七曲 (ななまがり) 1697.81m NO.351
三等三角点峰
【山行日】 2008年11月20日(木) 【天 候】  曇り風花、前日の雪、林道積雪あり
【山 域】 奥日光・男体山地区 【所在地】 栃木県日光市大字日光字二荒山
【点のデータ】 (点名) 七曲
(等級) 四等三角点  (標高) 1466.43m
(設置・埋標)明治 41年  月  日・標石
(緯度) 36°47′31.38″
(経度)139°28′51.24″
【地 図】 国土地理院 1/2.5万地形図 (男体山)
       地図(七曲三角点、志津、御真仏薙(男体山)周辺)
【同行者】 単独

昼なお暗き溶岩台地のピークに明治の三角点

【七曲(ななまがり)】
 
この山名は、付近の林道は七つも曲がった所は無いが大きく曲がるカーブがある、印象的なので名づけたのであろうか。 明治の埋標である、冠字選点番号は「是13」であります。 冠字とは、三角点の測量の技術者に与えられた漢字1字で、氏名に関係した漢字が使われることが多い。 今でも国土地理院の技術者に与えられている。 冠字を見れば誰が観測したかがわかる仕組だ。 番号は順番に付けられている。 現在の委託測量(民間)は漢字の前にKをつけている。 さて、冠字選点番号「是13」は、祷宮之助である。 奥日光周辺の三等三角点の選点、埋標、観測などを実施された。 当時の三角点までのルート考えると大変な苦労があったろう、当時の測量人の使命感に頭が下がります。

 この七曲三角点へは、前週に一度挑戦している。 その時は地形図のピークの尾根の延長線上の林道から向った。 日没の早い時期であったので時間切れとなって敗退したが下見をしておいたので今回は地形も見え予定のルートを歩けた。 溶岩台地の中のピークであったが同じような大岩が点在していた。


         
                          林道はアイスバーン

 この日の戦場ヶ原は風花が舞う、外気温は−1度である。 周囲の山々は上部を白く雪化粧している。 路面は無雪で問題なく、光徳牧場への道にはいる。 両側の林のミヤコ笹は薄っすらと雪がついている。 志津への林道に入ると道に直ぐ大きなクボミがあり、「悪路につき一般車はご遠慮ください」の看板がある。 この辺から雪が出てきた、真っ直ぐな林道に入ると前面雪道になる、工事車のタイヤ跡はトラックパターンであるのでこの先で工事をしているのだあろう。 工事は太郎山方面からしていたが結局七曲までは無しであった。

 大きなヘヤピンカーブを過ぎると七曲の溶岩台地をなぞるように急坂を走る。 我車はノーマルタイヤである、かろうじて4WDが救いで登って行く、よくよく考えると帰りが心配になり路肩の広い所でUターンして駐車する。 道路はアイスバーンになってきた、雪が降り出したら帰れなくなってしまう急がなければ、、、、。


           
                               暗き森


 前週の偵察(敗退)の時に、取り付き点に赤布をつけてきたので迷わず突入した。 アップダウンを繰り返しながら進む、地形は地形図と符合し鞍部への沢へ向っている。 前回は死んだような樹林に巨岩や倒木で失敗した、今回は雪の笹原を見出して歩く。 ほぼ直線で歩いたと思う、ひっそりと暗きピークに標石はあった。 傍に航空測量の目印が倒れていた。 立ち木にピンクのビニルテープが巻かれていたのでいたずら書きした。 上空が風音で騒がしい長居はまずい赤布マークを回収しながら元来たルートを戻った。 雪を払われたはずの笹はまた雪がついて踏跡を消していたが、マークを拾いながら戻った。 


           
                            「七曲」三角点標石

 この三角点へは夏向きだ、現在の暗い森は獣の匂いも感じられない初冬だからだろうか。 溶岩台地は植物は豊かでなく大きくなっても立ち枯れているようで豊かな森になるには何万年もの時間が必要なのかも知れない。  男体山の溶岩流が戦場ヶ原方面に流れ出した先端が七曲付近で冷え固まった所である。 地形と樹林は三岳と同じである。 三角点峰の先には窪地もある、ここも溶岩台地の深き迷宮の森と言えよう。


           
                   隣の三岳(南)、左に幻の岩峰の上に雪が付いている

  
【コースタイム】  11:30 - 12:10
 志津への裏男体林道・御真仏薙下方・取付点−( 30分)−明治の三角点峰「七曲」−( 15分)−取付点へ戻る

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