栃木の山283 TOP こちら>> INDEX-1 こちら>> 2012- report-95 こちら>> report-97 こちら>>
|
【 一等三角点 「三倉山」 三本槍岳 】

一等三角点 「三倉山」標石 三本槍岳 1916.9m 那須塩原市 (12.07.16)
三本槍岳の一等三角点名は、「三倉山」である。 南西方向に同名の三等三角点「三倉山」もある(三斗小屋跡の西の頂き)。 一等三角点「三倉山」標石は20年前は刻字面がだけが土中から出ていた。 現在の標石は斜傾もしている。 今回ICタグが付けられているのを確認した。 今回の調査では標石に新たな刻字を確認した。 刻字「一等三角點」以外の他面に「那高」「室井」の刻字があるのを拓本にて判明、刻字内容を解析したい。
|

一等三角点標石の東面に、「那高」の刻字
一等三角点標石を丹念に見ると自然の窪みとは違った線を見た。 写真では解らない。 持参した拓本セットで確認をしてみると、縦書に「那高」が表われた。 よもや、栃木県立那須高校の略称の「那高」(なたか)ではない事を祈る。 また、西面の「室井」刻字だが、栃木県北部の那須地方に多い性名だ。
願いは、当時の測量官名であってほしい、しかし最初の測量官は舘潔彦である。 その後改埋されたのだろうか、「一等三角点」以外の刻字のある一等三角点標石は初見で珍品であるのだが。 謎多き標石である。
【地理院】
2012.7.23つくば市の地理院へ行ってきた、本標石の写真を見てもらったところ、『珍しい、陸測・地理院の刻字ではない。意味不明、』とのことです。
【川崎市のNさんより下記のコメントをいただきました。】
『 彫るにも時間がかかるでしょうから、想像ですが戦前 (戦地に死を覚悟していく時に) 山好きの二人が誰もいない山頂を目指し ・ ・ ・ 生の証を日本で此処だけですね。 拓本の威力が悲しい若者の心を再発見したのかもしれません。』
【薮人からの返信】
『三本槍岳の標石の事。 そのような事情あるかも知れません。
当時の山を目指す方の遺言としたら、これこそ、歴史的な標石です。』、深い。
|

一等三角点標石の西面に、「室井」の刻字、
勿論南面に、「一等三角點」の刻字はあります。
|

一等三角点峰、三本槍岳、1900m峰より見る
【 山林局図根点 「山 図根點」 】

山林局図根点 「 山 (図)根點 + 」 熊見曽根 那須町 (12.07.16)

山林局図根点 「 山 (図)根點 + 」 那須町 (12.07.16)
柱寸法 123×123×670 刻字面 123×200 上面に+あり

「熊見曽根」 左奥:三本槍岳 右奥:1900m峰 那須町
* ケルンに立てかけてあった 『 山 図根點 + 』 標石 *
|
【 那須の山々 】

峰の茶屋から見た、茶臼岳 (那須岳) (12.07.16)

奥が、茶臼岳(那須岳) その前が剣ヶ峰 熊見曽根から見る

剣が峰、積雪期は稜線を歩く
朝日岳との鞍部から見た絵である。 剣が峰の肩にある二本の角又はローソク形の岩がある。 以前ここで古銭を拾った。 信仰に関する賽銭であろうと思う。 積雪期は巻道が雪渓となり雪崩の危険があるので、岩の横から剣が峰の稜線を通して歩く。 また、峰の茶から朝日岳付近は栃木県で一番の強風の場所でもある。 帽子が飛ばされるのは日常茶飯事、小石が飛ぶのはしばしば、人が飛ばされ死亡例もある。 兎に角風の無い時はない所である。 |

清水平(高層湿原) 右奥の尾根は「中の大倉尾根」
1900m峰からの下りは、丸太の階段であるが、まるでハードルのように見える。 10年以上前からあった丸太の土留めだが、ハードルになっていた。 このままでは侵食が進むだろう。 |

三本槍岳を清水平(高層湿原)から見る
今日の三本槍岳はどっしりとした山容でおおらかに見える。 ここは清水平である。 しかし、冬は厳しい風雪に覆われる所である。 また、濃霧(ガス)の発生する所でもあり、道迷いが多い所でもある。
* 『こんにちは、やっぱりそうだ』。 三本槍岳で標石確認をしていたら声を掛けられた。 男性1人と女性3人のグループである。 サングラスを掛けた女性からである。 知らない方に思えたが、聞くとその方達が日光白根山登山の折、五色山で会っという。 私は千葉のノラさんと白根隠山、白檜岳、避難小屋と歩き、五色山で「宮界標」の確認調査時だった。 その日は暑かったので持参していた凍ったペットボトルを差し上げた。 今回も長野県から、栃木の山へ来られたのだ。 男性は山の会の会長との事でした。 挨拶をした「ようこそ栃木の山へ」である。 皆さんはしばらく山頂で遠望を楽しみながら昼食を楽しんでいた。 そして12時少し前に下山していった。
10分後ぐらいだろう、調査拓本を終了こちらも下山を開始した。 夫婦連れを追い越して清水平への掘れた道で長野グループに追いついた。 しばらく後ろに付いた歩いていると雑談の中に、『さっきのおじさん、太ったよね』と先頭の次に歩いている方が言った。 すかさず私は言った、『もしかして、俺のこと』。 『えー』、まさか直ぐ後ろに居るとは解らなかったようだ。 『そうなのです、気にして今日もこうやって山に来てダイエットに、、』と言ったら一同大笑いであった。 その前の先行者にも追いついた所で、パスさせてもらって熊見曽根の「山」標石へと急いだ。
|
|
【 那須岳周辺付近で確認の三角点標石確認 】

四等三角点 『展望台』
四等三角点『展望台』標石のあるのは、旧那須有料道路のカーブ付近の展望台の所にある。 今回訪問したところ整備工事をしていた。 工事は終了し検査を待っているようであった。 表示杭があるので直ぐに場所は解るが、肝心の標石は土中に埋没していた。 また、傾斜しているように見えた。 |

三等三角点『八幡崎』
八幡温泉前の白やしおつつじの群落の中にある。 東側の木製展望デッキ傍にある。 |

四等三角点『石塚』
環境省関東地方環境事務所、那須自然保護官事務所と御用邸地との境界に三角点がある。 最近ここに新しく施設が出来たようで境界には真新しいこげ茶色の柵が巡らせてあった。 その柵(御用邸内)の傍に三角点(金属標)はあった。 道のない難しい場所である。 |
【 コースタイム 】
↓
↓
↓ |
峠の茶屋・駐車場 (出発)
峰の茶屋
朝日岳分岐
熊見曽根 (「山・図根點」標石 確認)
清水平の木道
中の大倉尾根・北温泉分岐の道標
三本槍岳 (一等△標石 調査・拓本)
中の大倉尾根・北温泉分岐の道標
清水平の木道
熊見曽根 (「山・図根點」標石 調査・拓本)
朝日岳分岐
峰の茶屋
峠の茶屋・駐車場 (帰着)
この後、付近の三角点確認、四等△『展望台』
三等△『八幡崎』、四等△『石塚』の3点
|
|
8:10
8:50〜8:55
9:20
9:34〜9:36:
9:55
10:07
10:35〜12:05
12:23
12:30
13:00〜13:48
14:00
14:25〜14:28
15:00 |
* 峠の茶屋・駐車場〜三本槍岳まで、2時間25分
現在の私はこれ以上のスピードでは歩けない。* |
|
栃木の山283 TOP こちら>> INDEX-1 こちら>> 2012-report-95 こちら>> report-97 こちら>> |