
塩原線33号鉄塔プレート |
入山沢特別漁場・三依渓流つり場の手前のカーブミラーの所に送電線巡視路がありここから入る。 登山口からちょっと歩くと巡視路ポール黄色がある。 初め見えていた道は直ぐに雪に埋もれていた。 植林地の杉林内を歩く、ツボ足の跡がついている。 途中で巡視路と尾根に足跡は別れいる。 巡視路を進むと直ぐにまた合流する。 雪に埋まると確かに巡視路は分かり難いが良く見ると分かるはず、鉄塔までは巡視路を行くのが無難なようだ。
この時期はツボ足で歩ける、しかし今回は体重と荷物のロープで110Kを越えるどうしても足が沈んで歩き辛い。 歩き始めから体が活性するまで疲れを感じ、これでは大岩までたどり着けるかと思った。 初めは何度も休みを取りながらの歩きになった。 それでも山部は一度歩いているのでコースを知っているので気は楽である。 植林地を過ぎ自然林のジグザグに歩くと、大木が道の端にありベンチ代わりに腰を下ろすと陽も射してやれやれの気分である。 |
送電鉄塔の尾根に上がると疲れも吹っ飛び、休止が出来る事に声も出る。 陽が当たって雪解けがどんどん進んでいるのであろう、送電鉄塔そばの木々の芽が膨らんでいた。 黄色い蝋梅(ろうばい)が咲いていた、木が細いので花数は少なかった。 この鉄塔からは南に滝向山から日向倉山への尾根がその先に白倉山、その右に持丸山の山並みが雪をまとって姿を見せている。 北西にはまだ雪深そうな福島県境の尾根が白く輝いている。 |
【大岩まで】 |
塩原線33号鉄塔を出発する、しばらくは尾根に沿った巡視路を歩く。 途中から巡視路は西に巻きながら尾根と別れるので適当な所から尾根上に乗る。 尾根は湿雪がありスノーシュー装着で進む、重く湿った雪で何度か先頭交代しながら進む。 麓から芝草山を見ても分かるように終始登りである。 適度なアップダウンを繰り返しながら、高度を上げると東隣の中の沢と見通沢の間の尾根の先が見えるようになったので高度1100m位になった。 見上げると大岩がどんどん迫って来る、斜面の雪を乗り越えると岩の前に着いた。
ふと上空を見上げると、鷹であろうか、ピューと鳴いて上空をと舞っていた。 ここまではミズナラ主体で根元がポッカリと口を開いている。 春近しである周りの山々はまだ真っ白な山であるが今日は風も無く暖かな雰囲気だ。 |

大岩南端の尾根基部 |
【大岩の固定ロープ】 |
芝草山の国土地理院の地図に大岩は記載されている。 大岩とは前回ここに来るまではどんな岩があるのかと興味津々であった。 実際に見ると大岩は切り立った岩尾根全体の岩を指しているようだ。 送電鉄塔から尾根を登ってここに来ると上の写真にあるような岩壁になっている。 東側には切れ落ちて周り込めないので、前回西側の壁に沿って斜面を回り込んで見るもその先も断崖絶壁が続きどこも同じようである。 大岩南端を西側(左)に30m位進んだ所に上部に何ヶ所かテープマークがある。 それも辛うじてある立木を手掛りに上るのでいつ抜け落ちるか確実なものではない。 前回は雪とアイスバーンでアイゼンを使って上がれたが、それでも垂直に近い所で気を引き締めたものだった。 これでは一般のハイカーは大岩までで頂上をあきらめなくてはならない。 それで固定ロープの設置に来たのだ。 雪の無いと時期は岩と立木の手掛りも少ないのではないか。
今回の固定ロープ設置は予備ロープを持っての登り、固定ロープを引き上げるのである。 常吉さんに危険なトップをお願いして雪の壁を予備ロープを持って登ってもらった。 途中の立木に確保を取り上部へ上がる。 下から見ていると段々垂直になる、上部に到達したら太い固定ロープを引き上げて固定する。 その後全員上がって固定の仕上げをして一旦下る。 下部を固定してロープの設置は完了した。 |

