雪と岩重なり合って迷宮の 凹地を囲む三ツの峰々
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【山行日】 2005年 1月30日(日) |
【天 候】 雪 気温−10゜C(山頂)、−5゜C(林道) |
【山 域】 奥日光(湯元) |
【所在地】 栃木県日光市 |
【地 図】 国土地理院 1/2.5万図 男体山
地図(三岳) 地図(湯元) |
【参加者】 第三次三岳探検隊の皆さん(計 8名)
ナスノガルータさん、常吉さん、のみねさん、増田さん、
FM大野さん、上野さん、辻さん、山部薮人 |
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【コースタイム】
湯元県営駐車場−(30分)−金精道路(閉鎖中)−(40分)−小峠−(30分)−廃林道・取付点−(1時間35分)−1882m峰−(1時間10分)−三岳・三角点峰−(45分)−林道(兎島〜小峠間)−(5分)−林道(道標・光徳口)−(20分)−金精道路・元料金所跡−(5分)−湯元・源泉配分所横−(5分)−駐車地帰着
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三岳 (撮影・高薙山の尾根) |

三岳・三角点峰 |
【三岳とは、三岳探検隊とは、】 |
奥日光に三岳という名の山があることは知らない方の方が多い。 日光の白根山登山口の湯元、光徳牧場、ハイキングで人気の切込湖
刈込湖に囲まれた地域が三岳である。 山域は北と南に分かれる北三岳エリアに三角点が置かれている。 家ほどもある大岩が積み重なった所も小ピークが点在し、コメツガ、ダケカンバの密な樹林で見通しが悪い。 凹地
窪地 岩の積みかさなっているので深い穴がそこかしこにある。
北三岳(今回)
三角点 水準点の置かれている四つのピーク(1944.4m峰 1901m峰 1883m峰 1882m峰)と同等のピークが二つ、それに続く小ピークが無数にあります。 地図で見る限り北西の小峠付近からゆっくりと南東に向け上がっています。 実際には5,6mの岩が重なり10m程の岩もあります。 南、東側は急傾斜のが続きます。 凸凹の窪地(火山の大岩の重なり)があり、初夏も深い樹林の中には氷化した雪が残っています。
南三岳
南と北を分けるのは元金精道路料金所から光徳牧場への古道で分けられています。 湯元からの道標も今は朽ちて辛うじて残骸が残っています。 古道を進むと中国の桂林を思わせる直立するピークが南側に見えます。 それが南の1752m峰で南の最高峰です。 南三岳は湯滝より南はなだらかに戦場ヶ原まで下っています。 東、北側は急傾斜になっています。 南も北と同様に凹地、窪地が点在しています。 鹿などの動物もたくさん住んでいる手付かずの自然が残っています。 深い森と岩の重なる神秘的な山域です。
三岳探検隊
奥日光の三岳の魅力にとりつかれ三岳に集う。 山の情報交換の場 「niftyのFYAMA北関東」で集った人々とそれに続く方々です。 今回までに二回実行されて今回は第三次を数えます。 三岳探検隊は北関東の藪のベテラン、達人、エキスパートの集団でその皆さんに初参加者を加え構成されました。 リーダーのナスノガルータさんに全てを仕切っていただきました。 また今回は「関東ぐるり一周山歩き」の著者上野信弥さんも加わって心強い限りで、初参加者はどこまでも付いて行きます状態です。 数次に渡り探検隊を繰り出し三岳のベールの一部を開いたのでしょうか。
前回の探検隊の様子は「おひるねの森」さんのページを参照ください。
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【第三次三岳探検隊紹介】 |

