【山行日】 2005年 7月 18日 (月祝) |

草生す男鹿岳山頂・山名板 (05.07.18) |
【山 域】 男鹿山塊 |
【地 図】 1/2.5万図地理院(日留賀岳 栗生沢)
地図(大川峠・1259m)
地図(男鹿岳)
地図(荻野釜沢線分岐・通行止の所) |
【天 候】 早朝雨降ったようだ、晴れ 暑い日 |
【所在地】 栃木県黒磯市、塩谷郡藤原町 |
福島県田島町 |
【同行者】 ノラさん、山部 |
【関連ページ】 男鹿岳-2 (2004.09.19)
上海岳(男鹿峠から県境の峰) |
【コースの所要時間】 栗石山=1701m峰
大川峠−(1時間35分)−栗石山(休憩 10分)−(40分)−男鹿岳(休憩 20分)−
−(1時間5分)−栗石山(休憩 5分)−(50分)−大川峠
歩行時間 上り 2時間 15分 + 下り 1時間 55分 + (休憩 35分)
アクセス・コースタイムは文末に記載しています。 |

「男鹿岳」 水無川渓谷より仰ぐ 05.07.18 |

「栗石山」1701m峰 大川峠栃木県側より仰ぐ 05.07.18 |
【大川峠〜栗石山(1701m)へ】
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大川峠(姥坂峠とも言うらしい男鹿峠と言う方がいますが、男鹿峠は塩那道路と男鹿岳からの尾根が接する所を言う)から男鹿岳へはほぼ南への県境尾根を歩く。 今回は高薙山の時のノラさんと二人で歩いた。 どんな薮が出てこようと挑戦意欲が湧くだけでどんな所か興味は尽きない。 男鹿岳へは県境尾根を西の横川から歩いているので薮の密度は概ねつかんでいる。 早朝に雨が降ったらしく笹の葉に水玉が乗りきらりと光っている。 服装は雨具のズボンと化繊(クロロファイバー)の長袖で足元はトレッキングシューズてある。
男鹿岳と上海岳の鞍部(1259m)が大川峠で栃木県側の大川が県境に一番近づく所だ。 峠は広い空き地の駐車場に平らになっている。 栃木県側は通行止の案内板の先は踏み跡のあるだけで車の通行は出来ない。 男鹿岳への取り付きにはビニルテープ、赤布のマークがあり直ぐに解る。 尾根の踏み跡をたどると直ぐに背丈ほどのチシマザサの薮になる。 踏み跡には覆いかぶさる笹でよく解らなくなる。 蔓性の植物がありそれを切りながら進むことになり内心これは大変なルートになったと思った。 ノラさんと『これだけ蔓があるところを見ると誰も最近ここを歩いていないな』など話ながら進む。 樹木の無い所は笹がはびこる、その濃い笹の所が県境尾根になのである。 所々に杭が見られる、それもコンクリート製細い杭である。 大木で変形のアスナロをくぐり進むと尾根はやや広くなる。 古いビニル紐のマークが点々とありそれを追う事になる。
樹林と笹で周りの景色はない、はじめ見えていた東側の大川対岸の深山ダムまでの尾根も消える。 笹の濃さは前回の男鹿岳へ県境を西から上がった時のチシマザサよりは樹林の中なのでやや密度は薄いしかし切れ間なく続く。 広い尾根だがほぼ南(南南東だが)へ真直ぐに進めばよいのでコンパスで方向はそれほど確かめずに歩き易いところを拾って歩く。 辺りを絶えず見ているので、マークをはじめ木々の種類、形や倒木など覚える。 とにかく歩き易いところを探しながらになる、倒木があると笹の中に道が出来ている。 高度が上がるとダケカンバからオオシラビソも見え始める、アスナロは最初だけであった。 出発してから1時間15分、1701m峰に到着する。 時計を見て余りの速さにやや驚きながらも、途中休まずに歩いたので当然なのかもしれない。 1701m峰のピークはM大のブリキのプレートが迎えてくれた。 なにも文字の痕跡すら見えない、M形は2枚それと同じブリキ製の四角プレートに黄色のペンキが1枚ある。 木に彫られた文字は今は見えない、塗られた赤いペンキも時の流れを感じさせている。 ここで小休止をする、全身汗びっしょである。 凍らして持参したペットボトルの水飲んだ。 天気は晴れであるが、樹林の中は陽は射さず暑くなくその点は良かった。
栗石山(1701m)頂上部はオオシラビソ(アオモリトドマツ)主体の樹林になるナナカマドもある。 栃木の山でオオシラビソが生育している所は高度と冷涼さのある所であり多くはなく大切にしたい。 樹間からは男鹿岳の樹林に覆われた頂上と各尾根が見える。 横川の牧場と鹿又岳の尾根(下に塩那道路)から日留賀岳と続く尾根がやや霞んでいるが見える。 北、西の方向は見えない。 |

