手白山(てしろやま)1849.2m  NO.248-2
前日に続いて・湯沢広河原-噴泉塔-手白峠-手白山頂-上野ルート
【山行日】 2005年10月2日(日)
【山 域・目 的】 奥鬼怒
【地 図】 1/2.5万図 川俣温泉  地図(噴泉塔・手白山) *地図上の噴泉塔の位置は誤り
【天 候】 晴のち曇り一時小雨あり               *噴泉塔の位置は破線の消えた所
【所在地】 栗山村 
【同行者】

【関連ページ】
ナスノガルータ゛さん、常吉さん、山部の3人

常吉さんの湯沢広河原の湯と手白山のページはこちらです。
前回の手白山(04.03.28)のページ
湯沢広河原温泉(05.10.01)のページ
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(山行タイム)
 
10/01古賀志山(11:30)==平家平温泉(14:47)−−湯沢広河原泊・着(16:30)−10/02発(8:55)−−せせらぎの湯(9:30)−−噴泉塔(9:50)−−手白峠(12:05)−−手白山1849.2m(12:55-13:05)−−手白峠(13:40)−−1722峰前の鞍部(12:04)−−1722峰(12:17)−−1438峰との鞍部(12:44)−−ウスクボ平先・道路(15:05-10)==女夫渕温泉(16:00-05)==平家平温泉(16:10)==黒部温泉「四季の湯」入浴・解散==大笹牧場==(県道経由・今市)==自宅帰着

今日も天気は良さそうだ

秋色になってきた紅葉の時期は最高だろうな
【噴泉塔へ】
 前夜、手白山経由で大嵐山へ行けるのかそれはその時に考えようと話して寝た。温泉に浸かり過ぎかお疲れ気味である。昨夜と今朝で荷も軽くなってだいぶ楽になった。ナスノガルーダさんはまだ風呂に浸かっている、持論の「山歩きは遅立ちが利に叶っている。」が頭を過ぎった。今日も10時ごろの遅立ちだろうか。そうでもなさそうである、有島さんが別れを告げて沢を渡って下山していった。上野さんも元気に有島さんを追うように帰っていった。我々も身支度、テント撤収、後片付けして、前日の疲れも取れて軽くなったザックを背負って出発だ。ここからも道は付いているが土留めが崩れている所、上り下りが急な長い階段と仕掛けと試練を少しだけある。一番は沢の渡渉である靴下を濡らさぬように渡る。ぐしょぐしょした温泉の匂いのする所を通過すると沢に下り、対岸に湯気がもうもうと立ち上るのを見る。常吉さんが先に沢を渡りここがせせらぎの湯と教えてくれた。熱くて手は付けられないと言っていたがそっと指を付けてみた、とても熱く90度と言う。湯量も充分である。次回はここに湯舟を作ってみたいな。ナスノガルーダさんの渡渉を待って噴泉塔に向う。

 旧販売の国地の1/2.5万図では手白峠から噴泉塔の道は間違いである。地図の噴泉塔の位置の雰囲気は実際の位置と地図では似ているが湯沢のそんな奥ではない。現在の国地のWebでは破線の道は峠と噴泉塔までの訂正されているが噴泉塔の位置記載は修正されていないので注意が必要だ。
 良い地図がありました。ぜひ見ていただきたい、常吉さんが前回歩かれたもので参照されたい。
 常吉さんの地図はこちらです。

これが噴泉塔への道

途中にある湯量の多い、せせらぎの湯
 せせらぎの湯から噴泉塔までは300mの道標がありあと僅かである、しかし噴泉塔前後は沢の河原を歩く事は出来ない所である。巻き道は長い階段が作られそれを越せば滝が目に入る圧巻である。巻いた尾根を下ると「湯沢噴泉塔」の案内板があった。(栗山村設置)
 それによると「湯沢噴泉塔」は明治41年(1908年)渡辺渡氏が旧西沢金山を探索中に発見したと記してありました。大正11年国の天然記念物として指定されたそうです。


【湯沢・噴泉塔】

噴泉塔上部の秋色の滝

三段の滝がある右の二人の上に噴泉塔がある

右端に噴泉塔が見える

これが噴泉塔
【ルートを見る】

手白峠へは対岸へ渡るルートだ、解りづらいので注意

足湯でゆっくりと
 噴泉塔から手白峠へのルートは解りづらいWeb地図を良く見ると噴泉塔付近で消えている。峠から下って来ると噴泉塔の所に出るので解り易いが、広河原から来ると解りづらい。噴泉塔脇の危険な岩場に取り付いてしまいそうである。正解は対岸の岩場に渡渉するのである。今回はご親切にロープが誑してった。今回は流木とロープがあったが渡渉には必要なかった。また今回は水量が少なかったので難なく対岸に渡れました。水量が多いと問題の所です。

 噴泉塔の所はこれだけではない、ポッドホールの足湯コーナーなど存分に自然を楽しみたい。このほか湯気がもうもうと立ち込める上段の滝つぼも噴泉塔の横を通って一見の価値があります。


【沢を渡る】

いよいよ渡渉、岩の上を沢水が洗う

それー、飛び越えた、後戻りは許されない


【手白峠へ】
 
対岸に渡る、岩の上を水が洗う、怖がっては居られない、えいーと渡る岩の上に上がると階段状の岩の重なりがある。そこから先に踏み跡が見当たらない、常吉さんは枯れた沢の中を歩き始めた。噴泉塔脇の最上部の滝を巻くために枯れた沢を上り始めたのだった。沢を登りきると一旦平らになる、赤い灰皿入れがある、道標の代わりだろうか。少し行って最後の沢の渡渉で沢とはお別れである。沢を渡るとやや朽ちた道標がありここ辺りが道であるのが間違いないとわかる。道標の先からは上りとなる、一汗かくと尾根がはっきりして下方に湯沢が見え風が吹き抜ける。ここからは尾根を忠実に登る手白山へ向う、湯沢越しには大きな高薙山がより大きく見える。急峻で湯沢を越えてこちら側からはとても山頂を目指そうと言う気持ちにはならない。