小峠に向う隊列 |

小峠で小休止(撮影・のみねさん) |
【小峠、三岳1882m峰へ】 |
湯元県営駐車場に降りしきる雪の中次々に参加者が集合する。 一見してナスノガルーダさんは直ぐに本人だとわかった。 握手の挨拶で次々と初参加者を紹介していただく。 定刻9時駐車場を出発する、温泉神社温泉街を抜けて源泉の湧く原っぱの横でスノーシューを取り付ける。 ここからジグザグに金精道路まで歩く。 ここでスノーシューや身支度の点検で小休止で直ぐに出発する。 氷結した蓼ノ湖の横を通り途中の小沢を飛び越えて坂を二つ登って小峠に。 小峠まで終始トップはのみねさん続いてナスノガルータさん。 小峠に到着、続いて到着ここで小休止約10分である。 そこに光徳からであろうか小グループが到着、前夜途中泊の様子、ザックがデカイ。 ここから湯元に下っていった。 リーダーから今日のルートの説明がある。 地図を見ながら歩くルートを描く地図に無い廃林道があるらしい。 その途中から1882m峰にアタックする。 その後南東尾根を下って三岳の字のピークの北側を巻いて三角点峰を踏む。 1883m峰の南麓をから小峠へ下る。 途中の凹地は藪が深そうとの説明があり小峠を出発する。 小峠から道標にしたがって三岳の山麓の道を進む雪と樹林で周りの山は見えない。 刈込湖に下る道標と分かれて道を直進する。 雪の重みで立木が道を塞ぐ、トレースの無い道を進む。 僅かなながら上っているのか高度が上がっている実感はない。 しばらく歩くと樹林の間から金田峠の上の1949m峰の尾根が見える。 いよいよ取り付きだ、ここはと言うような斜度のある雪斜面にトップがトレースを付けてどんどん進む次々に続く。 トップは常吉さんどんどんと続く、途中交代をしながら高度を上げながら東やや南へと進む。 のみねさんFM大野さんがピークに到着した。 後続に「1882m到着」を告げ大木がピークかなと思ったら。 1882m峰はまだこの先との声で、ここは「1840mの小ピークである」との事、地図を見るとその先に細長い凹地がある。 左から回り込んで行くのかなと思ったら凹地に下りて1882m峰に取り付くとの事。 1882m峰に取り付くやや北尾根に出て尾根を進むと1882m峰ピークに到達した。
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廃林道の途中で |

三岳・1882m峰ピーク |
【三岳三角点峰へ】 |
1882m峰で小休止でパンをかじり、水分補給をする。 冷たい風の方向を雪が横に走り教えてくれる。 コメツガの枝の間から霞む二つの大きな峰が見える。 奥の峰が三角点峰との声がかかる、手前のピークは無名の1910m峰だ。 無名峰は大きく三角点峰の前を塞いでいる。 1882m峰の出発前にナスノガルータさんからルートの説明がある。 1882m峰から南東尾根を下り1901m峰との鞍部へでる。 鞍部から凹地を見ながら1910mの無名峰の北側を巻き三角点峰に取り付くとのルートの説明がある。 納得のルートでここからトップをナスノガルータさんがする。 1882m峰からの尾根は早速大岩が重なる尾根が出迎えて地図通りに尾根をなぞれない。 また尾根はコメツガが密生していてやや西側を下る。 雪があるから大岩の間を埋めて歩けるのか。 知らないのが幸いなのか大岩と大岩そして樹木の付いた雪の上を進む。 ルート選びは難しい進むと大岩の先は切り立ち、戻っては転進する。 途中後続の山部が岩と岩の間の雪を踏み抜き1m50位沈み枝に足が引っ掛かって止まった。 手を離すとどこまでも下に落ちそうである。 片足のスノーシューを外して枝につかまってどうにか懸垂で脱出出来た。 皆は周りで落とし穴にはまった見物に楽しそうに見いっていた。(写真まで撮られた:笑い) そんなこんなで凹地に下りた。 振り返ると斜面というよりは大岩の重なった間を縫う様に下りたのだ。 凹地で人数を確認して出発ここからは平地で1910mの無名峰の北側を巻く。 無名峰と三角点峰の沢部を南方に鞍部に向って高度を上げる。 途中でそのまま鞍部に行くと三角点峰は南側は急斜面なのでやや北に向きを変える。 木々の間を急な斜面を上がった。 ここのトップは輪カンの増田さん、のみねさん、FM大野さんと続く、途中山部のスノーシューが壊れる。 そのまま何とか先行の四人に3,4分遅れて三角点の1944.8m峰に到着する。 ここまでの間後の上野さんからルートの修正の声が掛かる。 アバウトな山部と違って的確である。 皆さんのルート取りは間違いない。
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極寒の酒宴材料 |

