芝草山  1341.6m NO.242
この山には他の山とは違う端正な美しさがある
芝草山は04.01.11滝向山のルート探しに、入山沢林道に車を乗り入れた時にその山容を見て美しさを意識した。三角錐の端正な芝草山。今日の天気は快晴は望めないようだが多少の雪ならと出発する。
  

 中三依から美しい容姿、芝草山

中の沢橋から33鉄塔に急斜を直登する「なな」
【山行日】 2004年2月29日(日)
【山 域】 三依
【地 図】 1/25000図 荒海山 地図
【天 候】 曇り後、雨から雪、一時陽射す、その後曇り 風弱い
【所在地】 藤原町中三依(荒海岳国有林)
【同行者】 なな   芝草山2005.04.02のページは、こちらです。
  登頂リスト 2004年へ  トップページ 
【山行コース・タイム】
自宅発(6:20)==鹿沼IC(6:45))==宇都宮IC(6:50)==今市IC(7:05)==五十里海尻橋・旧道==中三依(8:09))==入沢林道の中の沢林道分岐着(8:20)・
出発(8:45)−−林道・中の沢の初めての橋(9:05)−−塩原線33号鉄塔(10:30-40)−−大岩(11:45-55)−−−−芝草山1341.6m(12:30-40)−−大岩(13:00-10)−−34号への西南尾根への分岐(13:30)−−塩原線33号鉄塔(13:35)−−車に帰着(14:10)==地蔵岩で写真撮影==鬼怒川スパー買物(15:55)==自宅(17:05)

今日の歩行時間   約5時間35分

見通沢

中の沢林道ゲート

登山口の案内板
【アクセス : 川治、中三依、林道分岐】
国道121号を走り川治、五十里湖に出て海尻橋を渡る。簡易な案内板に会津方面直進とあった。どうしてと思いながら湖岸の雪道を進む。対向車や追いついて来る車は無いこの時間スキー場に向かう車があるはずだ。湖岸を走ると前方に新しい橋が見える車が走っている新しい道路が開通しているようである。旧道は直ぐに新しい道を合わせて湖岸を進む、地蔵岩、独鈷沢を過ぎると中三依地区に着く。
三依橋のたもとに入山沢つりぼり場の案内板があり、それに導かれて左折して入山林道に向かう。少しで入山林道起点のプレートを見る。次に見通沢橋を渡ると水色のペンション「ラディッシュ」が雪をかぶっている。その先に中の沢に橋があり、山の管理小屋がある。小屋の前が少し広くなっていて、日曜日なのでここに車を停める。地図を見るとその先のカーブミラーの所に[芝草山登山入口]の案内板があった。

【出発点から中の沢林道、33送電線柱】
山部は安易なルートが好きで送電線の鉄塔が尾根にあるので、その巡視路を当初から利用しようと考えていた。巡視路入口の黄色のポールが見当たらず巡視路を探しながら中の沢林道を沢を右下に見ながら歩く。左の尾根を見ながら林道を歩くが一向に巡視路が見えてこない。巡視路は左の尾根にあるのは間違いないのだろうが解からない。中の沢林道が沢を右に渡る橋の所まで来た。既に送電線の下をくぐっている。ここで巡視路を諦めて鉄塔に橋の所から直接目指す事にする。
しかし左側は尾根に取り付ける状態ではない急な壁を作っている。その壁の横にヤセた支尾根がありその右はガレ場である。杉の植林が急な斜面に50mくらいある。その中を深い雪をアイゼンをつけて尾根を目指す。はじめは「なな」は元気良く先頭を進んだが次第にルートが解からなくなり山部のそばに居るようになる。山部が雪を踏みルートを作って「なな」が後を付いて来るようになる。

いよいよ雪が岩に積もるヤセた尾根になり「なな」が、クーンと鳴き怖くて歩けないと言っている。一旦少し降りてロープを「なな」に付ける、しかし怖さに引いても上がって来てくれない。手元に来させて今度は上部の雪面に押し上げてあげる。そうこうしながらガレ場の上部にたどり着く。そこからは手掛りの無い雪面をアイゼンを突き刺しながら四つになって上る。ここは雪の表面が硬く「なな」は必死に駆け上がっていく。
ロープが長くラインを引く山部は上を見ずにロープのラインに沿って黙々とアイゼンを差しながら攀じ上がる。ふと見上げると目の先に33号送電線鉄塔が聳えている。大汗をぬぐい鉄塔柱の所から周囲の山々を見渡す。中の沢林道からここまでの直登で2時間使ってしまった。疲れたような目で「なな」が見つめている、パンを二人で分けて一息する。


