日光御料地 御料局三角点


錫ヶ岳御料局三角点標石  06.08.09 

明治政府旧宮内省が設置した測量の証し、奥日光の御料局三角點

    宿堂坊山  標高1968.03 m  栃木県日光市大字日光字ケサマルカ岳
 

    調査、撮影日 03.08.03/09.09.21

標石材質 中粒黒雲母角閃石閃緑岩(黒御影石)
刻字表面 御料局三角點 裏面:三等 上面:×
寸法形状 一辺が120mm、高さ約750mmの角柱
       上面角隅切りあり

地形図   宿堂坊山周辺は、こちら>>
関連ページ 宿堂坊山は、こちら>>
現 況    国地院 基準三角点「宿堂坊趾」標石あり
   ・奥日光千手ヶ浜から柳沢川を遡上し<枝沢のネギト(禰宜)沢の源流部群馬県境に宿堂坊山はある。 日光修験道の宿があった事からこの山名の由来となったのであろう。 笹原の山頂には国地院 三等三角点「宿堂坊趾」標石が埋標される。 御料局三角点(三等)標石は抜かれ木に寄りかかっている。

 この標石へは、柳沢林道を詰めると途中に道端に一升瓶があり、そこから尾根を詰めると頂上にある。 しかし、苔むした倒木の広い尾根である。 2003年当時は携帯の電波は入らない、頂上では群馬側の電波が入った。



    錫ヶ岳    標高 2388.00 m  栃木県日光市大字日光字錫ヶ岳
 

 調査、撮影日 06.08.13


         03.05.11

標石材質 中粒黒雲母角閃石閃緑岩
刻字表面 御料局三角點 裏面:三等 上面:×
寸法形状 一辺が120mm、高さ約750mmの角柱
       上面角隅切りあり

地形図   錫ヶ岳周辺は、こちら>>
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現 況    異常なし、写真の通り
        近くに国地院 基準三角点「錫ヶ岳」標石

 ・栃木の山屋と自負している方達は一度は歩きたい山の一つが錫ヶ岳である。 一般登山道からは遠く健脚者のみの山である。 山部が二十歳の頃は、道も無く原生林の県境の稜線をたどるコースで一人では無理と考えていた山であった。 しかし、近年は道標も設置され踏跡も明瞭になった。 しかし、深い山である事には変わりは無いので注意したい。

 
御料局三角点は山頂の踏跡にあって錫ヶ岳に行ったものは必ず見られる、この標石を国地院の三角点と思われ国地院の三角点標石を見忘れる向きは多い。 国地院標石はピークの笹に埋もれているので分かりにくい。



  温泉ヶ岳   標高 2332.85 m  栃木県日光市大字日光
 

    調査、撮影日 09.08.23

標石材質 中粒黒雲母角閃石閃緑岩
刻字表面 御料局三角點  裏面:三等  上面:× 60mm
寸法形状 一辺が150mm、地上高約560mmの角柱
       刻字面 190mm
       上面角隅切りあり

地形図 温泉ヶ岳周辺は、こちら>>
現 況  異常なし、
       H3のペンキ書き込みあり
       近くに国地院 基準三角点「温泉岳」標石
      標高2331m



    調査、撮影日 09.09.05



 ・温泉岳(ゆぜんだけ)の標石に白ペンキで「H3」と書かれている。 日光御料地の北西の角がこの周辺で、近くには念仏小屋がある。 小屋手前付近からの東への尾根から於呂倶羅山、太郎山へと宮境界は続く。

 * 温泉ヶ岳山頂直下に古穴がある。
「温泉ノ嶽へ参後夜ノ勤アリ 夫ヨリ駈レハ頂上二穴アリサヽノ中也 可用心」 大永7年(1527) 修験者の私記にあり   古穴は、こちら>>
  小太郎山 標高 2328 m   栃木県日光市字太郎山
 

     調査、撮影日 02.05.19


     調査、撮影日 09.06.13


標石材質 中粒黒雲母角閃石閃緑岩
刻字表面 御料局三角點 裏面:三等 上面:×
寸法形状 一辺が120mm、高さ約750mmの角柱
       上面角隅切りあり