 
ブナ、ミズナラの大木が尾根上にはある、朽ちた倒木には何種類かのきのこが生えていた。下草はミヤコザサが主体のようだ。尾根が終わりコメツガの倒木を越えると手白山麓で平な場所に出るここで峠へと山頂のトラバースに曲がる地点だ。地図と実際の違いはこの辺から違って行く所でもある。地図でもこの辺に平らな所はない筈だが、所詮10mの差はあるので微妙な所は表示は出来ない。ここから峠は手白山山腹を斜めに進む、途中の沢に美味い水があるとの事であったが水量少なく汲めなかった。地図にある薙ぎを越えると僅かで峠に着いた。途中で見た赤い筒状の灰皿と道標があった。

 疲れていると歩くスピードも落ちる、登りでは長く感じるであろう。推測ではあるが旧地図の道は湯沢から手白峠へ歩いて後で引いた線ではないだろうか。何度も沢の渡渉を繰り返して高巻きしているうちに現在地を失い尾根を上がって薙ぎを越えて峠へ行ったのだろうが。標高をつかんでいないのと似たような地形と疲れで歩経路を長く感じてしまったのではないか。現在はGPSがあるのでこんな事はないと思うが以前の地図の間違っているものも現在も後をたたない。 考えて見ると信じられるのは冷静な地図読みと判断なのだろう、薮山に限らず登山道も時々位置把握をしながら歩くようにしたい。

峠へは沢から登りが続く

尾根へ上がってさわやかな風が来た

噴泉塔から峠の間には薙ぎが3っある

樹間からの高薙山は遠く深く高く聳える

【手白山ピストン】

手白峠で一服

峠からは川俣湖と明神ヶ岳が見える

手白山頂

雪がない時で、三角点標石を見る
 大嵐山へは断念した。手白山の標石はまだ見ていないので山部は行きたい、誰も行かないと言っている訳ではない。ザックなどは峠に置いてピストンである。峠からは薄っすらと踏み跡とマークがあり常吉さんナスノガルータ゛さん山部の順はそのままで山頂に向った。チシマの薮より倒木が邪魔して乗り越えながらの歩きとなる。手白山は別段難しい山ではないが、見通しが無く陰気な感じでお化けなど怖がりな方には不向きな山だ。しかし人の思いはさまざまでそれが良しとする向きもある。大嵐山まで手白山の尾根を歩こうなど考える人は渋い山と感じるのであろうか。2、3の小ピークを通過すると標石についた山部は積雪期に来たので初めて見た。三方をガードされた標石を見た。山名板もRK、3Dと変わりなかったM大のプレートも何枚かあった。頂上を踏んでからそのまま峠へと戻った、途中で方向が少し北へぶれているのではと山部が言ったが、このままでということになり直ぐに3分も経たないうちに峠の赤い灰皿が見えた。


【手白峠から直に道路に下る】

ウスクボ平先へ向って尾根を下る

上野さんの事前のルート調べで道路にピタリ
 山部は峠から手白沢温泉までの間は歩いていない、途中のブナの林が綺麗と聞いているが機会がない。さて今回の下山ルートは峠の北の1750mのピークから北西の枝尾根に乗り換えてウスクボ平先の西の沢に下るものである。山部の前回のルートは1722mピークを通るメーンの尾根でウスクボ平へと歩いた。今回は斜面から尾根に乗り移るので注意を要するルートである。この尾根の下りは常吉さんのページで詳細なルート図と共に下記のように案内されているので参考にされたい。

 『上野さんが手白峠から北西に派生する支尾根を下りるショートカットルートを開拓した。尾根通しとは言え、手白峠の少し北からウスクボ平に向かって北へ延びる尾根から北西に派生する支尾根に乗りかえる地点と、1550付近で西に延びる尾根に引きこまれないようにするのが難しいというのが地形図を見た私の感想。』   常吉さんのページの手白山はこちらです。

 下る尾根の斜面で見たあれは幻想か幻か、先頭の常吉さんとナスノガルーダさんが『屋根が見えるあの建物は、、、』見ると方角は八丁の湯かなーでも近すぎる。四角の赤い屋根は何の建物なのだろうか、赤いトタン屋根見れば見るほど大屋根である。とにかく行ってみよう10mも下らないうちに分かった。ミズナラの高木が一本だけ真っ赤に紅葉していたのである。四角に見えたものも形と色が変わってまったく周囲に溶け込んで見えなくなった。深山に迷い込みどんどん深みにはまっていくのはこのような見間違いで間違った方向へ引き込まれる事はないのだろうか。今回は幻の紅のミズナラということでした。

 上野ルートは的確で丁寧であった。下りながら先まで予想してのアドバイス、まさか一旦下って調査して戻りなおして書き込みしたとは?。几帳面な上野さんならするかもしれない。しかし上野さんの能力ならこの山なら充分予想がつくのだろう。常吉さんもミスルートなしでスーパー林道へ最短で到達した。途中の急斜面で一時通り雨もあったし、突然雄の大鹿が目の前に飛び出したのには驚いた。山では色々なことが起こるそれらを的確に捌くそれらの全てが山歩きの楽しさでもある。今回は団体行動それも最後尾でゆるりと歩かさせていだいた楽しさだけが快く残った。
 
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