1701m峰(栗石山)のピークで、ノラさん |

鹿又岳(左奥)日留賀岳(右奥薄っすらと) |
【栗石山〜男鹿岳山頂へ】 |
思っていた時間より早く栗石山(1701m峰)に到着できたのでなぜか気持ちにも余裕がある。 栗石山先も笹薮は続き、ピークの先からは男鹿岳と西に続く尾根、その先に横川の牧場が見える。 青空だが湿度のせいで霞んでいるので遠望は日留賀岳くらいだ。 ピークから一旦鞍部に下る、尾根幅はやや狭くなり雑木が蜜になる。 尾根を下っていると尾根を分断するような道形のような所に降りる。 ノラさんと「昔の峠道なのかなー、、、」なんて言いながら通過する。 やや湿った所から再び尾根に少し進むと大川の源流の涸れ沢が見える。 このまま尾根を進むか迷ったがここまでくれば目の前が男鹿岳なのでどこでも良いようで笹原を沢に降りる。
水の無い大川の源の沢は狭く両側から薮が覆い沢の中を進まず男鹿岳斜面に入る。 鬱蒼とした樹林で下草も少なくシダも見られる今日一番歩き易い所だ。 しばらくするとマークが見られ枝沢に導かれた。 周りの笹薮を避けて沢を上がって行くルートのようだ、もちろん楽な所は利用させてもらう。 頂上の西の端に向かって高度を上げているようだ。 以前横川から歩いた時に大川峠からの赤布を頂上西の端で見かけたので雰囲気でわかった。 程なく頂上西端に到着広い頂上尾根を三角点に向かう、途中にミネザクラの株立ちの大木があるが花は終わっていた。 数分で見慣れた「男鹿岳 1777m」大きな山名板の所に到着する。
この大きく立派な山名板は柱が朽ちて板も割れて落ちていたが、オオシラビソの木に釘打ちされていた。 オオシラビソの二本の木の前だけが地面の土が見える場所でここにリュツクを下ろした。 相変わらずチシマザサは大勢に生育している、頂上をあっちこっち歩き回ったが以前と変わっていない。 標石の所もそままま、ミネザクラの上の「3D山名板」も健在でした。 その先の開かれた所から霞の中に沼原の調整池が僅かに見えた。 那須の山々はシュリエットさせ見えない、静寂と時折聞こえる小鳥のさえずりが男鹿岳が深山であることを教えてくれた。 |

男鹿岳山頂手前の薮とダケカンバ |

薮中のオオシラビソの倒木がマークに |

H11 M大プレート |

釘打ちされた山名板 |
【下山】 |
山頂を歩きまわったが県境の杭すら見つけ出せなかった。 深い笹に覆われた山頂を元来た道を戻り始めた、男鹿川に引き込まれないようにと思っていたらやや東よりに進んでしまった。 ノラさんから修正の声それでも右に下ってしまう。 再度修正しているうちに西の遠望を楽しみにしていたが下りに掛かってしまいあきらめた。 上がってきた時印象的な大きなダテカンバを見てルートに戻った事を認識する。 ここからは元来たルートに修正を加えながら、ベストなルートで栗石山(1701m)へ。
大川の源流が分ける深山ダムへの尾根をしげしげと観察する。 きっと次はあの尾根を使って男鹿岳へと意を固める。 栗石山への尾根をつかんで進むと、ぬかるんだ道形のような所に出る。 良く考え周囲を観察すると道では無いようだ。 県境の測量時の刈払いによる笹の繁殖と裸地と対象的な植生なのだろう。 栗石山手前から横川方面を見るがガスは晴れずカメラには収めなかった。 栗石山に着いてから男鹿岳を北側から再度カメラに収めた。 歩行時間は山頂から約1時間で、こんなに短時間に上り下り共に歩けるとは思いもよらずだ。 このルートは鹿又岳、大佐飛山へのアプローチに使えるかも知れないとノラさんとの話題になった。 |