地形図 小太郎山周辺は、こちら>>
現 況  御料局標石は露出してケルンの石積の中にある、
      写真の人物の左奥のケルン中央が標石

      ・2328mの所が小太郎山である。
      隣の峰に、  国地院 基準三角点「太郎山」標石あり


・09.06.13の調査では御料局三角点標石のケルン状の石積の数量が減ったように思った。 傍に木標(標高表示)があり、以前木標のあった所には「小太郎」の山名板が設置されていた。 何れにせよメンテをされている方がいらっしゃる事は好いことでる。

 太郎山山頂には太郎山神社の石祠がある。 周囲は宗教法人二荒山の土地であるから旧宮内省の土地ではない。 宮界標のラインも小太郎山付近から太郎山南東にあるお花畑(噴火口跡)の下部を通っている。 この小太郎の御料局三角点が北東角の三角点で宮界標の位置を測っていたのだろう。

標石グループの舘沢様より、小太郎山山頂に盤石(地中標:上西様)ありとの情報をいただきました。(2010.11.14)
 


  古 薙  標高 1487.96 m  栃木県日光市大字日光奥日光国有林
 

    調査、撮影日 08.08.30

緯 度 36°45′21.44 
経 度 139°27′53.98
標石材質 中粒黒雲母角閃石閃緑岩
寸法形状 一辺が120mm、高さ約750mmの角柱
上面    角隅切りあり

地形図  古薙周辺は、こちら>>

現 況   異常なし、写真の通り
      並んで国地院 基準三角点「古薙」あり

・男体山の山麓に小ピークにある。背後が男体山、見下ろせば中禅寺湖が見える。 
湖畔の中禅寺金谷ホテルの裏山という雰囲気である。 私はホテル裏から尾根をピストンした。 古薙砂防ダムへの作業道(菖蒲林道)が古薙と男体山の間にある。
 


   高 山   標 高  1667.4 m  栃木県日光市大字日光奥日光国有林
 

     調査、撮影日 03.06.28

標石材質 中粒黒雲母角閃石閃緑岩
刻字表面 御料局三角點 裏面:三等 上面:×
寸法形状 一辺が120mm、高さ約750mmの角柱
        上面角隅切りあり

地形図    高山周辺は、こちら>>
関連ページ 高山は、こちら>>
現 況    異常なし、写真の通り
       近くに国地院 基準三角点「高山3」標石

・高山には人気のハイキング道があり、御料局三角点標石を見るにはこの高山であろう。
 


   中 山  標 高 1519 m  栃木県日光市大字日光
 

     調査、撮影日 04.07.10

緯 度 36°74′13.32
経 度 139°40′56.39
標石材質 中粒黒雲母角閃石閃緑岩(黒御影石)
刻字表面 御料局三角點 裏面:三等 上面:×
寸法形状 一辺が120mm、高さ約750mmの角柱
       上面角隅切りあり

地形図    中山周辺は、こちら>>
        ・1519mの所に御料局三角點標石がある。
関連ページ 中山は、こちら>>
現 況     異常なし、写真の通り
         付近に、国地院 基準三角点なし

  ・シゲト山の北尾根の先端のピークが中山である。 千手ヶ浜の千手堂先の西ノ湖の畔にある。  
 


 
  七 曲  標 高 1633 m  栃木県日光市大字日光
 



    調査、撮影日 09.05.10


標石材質 芦野石

刻 字   表面 御料局三角點 裏面:四等
       上面 : ×
寸法形状 一辺が 150mm、
       地上高 140mmの角柱
       上面角隅切りあり

地形図  七曲周辺は、こちら>>
      御料局標石の位置は、地形図記載の御沢の""の字と
      国地院 三等三角点「七曲」のの中間の所にあり
 
現  況  異常なし、写真の通り
       近くに国地院 三等三角点「七曲」標石あり

・男体山の北方に位置した溶岩台地にあって迷うやすい所にある。 残雪の残る時期以外は蚊や薮とで嫌な所である。

 ・御料局三角點「七曲」標石を偶然に見た、冬は雪に埋もれ夏は薄暗い樹林と苔むした岩の連続した場所である。 シダ類と苔むした倒木、春先は窪地に水溜りが出来る溶岩台地の中で、標石を発見した時は正に奇跡という感じであった。 付近にある国地院 基準三角点「七曲」の確認には二回も要した。 雪の消えたまだシダ類の無い時期が最適だった。 (2009.5.10)


奥日光で「御料局三角点」や「界標」標石を確認された方、ご連絡ください。
「御料局三角点」の位置を記したものを見たことはない手探りでの探索である。



「御料局 境界石」 こちら>>