ホットワイン |
三角点標石埋まる1944.8m峰には2002年5月26日の無雪期に来た時に取付けた山名板(裏ナナ)があった。 彫りこんだ山名板の窪んだ所に雪が詰まっていて懐かしく迎えてくれた。 また何と言っても厳冬の三岳のここに立つことに感激である。 遠望の利かないピークであるが充分満足である。 約1時間誰とも無く持ち寄った大量の各種酒類、震えながら凍りつくビールで乾杯。 常吉さんがコンロを出してホットワイン、ホットベルモット(ガンチャ)をのみねさんが作ってくれる。 ナスノガルータさんがツエルトで風除けを張る、紅一点の辻さんに入ってもらう。 FM大野さんは凍るようなビールを飲む、この状況では暖かいものが最高である。 ピークでの時間はあっと言う間に過ぎる。 誰とも無しに時間を確認
3時を過ぎている、ゆっくりしているとライトを出さねばならない。 さあ出発だ。
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コメツガの間から隣の峰を見る |

小雪の降る三岳の深部 |
【下山】 |
ナスノガルータさんから全員にルートの確認をされ、予定の小峠へ向わず林道・兎島〜小峠線にショートカットで下る事となる。 ここからのトップはのみねさんとナスノガルータさん、先行する二人を追って後続は尻セードで滑り台状態。 下って下って1667m峰の横の林道に到着する。 林道にはクロカンの跡があった。 ここから兎島に向って歩き、光徳牧場分岐から西に湯元に向う、トップはFM大野さん僅かに残る踏跡を追う。 途中で雪に消えた約20分金精道路元料金所跡に下りる。 全員湯元に無事到着を実感する。 下に湯元と湯ノ湖が見える全員笑みを浮かべている。 ここから車までどうするかとの問いに道路をどちらに歩くかの話になった。 リーダーから「藪屋が道を歩こうなんていっちゃいけない」との声ごもっともである。 ナスノガルータさん、常吉さんが真下の湯元に向って斜面を下る。 あっという間に湯元の温泉配分所の横にドンピシャリ到着する。 ここでスノーシューを外して車まで凱旋する。 この後中禅寺に全員移動、上野さん紹介の湖畔のレイクサイドホテルの温泉に浸かって疲れを流す。 第三次三岳探検隊の皆さんに加えていただきその思いを胸に家路についた。 |

トップで道を付けるのみねさん |

金精道路元料金所に到着・笑顔の面々 |
【ご注意】 山はなんとも楽しいものです。 しかし山歩きには思いも掛けないも危険も潜んでいるものです。 簡単に考えて下ったら崖だったり思っていない所に出たりで充分注意しても予期せぬ事に直面してしまうものです。 そんな時こそ冷静に安全な行動をしましょう。 大切なのは安全です。 特に道の無い山は地図を読む習慣をつけてから、はじめは経験者の同行も必要て゜しょう。
三岳は大変迷い易い薮山です。地形も複雑ですので安易に近づかない事です。積雪時は特に危険です。
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【忘備禄】
【コースタイム】
湯元県営駐車場(9:00)−−金精道路(9:30)−−小峠(10:10-15)−−廃林道・取付点(10:45)−−1882m峰(12:20-13:10)−−三岳・三角点峰(14:20-15:30)−−林道(兎島〜小峠間)(16:15)−−林道・道標光徳口(16:20)−−金精道路元料金場跡(16:40)−−湯元・源泉配分所横(16:45)−−駐車地(16:50)帰着
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