県境の杭 (1500m付近) |
県境の杭 (1350m付近) |

大川林道は踏跡程度(栃木側) |

放棄された大川林道(栃木側) |

釜沢分岐先のゲート |

山王峠手前の萩野にもあったのでつながった? |
【峠への道路状況ほか】 |
スタート地点の栃木・福島県境を越える大川林道(福島側は一般県道369号・田島〜黒磯線)を県境の大川峠へ福島の田島町から向かう。 林道の現況が不明で心配だったが林道の状況はSatoさんの四駆での情報をいただいていた。 大川林道は栃木県側は深山ダムまでで通行止されている。 愚痴を言うわけでないが、栃木県の道路・林野行政には失望している。 莫大な税金で作って放置され荒れ果てている。 税金で自然破壊をしているのである。 さて、林道走行の結論は、我がホンダの「ステップワゴン」前輪二駆車で大川峠まで無事到達出来ました。(S車が優秀なのか、運転が上手いのか、運が良かったかです。) 林道を大川峠まで走って命を落としても補償は出来ません。 雨が降っていたら止めたでしょう。 そんな林道です、「Yahooの検索で大川林道」を開くと、多くのページは超悪路と説明している。
日曜日の人通りのない田島町内を通り抜けて、栗生沢集落へ向かう。 マイクロウエーブのアンテナが山頂にある斉藤山を左手に見ながら田園地帯から水無川に沿ってステップワゴンが快適に走行する。 途中の道に「この先・16キロ通行止」があるが、構わず栗生沢集落まで走る。 集落手前の道は野際新田近くの観音沼と同じ様な風景に思えた。 栗生沢集落の細い道をノラさんの案内で通過する。 最後の人家を過ぎると今日一日この先は人に会わなかった。 集落から植林地のダート道を下ると栗生沢に掛かる「たきざわはし」を渡る。 しばらくでダートから舗装に変わる、すがすがしいカラマツの植林地の中を走ると「広域基幹林道萩野釜沢線」の分岐がある。 その先に「釜沢橋」そして通行止標識とゲートが置いてある。 まだここから峠までは6キロくらいある、ゲートを観察すると横に車の通ったタイヤ痕が見られる。 なーんだこう言う事なんだとここを通過する。 そこからは倒木と大小の岩が落ちた道を避けながらゆっくりと走行する、木の枝を車体に擦りつけながらである。 急な上りはないが道幅の狭い危険な道である。
下野新聞社の選んだ「栃木百名山」ガイドブックで「男鹿岳」の案内を紹介します。 少し紹介すると、『塩那スカイラインを板室から歩くコースもあるが、通行は制限されているので、』とある。 そこには今回歩いた大川峠からの無雪期の男鹿岳を紹介している。 しかし山なれた薮好みの方でも峠までは薦められない道である。 大川峠まではこの道を走行する必要があり、急峻な谷への転落とは背中合わせで危険である。 男鹿岳へのルートは薮の面白いルートであるで残念だ。 男鹿岳へのアプローチルートは一般的には塩那スカイラインを板室から歩くことになるのであろうか。 山部的には横川からを薦めたいが、一般の方にはまず無理でだろうからどうしたらよいであろうか。 下野新聞社の栃木百名山に選ばれた男鹿岳は一般の方には見る事の出来ない縁遠い山である。(那須峰々から小さく、日留賀岳、横川牧場周辺からは僅かに見える)。 |
【コースのタイム】
自宅発(4:50)==鹿沼IC===(東北道)===西那須野IC==関谷のコンビニ==山王峠==田島==栗生沢集落==荻野釜沢線分岐・通行止ゲート==(大川林道 オーガ沢橋・男鹿沢橋・白糸橋)==大川峠(8:05)−−1701峰(9:40-50)−−男鹿岳(10:35-50)−−1701峰(11:55-12:00)−−大川峠(12:50)==田島==山王峠==西那須野IC===(東北道)===鹿沼IC==自宅着(17:30) |