於呂倶羅山 (おろぐらやま) 2020m NO.095
三 岳 (みつだけ)       1945m NO.096
鹿の住む奥日光に楚々とある みつと於呂倶羅やぶの渋山

【山行日】 2002年5月26日(日) 【天 候】  快晴 そよ風 気温11゜C
【山 域】 奥日光(湯元) 【所在地】 栃木県日光市
【地 図】 国土地理院 1/2.5万図 文挟
      地図(於呂倶羅山) 地図(三岳)
      地図(山王峠、三岳) 地図(湯元)     
【同行者】 S渓さん、「なな」犬

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【コースタイム】
山王峠先・駐車(5:52)−−東の肩(6:55)−−於呂倶羅山山頂(7:15-45)−−東の肩(7:53)−−山王峠・駐車場(8:30)==湯元兎島前に駐車(9:20)−−林道から光徳入口(9:37)−−光徳道分岐(10:32)藪へ−−三岳山頂(10:59-11:35)−−林道から光徳入口(12:25)−−金精道路料金所跡(12:30)−−駐車地(12:40)帰着
【道の無い山】
 なんとも珍しい山名、於呂倶羅山。 三岳こちらは主たるピークが三っ見えるからだろう解り易い。 ルートとなると三岳は難解な迷い易い山。 於呂倶羅山は尾根山で解り易い。 頂上からの眺望も相違する、対峙する二つの山が近くにあって違う山である。 山部薮人の栃木の薮山、渋山にはまっていった原点の山でもある。 山部薮人2005.01.16追記

【於呂倶羅山】
 久しぶりS渓さんに山へ行こうと誘ったら心よく同行して頂けることになった。 S渓さんは現役長距離ランナーで現在もフルマラソンを走り続けている。 山は福島の二股山、大白森山辺りがホームグランドである。 山部も尊敬している、年齢は少し先輩であり目標の方である。 早朝宇都宮を出発日光光徳から山王峠へ。 快晴の奥日光を車で窓を開けて走ることは気持ちが良い。 山王帽子山の登山口の先の山王峠の少し手前に駐車する。(*注あり) 着いてすぐに準備を始める。 峠の東電のテスト用設備の鉄塔基部から大岩に登る。 大岩に立つと於呂倶羅山が切込刈込湖の上にどっしりと構えている。 下から頂上の様子は判らないが、頂上からの見晴らしを期待したい。
 峠から少し上がった大岩からのは山王帽子山、白根山、栗山の山々の見晴らしが良い。 大岩から直ぐ下に見えるコルへのルートが薮で判らず、雑木をくぐり抜け尾根筋に向ったつもりで下だっかが、尾根をはずしてやや北側にぶれてしまう。 大岩北下から左に回り込み、登り直して笹尾根に出る。 尾根には踏跡が薄っすらとある。 深い笹原がありを進むと所々に、赤テープやらビニール紐が多数結んである。

於呂倶羅山は太郎山、山王帽子山、から高薙山や温泉ヶ岳への尾根のピークで派生する支尾根があまり無く解り易い山だ。 しかし南側と北側は切り立った所があって尾根を通して歩けば問題はない。 尾根は広く稜線は無いに等しいので方向に注意する。
 いよいよ主尾根の薮と雑木の登り。 倒木、岩、笹原どんどん登るテープが何箇所かあった。 急登もあり結構きついルートを進んでいるようだ。 だだ広い上りはテープが有ると心強く思う。 歩く傾斜が緩んで平たくなり樅の木の林と笹原になる。 この辺りがピークの東の肩のようだここで小休止一服する。 この辺は足尾地区と並んで熊との遭遇の多い所であり、木々に熊の引っ掻き跡があるので注意だ。
 頂上はすぐそこの先に有りそうだ。 林を進むとまた深い笹原、笹が深くて踏跡は不明瞭だ。 間違いなく頂上に接近しているはず、どんどん笹原を進む。 まもなく白樺の木の目立つ三角点標石が笹の中に埋まる於呂倶羅山頂上に着いた。 山頂からの眺望は、白根山、金精山、前白根山、温泉ヶ岳も見える。 白樺の木々の間からの眺望である。
 30分ぐらい頂上でのんびり、S渓さんと天気のこと景色のこと、マラソンのことなど・・・・話をしながら過ごす。 探したが山名板はGさんRKさんのブリキあがありました。 おこがましいが山部の木製山名板を取付け写真を撮る。 戻りは上がって来たルートを忠実に戻る。 登りもそうだが下りも笹の下がまったく見えない。 倒木に何回かつまづきながら深い笹原を進み、東の肩から雑木を掻き分け下って、下って大岩の手前の笹原に着く。
 こちらから見ると大岩への踏跡が、明瞭に付いている大岩まではわけなく着いた。 来る時には見えなかったルートである。 ここを通りすぐ大岩に立てた。 峠の車に戻り朝食の残りを食べた。 薮人の山はいつもこんな調子なのだ。 S渓さんに薮人の山を知られる所となった。 於呂倶羅山を、S渓さんはどんな風に感じられたかな。

