明神ヶ岳(ミョウジンガダケ) 1594.5m NO.260-2
この山を横瀬山から見た、どっしりとした山容は端正な芝草山と風貌は違う。 立派さではそれ以上で明神ヶ岳以上の薮山で懐の深い山は栗山にはないのでは。 栗山村の中心にある山で奥の深い山で、いつかは山頂に立ちたいと思っていた実現を「なな」と出来たのはラッキーである。 天候に恵まれて予定通りで歩けた。 ルートは以前から温めていたものでリベンジで最短で山頂を踏んだと思っている。

【山行日】 2004年7月3日(土) 【天 候】 雨降ったり止んだり 風強い
【山 域】 湯西川地区 【所在地】 栃木県塩谷郡栗山村
【地 図】 1/25000図 湯西川 地図(明神ヶ岳) 【同行者】 「なな」
【コース】 前沢の慰霊碑(標高点931m上)〜金剛ゾネの標高点1361m〜ヨガタァ〜明神岳頂上のピストン 【関連ページ】
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二等三角点と山名板

滝倉沢の源頭部の花・サワギク(花名:TOさん)

【今日のタイム】
自宅発(3:30)==鹿沼IC(日光宇都宮道路)・今市IC(4:20)==鬼怒川コンビニ 食料調達(4:30)==湯の郷トンネル==湯西川川戸集落(5:18)=(林道・前沢稲ヶ沢線)=林道・慰霊碑前広場(5:35-6:05)−−1361P峰(8:05)−−1400P峰(尾根の分岐のピーク)(8:45)−−滝倉沢、大滝沢の源頭部のヨガタァ(鞍部)(8:50)−−明神ヶ岳(9:30-10:05)−−ヨガタァ(鞍部)(10:20)−−分岐のピーク(10:25)−−1361P(10:50)−−広場(11:35)==偵察:前倉、高倉山(林道 湯西川前沢線)==湯西川川戸集落==五十里湖==川治温泉==(日塩もみじライン)−−狸原山へ(鶏頂開拓)

歩行時間(明神ヶ岳のみ)  5時間
    関連ページ 狸原山 NO.261ページ

【アクセス】

以前は秘境だった湯西川温泉に向かう、最近五十里湖周辺の道路が整備されて行き易くなった。 特に雪のないこの時期はドライブ気分で行ける。 湯西温泉街の手前の川戸集落で林道(前沢稲ヶ沢線)に入る。 集落の中を流れる湯西川に前沢橋があるここを渡る。 今年前山にいった時にもこの林道へ入った。
林道:前沢稲ヶ沢線は前山に沿って前沢の右側を前沢、高倉山の尾根を見ながら舗装された道を走る。 途中の明神橋で前沢の左岸から右岸に渡るすぐに滝倉沢の滝倉橋がありこれも渡る。 滝倉沢は急峻で沢を歩く訳にはいかないそんな感じだ。 ここからの林道は前沢の対岸の上には垂直な岩の上の高倉山から前倉山への岩峰が連なっている。 深い前沢の成り立ちは、それにしても明神ヶ岳の周りは急俊な峰々それと沢挑戦意欲が出る。 さて林道を詰めて行くと地図上の931P(沢の中)の所にトッポ沢に掛かる橋がある。 周りを大岩に囲まれた橋の側に慰霊碑がある。 その手前に広場があるここが今回のべースになる。 トッポ沢の左の薮尾根を上がり、金剛ゾネに立つそこから滝倉沢と大滝沢のコル(ヨガタァ)を経由して本峰に直登のコースを計画した。

【アタックルート選び】

この山はどこも尾根以外は急峻でチマキザサとシャクナゲもあるまた歩かれる人も極端に少なく地図読みは必須条件で急登と薮を突破する体力も必要と思われます。 久しぶりに甘く見られない山であった。 今回の山部ルートはあまり勧められない。 なんといっても前衛の尾根に上がるだけでも2時間は掛かる。 