ビレーを回収しながら下降する |

上部は完了、下部へ降す |
【頂上へ向う、昼食】 |
ロープを伝って大岩の壁を上がり尾根に立つ、尾根の尖った雪の先端に行ってみると眼下に中三依の家並みが雪原に見える。 大岩尾根には大きな岩が落ちそうだがバランスを保っている。 なだらかに尾根は山頂に延びている。 地図を見ると途中にピークがある。 大岩尾根には太いブナが目立ちはじめる、尾根には雪庇が東側に発達して積雪は多い。 べたついた湿雪でスノーシューが重い、ピークを越し芝草山頂手前の鞍部に着くここで昼食とする。 ビールで乾杯、おでんをたっぷりと食べる。 帰りルートをこの鞍部から東に派生する尾根が取れそうである、雪の斜面を様子をうかがっておく。 ここから頂上へは雪の急斜面を登る、傾斜はどんどん急になり岩も出てくる。 岩を巻きながら上部を目指す、ようやく頂上の南の先端に着き、直ぐにこんもりと雪を被ったピークに達した。 |

急斜面を登る(氏山さん) |

尾根を進む(前・常吉さん) |
【芝草山頂上】 |
雪に埋もれているので標石は見えない。 測量の板を付けた残骸が立木に残っていた。 山名板(SHCカワスミさん・台倉高山で見たカラー物)2枚があった。 頂上からの眺望は樹間からになるが、那須の真っ白い峰々、福島県境の峰々が見える。 太郎山(荒海山)方面の白い切り立った稜線が深い谷の上に続いているのが見える。 |

頂上近くは急な斜面を乗り越える |

山頂を踏んだ |
【下山は急下降で】 |
頂上からの下降は危険を避けてツボ足になる。 股下まで足が刺さる、時折滑って尻餅をつく。 鞍部手前まで降りる、地図で下る尾根を確認する。 真東に尾根を外さないように下れば下に林道が待っているはずである。 スノーシューを取り付けてザクザク雪の斜面を下る。 尾根を外さないように急なくだりに旧型のスノーシューなのか下りは苦手だ何度も滑って尻餅をついてしまう。 立木につかまりながら安全に下るつもりでも上手くいかない。 尾根は中間で二又になり右を取る、階段状の雪になる。 岩を下る場面もあるかなりの急降下である途中の大岩で尾根形が消えて巻いて沢に下る事になる。
ここの斜面で山部は5,6m位滑り落ちて2本目の立木に激突しそうになる。 常吉さんの横で辛うじて止まる、ひやひやものであった。 この沢の先に林道らしい白いラインが見える、しかしそこに着くと人工的で加工され道らしいが道床には木が生えていて車は通っていない自然に戻りつつあるようだ。 そこには待避所のプレートが立っている所で法面が道路らしいが積雪で明確でない。 隣の尾根の先に切り通しらしき所が見えるのでそこまで進むことにする。 再びスノーシュー装着する今日は何度脱着を繰り返したのかなー。 崩れた雪を乗り越えて切り通しの所に来ると先に道がはっきりと見える。 これで今日は無事帰還できそうである。 途中で中の沢に架かる「こまどり橋」を渡る。 歩を進めると先の尾根に送電鉄塔が見え、前回の登った鉄塔下の橋のたもとを通過すると程なく中の沢林道ゲートが見えてくる。 程なく車に戻った、この後つり堀の主人に固定ロープ取付の報告をする。 中三依駅前の「男鹿の湯」に入って解散した。 |

こんな岩場はロープで無理せずに下る |

先の尾根に33号の鉄塔が見えれば着いたも同じ |
【つりぼり】 |
入山沢特別漁場の「三依渓流つり場」に挨拶に伺った、すでに終了で魚は食べられなかった。 ご主人とお話をさせていただき地元の方をご紹介いただいた。 登山道の整備をされた事、太郎山(荒海山)の事などの話もしました。 釣堀は3/21よりオープンしています。 自然の中で魚も食べられ所もありますので、近くに来たら寄ってみる価値あり。
三依渓流つり場さんのHPは
こちらです。
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【大岩の固定ロープ】 大岩に固定ロープを設置しましたが、ご利用はご自分で安全を確かめてください。 |

ロープのみで17kg(50m)です。 |

上部の確保 |

ロープはベタに置いて、ゆったりと設置 |

下部は止めてあります |
使用したロープは高所作業用の垂直親綱:ロープφ18mmです。
強度規格はロープのみで17.9KN以上です。
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