仁田元沢南岸尾根・庚申山
こうしんさん 1892m NO.004-4

この日の足尾の山に三岳探検隊は、2隊を送り込んだ。(結果的にそうなった。) 三岳探検隊のA隊は親水公園から中倉、沢入、オロ山そして庚申山へ、B隊は親水公園から仁田元沢南岸尾根を歩き、A隊(単独)のルートを下って親水公園への計画だ。 白んできた空に雪雲が流れ風花が舞っている。
【山行日】 2005年 11月 19日 (土)
1738峰から笹原を下る
【山 域】  足尾
【地 図】  1/2.5万図地理院  (中禅寺湖
       皇海山、足尾、袈裟丸山)
       地図(スタート・親水公園)
       地図(仁田元沢スリットダム) 
       地図(1745点・庚申山)
【天 候】  平地は風花、尾根は強風と雪
【所在地】 栃木県足尾町
【同行者】 三岳探検隊、B隊の4人
       (ナスノガルーダ、常吉、ふーせん、山部)
       A別働隊(fmohno)松木川南岸尾根
【参考ページ】日光連山ひとり山歩き
さんのHP
        (04.8.25・夏)        

【コースと所要時間】

 親水公園(1時間30分)−スリットダム上・尾根取付点(1時間40分)主尾根1430m(1時間20分)1738峰(1時間25分)コル1745m(50分)庚申山(1時間10分)庚申山荘
(35分)一ノ鳥居(50分)銀山平   歩行時間  9時間25分
【コースタイム】
 
自宅発(5:05)==桐生==足尾・銀山平(6:40)==舟石峠==親水公園(7:00-30)−−スリットダム(8:20)−−尾根取付(9:00)−−1100m・「図根43山」標(9:10)−−1250m付近(9:40)−−支尾根分岐1400m付近(9:50)−−主尾根出合・1490m(10:40)−−1528峰−−塔の峰・1738峰(12:00)−−1662m付近−−1710m付近(12:40)−−1750峰(13:10)−−1745mのオロ山尾根のコル(13:25-30)−−1870峰(13:44)−−庚申山・1892m(14:18-35)−−庚申山荘(15:45-16:00)−−一ノ鳥居(16:35)−−銀山平(17:25)=舟石峠==親水公園(18:00-20)日光清滝IC===鹿沼IC==自宅着(19:30)


スリットダムは通過出来ず、高巻く事になる

図根点45・後の稜線は中倉山の尾根 
仁田元沢の林道・スリットダム
親水公園に山部達が到着時にはすでにA隊は20分前に出発した後であった。駐車場でB隊の4人が揃う。ここから一旦親水公園に下りて展望台への階段を上がる。このルートは中倉山や仁田沢方面への近道で、この先に水道橋があるのだ。林道(治山工事の作業道)を歩き始める、また新しい所の工事を始めたようだ。仁田沢南岸尾根(主尾根)の上からワイヤが張られている、資材運搬用のためのようだ斜面の土留めを行っている。林道はダートであるがこれまた路面は補修されてならしてある。道を進むと砂防ダムが橙色に縁取りされたものがあり、ここの右が中倉山への取り付き点である。ここを過ぎると巨大な砂防ダムがある。仁田元沢の橋を渡ってUターンするように林道は登っていく、上り切ると足尾特有の岩壁が迫ってくる。A隊の尾根に向かって声を掛けた、しかし返事は無かった。正面にスリットダムが見えてきたスリットダムも巨大である。

スリットダムに近づくと風花が横殴りの風に乗って量が増え一時吹雪のように感じた。スリットダム本体は完成しているようだが周りの工事が進行中だ。水量が少ないがスリットの間に乗れない、取り付きを探したが見当たらない。写真の右の岩から飛び付いても茶色の河床面がぬるぬるで滑るので冒険は止めた。右側を高巻く事となるこのような時は岩登り達人常吉さんがトップとなりルートを作った。全員スリットダムの上に乗ると眺めは抜群である。地図の道は現状と相違しているようだある。沢の水量は少なく飛び石を伝い遡上、沢の右側に踏み跡がありそれを追うと斜面に太いロープがある。しかしそのままロープをつかみ進むと右の崖の上に上がってしまうので注意。沢の対岸に渡りいよいよ尾根に取り付く。取り付き点は沢石に「赤で50」と縦書きされていた。上部を見上げると尾根の途中に白いものが小さく見えている。そのほかビニルテープと赤布があるが沢歩きのものなのか判明しなかった。


尾根を合わせるガレ場上のピーク

主尾根手前の支尾根筋
左岸の主尾根出合へ
ガレた所より岩や立木の所が登り易い、約10分で尾根筋に到達すると旗がひらめいていた。旗の根元には新しい図根点45公共山(関東森林管理局)の標点が設置してあった。ここからの展望はスリットダムと対岸の中倉山の尾根が見上げられる。標点の所で沢からは約100m高度が上がった。尾根には薄っすらと鹿らしい獣道がある、この尾根も等高線が混んでいる。ぐいぐいと高度を上げる、1250m、1400m、で休憩をとりながら向かいの尾根にA隊の姿を探したが見えなかった。この風とふぶき状態の風花、雪では戻ったかもしれないなーと思った。こちらと違って沢入山、中倉山の尾根は松木川の風をまともに受けている。ここの尾根も高度が上がると雪が見られるようになり笹も出てくる、主尾根が近づくとコメツガなども見られる。仁田元沢のスリットダム側の支尾根から1490mの主尾根に出合う、時間は10時40分であった。


