羽賀場山」 標石 花崗岩( 2010.9.25 ICタグなし )
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【山行日】 2010年 9月 25日(土) |
【天 候】 台風一過、曇り後晴れ |
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【山 域】 鹿沼・古峰ヶ原周辺 |
【所在地】 「羽賀場山」 鹿沼市板荷字ムジナアナ
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【地形図】 1/20万図宇都宮 1/5万図鹿沼
1/2.5万図「文挟」
・「羽賀場山」は、 こちら>>
・「お天気山」は、 こちら>>
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【同伴者】 単独 (山部)
【緯度 経度】
・羽賀場山 (標高 774.53 m)
36°37′40.8282 / 139°39′30.4165
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【標石データ】 地理院「点の記」より
・ 羽賀場山 冠字 堀 22号
基準点コード 5439-75-4201
標石 柱石長 82cm
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選点 堀江當三 M 25.11.10
埋石 高井鷹三 M 26. 3. 9
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中央先の尾根ピークが一等三角点「羽賀場山」、 撮影地:一等三角点「晃石山」
この「羽賀場山」と「晃石山」の一等三角点間で、三角網測量が何度も行われた。
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【 羽賀場山 へ向かう 】
二日前の彼岸の日に来たが、早朝からの雨で帰宅した。(拓本予定のため雨で断念) 本日は台風一過で必ず天候は回復するので、家を出る時の空はどんよりしていたが現地へ向かった。
鹿沼市引田手洗の長安寺入口の県道付近に駐車した。 長安寺の石段の写真と付近の花を撮って巡視路"新栃木219号"ポール脇を通過する。 お寺の裏は県有林の案内板の道から尾根に着く、地形図は頭に入っているので時間があれば尾根を下って四等三角点「引田」を確認したいが先が長いので今回はパスである。 ようやく体が動きペースが上がってきた、最初のポイントの送電鉄塔"新栃木線219号"に到達した。 さらに次のポイント送電鉄塔"南いわき幹268号"に到達した。 急な主尾根取り付き登り切ると程なく、「羽賀場山」山頂に到着した、それぞれのポイント間は約
30分であった。 このルートは、巡視路と尾根歩きで問題となる所はない、"南いわき幹268号"を過ぎた所で巡視路と登山道が分かれるのでここだけは注意が必要である。
羽賀場山頂には山名板があった、朽ちていたものや最近設置したものなど、ふと見るとコースタイムとバスの時刻のメモがあった、うれしくなった親切な方がいるものである。 沢山の山名板よりこのメモが的を得ている。 風が出てきた「羽賀場山」での標石調査と拓本が完了し「お天気山」へ向かう。
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美しい長安寺の石段
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送電鉄塔 南いわき幹268号
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羽賀場山三角点標石
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山頂の案内
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【 お天気山へ向け縦走路へ出発だ 】
羽賀場山から「お天気山」への"メモ書き"には1.5時間とあった。 今日は楽しみながらゆっくり歩こうと心掛けた。 良く踏まれ木の根が張った尾根が続く、途中のピークは巻道が多い。 道は鹿が作ったものだろう、何度か『ヒー、ヒー』という鳴声が、猪だろうか鹿だろうか。 獣道は歩き易いので尾根を通した道があるが、鹿道を選び進んだが、道は下ったりするが大岩を巻いている、大岩先のピークを過ぎた所で確認すると道から大きく隔たり鞍部のかなり下方だ。
その後は獣道はやめて尾根の明瞭な踏跡を進んだ。 変化に富んだ岩や尾根は快適であった、尾根の下方から派生尾根が出ている所がルート上あるので地形図は必要だろう。
予定通りの楽しく歩けた「お天気山」に到着。 山名板のある山頂部の岩の上に壊れた祠が鎮座している、少し板荷方向に進むと日光方面が開かれていて台風に雲が払われて山名同座が楽しめた。 風を受けながら
10分くらい休んだ。
★ 山頂にあった山名板の標高が 777mと記してあった。 地形図にある P777m峰と同じ標高である。 「お天気山」山頂と
P777mとは隣りの峰で違う、果たして「お天気山」の標高は何mなのだろう。 地形図では
770m等高線内にあるので、770m-780mの間であろうが私のGPSでは 769mを表示していた。 私の感じでは770m〜772m位ではないかと思う。 ここの標高に固執するのは、777mと表示すると地形図上のP777m峰を「お天気山」と勘違いしてしまう危険があるからだ。 山名板に標高を記する場合は注意をしてほしい。
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植林地の尾根が続く
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この大岩は直下を巻く
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お天気山から日光の山々
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二ノ宮の大岩
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【 下山へ 】
20年以上前になるだろうか「お天気山」まで歩いたことがある、詳細は忘れたが途中に大きな岩があったように思いながら歩き始める。 のっけから急斜面でロープが設置されている。 前途多難である、
15分で「二ノ宮」、さらに 15分で「一ノ宮」 に着いた。 二ノ宮の後ろの尖がりの大岩は大きい。 どんどん下った、周囲は植林地で全く周囲の山々は見えない。 二ノ宮から植林地内ルートの下山道もあったが、今回は尾根を通して一ノ宮の祠経由とした
10数年前に歩いた時より急な斜面に感じた。 この登りでは"今は辛いだろう、やはりお天気山と羽賀場山はセットで"なんて思いながら里に向かった。
お墓を過ぎた所で農作業の方と雑談 20分今年の暑い夏の話『彼岸花の開花が遅い、、、』など。
少し歩いて県道に到着 "バスの時間は15:30" と思い込み勘違いし上大久保バス停留所で時刻表を見ると
"15:01発"すでにバスは通過した後のようだ。 雑談 20分が長かったようである、まあ良いか次は
1時間後だからと歩いて引田手洗の長安寺まで歩きはじめる。 集落の方と挨拶や雑談や寄り道しながら県道を鹿沼方向へ歩いた。 今日歩いてきたお天気山の峰が見える、あれが二ノ宮、一ノ宮のピークであれが山頂だ、羽賀場山は見えない。 神社手前から羽賀場山が見え始めた、その時振り返ると何とバスが来る迷わず手を上げた。 ラッキー時刻表に無いバス(市営「リーバス」この周辺はどこでも乗り降り自由)だ、あっと言うまに長安寺入口に到着した。 今日は誰とも山で会わない独り占めでした、渋く好きな山になった楽しめました。
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一ノ宮
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左のピークが一ノ宮、次が二ノ宮、中央ピークが「お天気山」 撮影地:上大久保バス停
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【所要時間・歩行距離】
長安寺・鉄塔巡視路219号入口 7:50 - 鉄塔・新栃木線219号 8:25 - 鉄塔・南いわき幹268号
8:55 - 「羽賀場山」一等三角点 9:30-11:40 - 「お天気山」 13:15-13:25 -
二の宮 13:40 - 一の宮 13:55 - 県道・上大久保バス停 15:03 - 下大久保の神社付近の路上(リーバス乗車)
15:13 = = = 県道・長安寺入口 15:20
所要時間 約 7時間30分 ( 歩行時間 約 4時間50分 )
登山口から羽賀場山間の標高差 約 520 メートル
現地案内板によると、「羽賀場山」の別名:大滝山、大沢山、岩根沢山、梅ノ木沢山
「お天気山」の別名:天強山、天久山 と記してあった。
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「栃木の山283」は、 こちら>> |