【塩原線33号柱】

塩原線34号鉄塔
山部の地図には塩原線送電のルートは無い、東電からいただいた県内の電力系統図を見ると蛇尾川の塩原発電所から弥太郎山、尾頭峠、田代山の南尾根、そしてここの33号柱、そして写真の34号、35号そして下郷線のアンテナの所で下郷線に合流する。
この柱からは南に滝向山から日向倉山への尾根がその先に白倉山、その右に持丸山の山並みが雪をまとって北側の姿を見せている。

ここからは頂上に向かって尾根を進む、ここからはアイゼン+輪カンのセットでひたすら深雪の尾根を歩く。33号柱から100m位歩くと34号への巡視路から尾根にルートを変えてひたすら尾根歩きである。
さっきの斜面を上がって来ただけに尾根は登って登ってであるが苦にならない。所々にある松の大木が尾根のアクセントになっている。

【大岩まで】
尾根はどこの山でも雪庇が1〜2m位有って和カンかスノーシューがあれば快適である。傾斜もアイゼンを付けていると歩き易い。尾根を歩くと東の尾頭峠の尾根と高さが近づいて気が付けば中三依の白く輝く家並みが見渡せる。今日もこの山を独り占め、雨が雪に変わりハラハラと落ちてくるしかし空は明るい。今日は久しぶりに天気予報通りに推移している。
淡々と尾根を進む春はどんな山になるのだろう、所々の木々が切られている。今は雪なので関係ないが夏道はどこに有るのであろうか。周りの木の芽が膨らみ掛けている。今年の春は近そうである。来る途中の猿の群れも冬を越した安堵からなぜか幸せそうにのんびり行動していた。

大岩からの薙ぎを見る「なな」


【大岩】
一つ大きなピークを越すと木陰で良く上部が見えない大岩の下に着く。陽の当たる南面の岩には雪はない。ここで一息つく、岩登りに来たわけでないが興味が湧く。右はセッピでその先は切れ落ちている。左の木に模様の付いた赤布があった。ここは巻けばルートが有るのかと思ったがルートは全て雪で見えない。傾面をアイゼンを利かせながら横切り一つ目の岩を巻く。そのレベルで斜面を進むがその先も断崖絶壁が続きどこも同じように見える。「なな」が歩けるのもここまでである。さっきの大岩の下の所に留守番をさせて、山部も軽装備になりロープを持って最初の岩の雪の付いた裂け目を登った。アイゼンがあるので岩をしっかり捉えて、立木に確保を取りながら岩の上に到達した。

最初に見る大岩の壁

カメラで撮るとなだらかに見える、真剣に上った


【頂上】
大岩から頂上までは、快適で陽射も出て来て本当に今日来て良かったと思いました。雪も深くなり輪カンと併用になる。尾根は見晴らしは最高でまたブナの木とミズナラの疎林で木々の間から周りの山々が見渡せました。陽射になるとモヤがかかって太郎山(荒海山)方面が見通しが良くありませんでした。

頂上をオオタカが旋回していた。

日留賀岳方向が見渡せた


【帰り道】
上りで時間がかかり遅くなった急ごう、「なな」も心配しているだろう。尾根を急ぎ下り大岩の上部に着くと「なな」のワンワンの声が聞こえた。大声で呼ぶと返事はないが、しっぽをビュンビュン振っているのが見えるようである。ここからが今日のハイライトと自身に言い聞かせロープを下ろし確保しながら降りた。やはりロープを40mは絶大で、アイゼンと相まって無事に帰還して「なな」と再会した。ここから鼻歌交じりの尾根歩き登りにジグザグに上がった所も真直ぐに最短で鉄塔に到着する。
次の目標の日向倉山の尾根と送電線のルートを目に焼付けた。ここからの下りは今日の初道ちょっと尾根を下ると南面の巡視路の道が行ったり来たりしている。輪カンは外してアイゼンのみで真直ぐに急降下登りもここを来れば確実に1時間は短かったであろう。植林の中の道にはつぼ足の跡が沢山付いていた。下にペンション・ラディッシュの水色の家が見えると山林管理小屋が見え車も見えた。程なく登山口のカーブミラーに着いた。そばに巡視路を示す黄色のポールが立っていた。どうして見落としたんだろうと悔やんでみても仕方が無い。

駐車した林業作業小屋

見落とした巡視路ポール

【芝草山の道】
ちょうど登山口に降りた所に入山沢釣堀の主人が車で通りがかり、ちょっとの時間立ち話をした。これから釣堀の駐車場の除雪だそうです。芝草山には去年2,3回行ったそうです、地元のO氏に誘われて登山道の整備をされたそうです。やはり大岩の所をどうしようかとの事でした。その他いろいろ話ましたが荒海山も栃木からのルートの話もありました。今年は少し釣堀のオープンが早まりそうです。

登頂リスト 2004年へ  トップページ