高山・錆沢(三等三角点峰) NO.361
 
栃木の秘峰高薙山の北東に位置し、湯沢・ホリホリ沢と西沢・門森沢に挟まれた長大な尾根の中間部に『高山』三角点峰がある。 この高山を源流部とするホリホリ沢が鬼怒川へ、西沢、門森沢と尾根稜線の間を県道が通り、その尾根稜線上に明治の三等三角点「高山」標石が埋まる。

栃木県において「高山」名の三角点峰は日光市に「高山」「高山2」「高山3」の三峰なり、今回「高山」を完了し高山三角点峰の全標石確認をした。 この日は、三等三角点「錆沢」峰も歩く。川俣温泉集落の北ピークに「錆沢」峰はある。

   

「高山」 三等三角点標石


【山行日】 2010年 9月 18日(日) 【天 候】   晴たり曇ったり
【山 域】 川俣(高薙山近傍) 川俣温泉 【所在地】 「高山」 日光市川俣字ホリホリ沢
       「錆沢」 日光市川俣字サビ沢
【地形図】
   1/2.5万図「川俣温泉」「男体山」
       ・「高山」 こちら>>
       ・「錆沢」 こちら>>

【同伴者】  単独 (山部)

【関連ページ】「高山2」 こちら>>
        「熊の沢山」「熊の沢」 こちら>>
  【標石データ】  Web 「点の記」より
 ・高山   冠字 事 12号
  基準点コード 
5539-23-2601

 ・錆沢   冠字 事 13号
  基準点コード 
5539-23-5701 

【緯度 経度】
 ・高山 (標高 1683.15 m)
  36°53′04.6742 / 139°27′45.816 

 ・錆沢 (標高 1243.96 m)

  36°51′36.8076  / 139°27′12.2383 
【三角点名 「高山」】
三等三角点「高山」峰は高薙山麓の旧西山金山の跡の西沢(門森沢支流)付近からP1735mへ登りそこから北東へ尾根を歩くのが快適なのであろう、また鬼怒川噴泉橋から林道を少し走ると、林道分岐(湯沢への作業道)から尾根を通して歩くのも良い。 今回は地形図の等高線の間隔を見るとまだこの間隔なら歩けそうと、尾根歩きを止めて林道から直登する事とした。 山王峠から林道を下り西山金山寺跡を過ぎしばらくすると、「高山」峰直下サル沢のカーブに到達し、今回の取り付き点となる。
(林道とは、県道:鬼怒線 = 以前は、山王林道:光徳-西沢金山跡-川俣線と言っていた。 )



林道からの取付地点




工事中・林道のサル沢地点に駐車する

  【 高山へ出発だ 】
高山の下を通る山王林道はよく利用している、早朝は人通りは無い何ヶ所かの工事現場も人気はない。 高山のピーク下のサル沢の所も工事している、道路下にバックホーがいた何処から降りたのだろう。 さて、見上げる頂上へはどこから取り付こうかと石垣の切れ目と駐車場は、、、、結局工事用の広場に置く。 サル沢を登るのもあるが、サル沢の右のやや尾根状をあるいた方が良いように見える。 取り付きは石垣の切れた所から薮に突入した。 久しぶりの急傾斜の薮である、大股を避け小さい歩幅でゆっくりと高度を上げるサル沢の右尾根の笹薮を強引に分けるも、鹿道を探すがない。 サル沢上部は薮の無い土と石で滑りやすい、笹と木に手掛かりを得ながらさらに高度を上げる。


サル沢からピークを見る




20分登った所



紅葉が始まった




激薮へ突入

 
林道からピークまで高度差は250m がんばれと言い聞かせ、再び強引に笹を手掛かりに進む。 何度も休みながら強引は続く、久しぶりの薮漕ぎだ等高線の密度はこのくらいなら今の自分にはまだ行けるのだ。 ピークは未だかと何度も見上げる、200m高度が上がると笹は濃くなりさらに目線が低くなる。 目線は急斜でもあり笹の根元だ稲刈りのように思える、笹は均一ではなく、その中に稲束のようにある。  枯笹との混雑で厄介である。 強引にそれでも進む、戻り用にマークを残す。 GPSを確認すると残り 50mであるピークへ真っ直ぐに向かっている。 横にブレれば尾根鞍部へだろう、横に移動は無理あと50mで強引に行こう。 途中の木に熊の爪あとを見る、鹿や熊の痕跡(踏跡は無かった)無い所だが、爪あとがあるということは熊がここに居た事が事実だ。