主尾根出合のピークは通過

地図に現れない岩のピークで一服
仁田元沢南岸尾根歩き
主尾根(仁田元沢南岸尾根)出合から1490mの笹ピークを過ぎると地図にない1490mの岩ピークに達する。時々ピーと鹿の声が聞こえる、それも警戒というよりは尾根を案内しているような感じである。1528m峰の手前付近で山部の足が上がらなくなる、ふくらはぎではなく膝の上からの大腿筋(大腿四頭筋(だいたいしとうきん))が攣ってしまった。主尾根までの急な上りと寒い中で発生した。軽過ぎた朝食と筋力の無さである。皆に迷惑をかけながら5分位休むと回復30,40分歩ける。この日はこんな事が何回もあり続けた。
尾根の笹はミヤコザサで1738峰(塔の峰)前後が深い。また1750m峰手前も1m位だ。笹は問題ないしルートとしても地図さえあれば迷うような尾根ではない。1/2.5万の地図のつなぎ目で見ずらいが、この主尾根から南に派生する支尾根が庚申川の支流の丸石沢、笹ミキ沢、水面沢によって分けられている。これにより主尾根は鹿が南の支尾根に移動する便利な尾根である。主尾根は仁田元沢からは300-400mの急斜面がである。

1738峰(塔の峰)の広大な笹原にあるダケカンバや白樺が美観だ。この笹原で一旦南西に方向を変えて1662峰に向かって笹原を進む。密なミヤコザサの原は1750峰まで続き、1750峰は笹はへばりつく様に短く少なめである。また葉の細い木毛のような草原がポツポツとある。広いコル部から庚申山と前衛峰の山体を巻いてオロ山と庚申山のコルへ向かう。巻くには一面の笹原を歩くが思ったより斜度は少ない、仁田元沢の源頭部の小沢があったが問題ない。また倒木の多い樹林になっていたが大した問題もなく松木川が見下ろせるオロ山の尾根に着いた。A隊はどうしたかなーとオロ山を見上げてB隊の話になった。

1738峰(塔の峰)・右の木の根元に標石「山」がある

1738峰(塔の峰)

広大な笹原の1738峰(塔の峰)を見る

1750峰先のコル、先は庚申山の東端
* 尾根の1738m峰が「塔の峰」の名との情報を「のみねさん」からいただきました。

1745mコルでの決断・庚申山へ
時間は午後1時30分、B隊のメンバーの2名は中倉山-オロ山-庚申山は歩いている。山部は沢入山往復をしているのでルートは問題ないが、山部の足と氷点下の風である。スタート地点のスリットダムの所の百葉箱の中をのぞいたら気温が時間当たり2度下がっていて0度を表示していた。推測だが体感温度は標高が500m上がっているし風を感じると少なくともマイナス10度ぐらいなのかなー。庚申山まで40分との事なので今回は庚申山から銀山平へ下る事とした。なぜか庚申山の途中の前衛峰までは山部がトップをさせていただいた、皇海山は雪雲隠れて見えないが松木川から吹き付ける風に尾根の川側は雪はとばされていた。皆さんのサポートを背中に感じた。その後は常吉さんナスノガルータ゛さんが庚申山まで本格的な雪山になってきた樹林を歩く。、山部の後をふーせんさんが歩く、気を使っていただいた感謝です。

松木川越に県境尾根

庚申山とのコルからオロ山を見る

雪の庚申山
雪の庚申山頂ではふーせんさんが湯を沸かし紅茶とケーキをいただきました。下山はナスノガルータ゛さんが庚申山特有の巨岩奇岩の間をぬって雪の鎖場、梯子を慎重かつ軽快に下っていく。どうせならもう少し雪があった方が良かったなどと話しながら山荘に向かった。庚申山荘には数名の方がいた。A隊のfmohnoさんの姿はなく、山荘泊の方にB隊は下山との言付けして水面沢の道を下った。雪は夫婦蛙岩付近を過ぎると少なくなっていた。日が暮れてきた一ノ鳥居に着いて一息ついた、ランプを用意して銀山平へ向かう。丸石沢手前の旧ゲート付近で銀山平の明かりが見えた。銀山平に着いたが「かじか荘」駐車場にもA隊のfmohnoさんの姿はなく帰宅したのかと考えた、携帯は通じなかった。用意しておいたデポ車で親水公園に戻った、fmohnoさんの車があり、内心車が無いことを期待していたか゛。

終始A隊が気になった、fmohnoさんの完全装備で安心していますが。あの風 低温の中 我らの後をオロ山から庚申山荘へ向かったのだろうか、荷物も多く。
* 翌日、fmohnoさんから無事帰宅の書き込みを見て安心しました。あの風の中我らの後をオロ山から庚申山荘へ向かった事が解った。 今年初の雪山となったが気持ちがまだ暖かいままだった反省しきり。

庚申山

庚申山荘
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