野鳥 青面金剛 愛犬なな 桐生100` 




2012年-report-62.

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『工部省測量司長マクヴェインと明治初期日本』
コリン・アレクサンダー・マクヴェイン没後百周年国際シンポジューム
東京都目黒区 東大駒場An棟 2012.2.18




『マクヴェインの生涯と家系』 と題して、 
コリン・ヒューストン氏 (マクヴェインの曾曾孫)

マクヴェインの曾曾孫にあたるコリン・ヒューストン氏から『マクヴェインの生涯と家系』についての発表がありました。




『マクヴェインと近代測量事業』 と題して、
財)地図センター 地図研究所第二部長 箱岩英一氏


近代測量の黎明期の工部省測量でであり、その後測量は内務省へと引き継がれ関八州から全国へと広がってゆくがその時期の事情を分かりやすく解説されていた。 今回のシンポでは一番の内容であった。 前後のマクヴェインの生い立ちから帰国までと重ねると、日本の組織だった近代測量の最初の一歩が踏み出された思いだ。 




『工部大学校とマクヴェイン』 と題して、 
東京大学 技術専門職員 角田真弓氏

工部大学校の当時の建物位置や写真、絵画など沢山の見せていただいた。 鹿鳴館時代にタイムスリップしたような当時へ誘ってくれた。 当時の建物が日本に現存するものは少くなく壮観なレンガ建築物を見たかった思いが湧いてくる。 その中でも今回の泉田英雄氏の成果により明らかになった事があったようだ。




『灯台建設と東アジア地政学』 と題して、
東京大学 生産技術研究所助教 谷川竜一氏


マクヴェインは、灯台建設技術者として来日した。 谷川竜一氏より初めて聞く灯台の歴史や周辺国の灯台についての説明があった。
北九州の白州灯台の経緯なども交えその建設秘話などをお聞きした。




『マクヴェイン資料と近代日本』 と題して、
豊橋技術科大学准教授 泉田英雄氏

シンポジューム主催者 泉田英雄氏は英国スコットランドに訪問されご遺族の資料を分析をされました。 今回の発表によりマクヴェインの人柄、明治期日本での業績、帰国後のスコットランドでの姿が見えてきた。 資料中の日記にはマクヴェインの足跡が克明に残されていた。 しかし、本題の測量の詳細はこれからの解明を待たれる。 きっと貴重な地図や測量資料があるに違いない。

今回のシンポジュームにてマクヴェインと明治維新の日本の姿を垣間見た。 これからの更なるマクヴェイン研究の進展に期待している。 また、マクヴェインシンポジュームでは地図測量にとどまらず、明治維新という時代の日本と世界の変化に必死に乗り遅れまいとする日本、英国スコットランド人技術者の世界進出の事など多くを知り得た。 次回のシンポ開催が待たれる。




左:コリン・ヒューストン氏 右:ケリー・ロジャー氏

サルティア学会 副会長 ロジャー氏による『ベニキュのコーワン家とマクヴェイン』と題しての話がありました。 




『 コリン・ヒューストン氏を囲んで 』

シンポジューム後の懇親会では、地図測量標石Gメンバーとマクヴェインの曾曾孫にあたるコリン・ヒューストン氏とマクヴェインの足跡や当時の東京府下地図を見ながら測量の話などをされた。

写真右から、地図測量標石Gメンバー 浅野氏、飯島氏、上西氏、平井氏(地理院)、コリン・ヒューストン氏、箱岩氏(地図センター)




『工部省測量司長マクヴェインと明治初期日本』
コリン・アレクサンダー・マクヴェイン没後百周年国際シンポジューム

【マクヴェインの略伝】 来日前と帰英後の活動に触れている。以下にまとめる。
1868年 コーワン製紙工場主の長女と結婚した。
187?年 解雇に際して、明治政府から感謝を表された。
118???年 帰路は太平洋経由をとり、当地に移住した故郷の親戚知人を訪ねた。
     この時を含めて、3回アメリカ合衆国とカナダを訪問した。
     カナダではダコタ(Dakotah)を含むインディアン保留地に滞在した。
18??年 アーガイル候がムル島に所有するKilfiniche別荘を借用し、
     家族と生活する。
     長男ドナルドは王立陸軍学校を経て、インド駐留中である。
     長女は駐日大使館書記官の一人であるガビンズと結婚する。
     次男アレクサンダーはハドソン・ベイ社に勤める。
最も年少の息子はまだ学生である。

1889年 教区代表からJPに任命される。 
1895年 王立警護隊の任務に対しヴィクトリア女王50周年メダルを授与される。

                                  シンポジューム資料より




江戸城・富士見櫓と愛宕山の測量標




明治期の工部大学校建物 (現在の港区虎ノ門・文部科学省付近)

参考文献 : このページは、シンポジューム内容、資料を使用しています。


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