頂上尾根、北向き



標石の周囲の笹を刈る、保護石の間隔が広い



頂上尾根、南向き


【三等三角点標石・下山】
出たー、快適なミヤコザサ原のピークである。 標石はどこだピーク横の笹に埋まっていた。 この「高山」への思い入れは何なのであろうか、この地の主峰・高薙山が好きな事と近くにある「高山2」とのコラボである。 「高山」をいつまでも残しておく事は落ち着かない。 この山いや尾根は本来尾根を通して楽しく歩くのがベストだったのだろう。 しかし、いろいろの歩き方があっても良いのではないか。

余談ではあるが、このピーク名を「高山」としたのは、当時の測量官が選点時に付けた名であろうが、私なら『ホリホリ沢山』だそれは字名(あざ名)がホリホリ沢であるからである。 川俣から西沢金山へのルート上にあるので川俣からでルート上にないホリホリ沢の名を付けなかったのであろう。 当時道も無かったろうから川俣から登り着いたピークまでは高く遠く思ったに違いない。 「高山2」も同じように測量官が遠く感じたのであろうか。 そうして付けた名が「高山」であった、地理院ではその後近くにある三角点名なので点名に番号を付加したのであろう、中禅寺湖北の「高山」も「高山3」となった。 日光地区の「高山」三山を分けたのである。 今回、地理院名「高山」その日光「高山」三山、那須「高山」(成功山)一山を確認した。

「高山」の標石保護石は、近くにある自然石を使っていた、前週の「熊の沢山」「熊の沢」三角点と同じ仕様である。 標石と保護石の間が 50cmとその後の保護石設置状況と比べると間隔が広い。 標石の周囲は笹に埋もれているが、測標(覘標)を建設するには丁度良い広さになっている。 「高山」の三等三角点標石の選点場所として最適と見た。

下山は、もと来た踏跡を忠実にたどって戻った、さすがに下山はゆっくりと思ってもあっと言う間にサル沢と林道の交差する地点に着いた。 



ここがサル沢の源頭部
  【「錆沢」三等三角点標石を往復】
高山から林道へ戻り次に川俣温泉の北のピーク「錆沢」へ向かう。 林道から前週歩いたの「熊の沢」峰を見ようと門森沢の向うの尾根を見ようと何度も車をとめたが、樹林に阻まれカメラを向けられなかった。 「熊の沢」三角点峰は、栃木の秘峰だな「熊の沢山」へは何んの問題も無いが「熊の沢」峰の難度は高いなーなんて、つぶやきながら走っていると鬼怒川に架かる噴泉橋に着いた。 「錆沢」三等三角点峰はへは錆沢側尾根と下の沢側尾根がある。 どちらの尾根を使おうかと考えたが「錆沢」名があるので錆沢側尾根に決めた。 地形図を見ると上部への道が記してある、そこに進むと HDDIのアンテナ設備があるその前に車を止めた。

薄い笹原を歩く初めから左の錆沢側尾根に向かわず小さなピークを巻いて右に向かう。 ミズナラの大木が何本もある、横を通り高度を上げ錆沢側に達した。 「山」杭がある周囲を見ると杭に沿って道がある。 獣道、山の巡視路かなとにかく道がある、もちろん背丈の笹に囲まれている。 それでも道は歩き易い、斜面が急になる所もあるが問題はない。 二三度の休みをして頂上に着いた。 下の沢側からの尾根方向も明瞭な道が来ていた。 何度も振り返りながら「熊の沢」峰をここでも探したが樹林でだめだった。

戻りは元来た道を戻った大木の所で何枚か写真を撮って少し回り道してから戻った。 川俣温泉の蕎麦屋でてんぷら蕎麦を食べた、そこの主人と山の様子や桧枝岐への道などの事を聞く。 川俣の民宿の方を紹介して頂いた。 この日は孫が家に来ているのでこのまま帰宅した。




「錆沢」 三等三角点標石 刻字は南向


   

下部に有ったミズナラの大木




小広い「錆沢」山頂

  【所要時間・歩行距離】
山王峠 8:10  = =  西沢金山寺跡  = =  林道・サル沢 () 8:30  -  「高山」三角点標石峰 10:05-10:20  -  サル沢の頭 10:40 -  林道・サル沢 () 10:50 = = = = 川俣温泉・KDDI携帯アンテナ前 () 11:30 -  ブナ・切込あり 12:00  -  「錆沢」三角点標石峰 12:10-12:15  -  ミズナラ大木 12:30  -  KDDI携帯アンテナ前 () 12:35  -  川俣温泉・そば店・昼食 15:40

 「高山」標高差 約 250 メートル  「錆沢」標高差 約 180 メートル


【この山は、】
急斜面やササの密薮など危険な所があります一般の方にお奨めできません。 当たり前ですが人と会うことはありませんでした。 地図読み(読図)とは、地図を見るだけではない、地形と照合し次の地形を地図から想像しなければいけない。 地図読み = 先の地形を読む(想像する) 危険を予測し、山歩きを管理する。 山を歩くなら地形図を必ず見ること。    山部薮人


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