*注 山王峠とは光徳から上がりきった所を言うのだそうだ。 林道と登山道の合わさる所のようだ、峠の感じは栗山側へ下る所と思っていた。 山歩きを始めてから地図を見るようになった、今でも思い込みがあって間違いも多い。

於呂倶羅山、頂上の「なな」

S渓さん

三岳からの男体山

標石の前で
【三 岳】
 於呂倶羅山からの戻りの車の中で、もう一つお付き合い願うと切り出した。 S渓さんには三岳のことも話をして置いたのだが、次もとんでもない薮山と言え無なかった。 湯元のすぐ近くの山でまずまずの所だと説明した(道はないはけれどは小声で)。 峠から車で、光徳、戦場ヶ原分岐から湯元入口に着く。 ここから地図記載ある林道を歩く(切込湖への小峠へ通じる道)。 ゆるやかなだらだらの歩きで程なく、光徳分岐への朽ちた道標に着いたここで林道と別れ光徳へ向う。 ここが三岳の標石の山頂には最短と思って三岳・最高峰のルートは決めていた。
  最近はあまり歩かれない湯元から光徳への道である。 分岐から沢へ下りる、緩やかにだんだんと確実に三岳に近づく感じ。 1752峰と三角点のある1944.8m三岳の中間の方向に向って道が登って行く。 笹原の道が光徳へ下りに掛かる北、南三岳の峠の所から踏跡と分かれる。 鹿に葉を食べられた所の笹原で道から外れ斜面を登り始める。 前方にテントのような布がカラフルな色で笹原に広がっている。 なんなのか解らない。 昆虫採集か何かの研究か不明であり気味が悪い、その上が一つのピークになっている。
  ピークから倒木を越えて、前面に立ちはだかる急な山頂直下の斜面を、無理やり木と岩を掴み上を目指す。 急斜面を登り切りピークに近づくと窪地が現れて窪地にはまだ雪が残っている。 残雪が暑さを和らぎいい感じだ。 「なな」がうれしそうに雪の上を駆け回っている。 山頂が判りづらく残雪の樹林の中をあっちこっちにと歩き回る。 ようやく三岳山頂の三角点標石が見つかった。 見通しのあまり良くない山頂だが、男体山方向のみ開けている。 樹林の間からアストリアホテルの白い建物の上に、男体山が五月の明るい日差しの中にどっしりと見えた。
 歩いた道を振り返って見るととルートはベストで、最短直線的に山頂に立てたと思う。 パン、おにぎり、ビールなどで一服した。 山名板は無かった、持参した三岳の山名板の標高の間違いをナイフで直す。 裏に゛なな゛とがんばった愛犬の名を記したプレートを付ける。 追記(後日ふーせんさんのページでななの名前が話題になった) 
 元来たルートを林道まで戻る。 朽ちた道標の所からは林道を横切り湯元の神社方向へ旧道の跡を進む。 5分ぐらいで旧金精道路料金所跡の広場の上の金網の所に出る。 この直前で道は消えていたので注意が必要、ここから金精道路に出て舗装道を歩いて車に戻った。 午後1時前に早々に車に戻り今日の予定は完了した。 S渓さんにお付き合いいただき感謝しています。

 三岳は火山の噴火口の山で白根山と同じ頃形成されたと言う、三岳は北と南の二つに大別され今回は北の最高峰・三角点峰を歩いた。 南三岳には「幻の岩峰」や大キレットなど複雑な地形もあり興味は尽きない三岳である。  三岳総合のトップはこちらです。
 
薮 山】
 踏み跡のない笹原を登り、木の根につかまり歩く登る。 後を振り返っても何もない。 踏跡もない。 だれもついて来ない歩かない。 こんな自然が好き。 この道筋が好き。 次に来るときもまた違うルートで頂きに立ちたい。
ぞろぞろと、自分の意思も無くただ前に付いていく。 そんな山なら野原で昼寝のほうが好きかな。 でも心細く人恋しいと時もある。 そんな時は歌って山の動物に聞いてもらう心安らかになる。
ご注意】
 
山はなんとも楽しいものです。 山歩きには思いも掛けない危険も潜んでいるものです。 簡単に考えて下ったら崖だったり思っていない所に出たりで充分注意しても予期せぬ事に直面、冷静に安全な行動をしましょう。 道の無い山は地図を読む習慣をつけてはじめは経験者の同行も必要なて゜しょう。
特に於呂倶羅山、三岳は大変迷い易い薮山です。 地形も複雑ですので安易に入らないことです。 積雪時は特にご注意です。

2003.01.08初記/04.16追記/04.24追記/2005.01.16追記/2006.04.29追記編集