明神ヶ岳へのルートは何れかの尾根、沢を詰めて来る訳だが、山部もHPを調べても余りデータがない。 倉持氏も約6時間をようしている(万栗沢林道)。 一ッ石から尾根をつめるルートもあったがとにかく情報が少ないそれで残雪期であったが今年4月に挑戦した。 残雪のヨガタァ(鞍部)手前の急斜面が下れなかった。 山頂を見上げる所だったが断念した。 今回もこのルートでの挑戦である。 取り付きは慰霊碑のトッポ沢の左の岩場から尾根をつめた訳だったがその時も岩場で確保にロープを使った。 「なな」も居るので下山時に慰霊碑から湯西に200m戻った所のよう壁に道から上がれる所があったのでそこから入った高度を上げる事に専念すれば登りのルートは問題はない。 しかし下りは薮と平凡な斜面でルートを急ぎ過ぎない事が肝要である。

【明神ヶ岳への道】
取り付きは前回に降りてきた所で他は林道の垂直の壁で取り付けない。 道からの取り付きはここしかない。まず「なな」を上に差し上げてからよじ登った。ここから蔦のある急なガレ場を蔦を使って高度を上げる30分も立たないのにもう汗で上半身(半そでTシャツ)はびっしょりになる。 やや高度を上げた所で左沢を右に感じながらひたすら急な斜面を尾根に向かって登る。ピーク前の窪地で一服する。 「なな」への給水である。

前沢越しに高倉山を見ると結構高度は上がった。 明瞭な尾根筋に着くと道はないが前回の踏み跡と獣道があるこれを確実にたどる。 この尾根登りが今回の一番の登りとなる1361Pのピークの手前のクマイザサは蜜薮でこれまた今日の一番の薮だ。 やっと1361P峰へ到着する。このピークは前沢と滝倉沢、大滝沢の間にある金剛ゾネのピークである。 この尾根が明神ヶ岳の前衛の峰である、金剛ゾネが懐の深い山にさせている。

前衛の金剛ゾネ上に山頂を見る

高倉山の峰から、中央奥が明神ヶ岳・取付は白い壁の所から
1361P峰に着いて記録と給水で一服する。ここからの尾根はクマイザサとシャクナゲの余り道のハッキリしない尾根筋である。 ここが残雪期はきつかった。 ここも今回は難なく通過し尾根の交差点の1346Pの分岐峰に到着一旦下ってコルの手前のピークここの途中に赤布マークを発見する。 分岐峰まではなかったので1346Pからの尾根を詰めて来たのだろう。 ここからはヨガタァ(鞍部)の正面にどっしりと明神ヶ岳が見えて元気が出てきた。前回はここで戻った。 その時は頂上が残雪からの冷気ではっきり見えなかった。

今回は気分は上々である。 ヨガタァ(鞍部)に下る所は岩がある雪がないと大した所ではなかった。 ヨガタァは滝倉沢と大滝沢の大きな沢が真直ぐに突き当たる珍しい鞍部である。 しかし思ったより穏やかで南の大滝沢側は開けて明るく50cmの下草がある。 いよいよ本体への登りである、メッシュの大型の赤布がある歩こうとしている所にある。 考えは同じらしい地形ではややある尾根筋をいくのが本来なのだろうがそこには笹が密集しているやはり林の斜面歩きだろう。誰しも自然と歩きやすい所へ誘導されるらしい。 大型の赤布は戻りを意識して付けられている。ピークを目指すのは容易いだが下りで方向がブレ安い、大型のマークはありがたい。 ミヤコザサの自然の樹林を上がると明るく開けた山頂に出た。

山頂は下草が伸びて二等三角点の標石がすぐには見つからなかった。 最近ここに来た人は居ないようだヨモギに似た草があり踏まれた様子は見られなかった。 小さい木切れの山名板があるのでその前を刈払うと標石発見した。 木立で見通しはない途中では尾瀬、奥鬼怒、田代山方面の山並みが見られた。 日光の赤薙山も、小丸山も良く見える。 独立峰の明神ヶ岳なので眺望がないのが残念だった。 頂上の開かれた原の南側は大きなシダが密集していた。 ブナ、ミズナラ、ダケカンバ、少しコメツガの自然の木と一部植林されたカラマツがある。


明神ヶ岳の南峰1518m日向明神、(撮影・ヨガタァのコル)

1361峰先の金剛ゾネの大岩に立つ「なな」

【下山】
下山はピストンなので忠実に途中で写真を撮りながら下った。 1361P峰までは頂上から沢のコルを過ぎて尾根を伝って歩く。 尾根の途中に痩せた所もあるまたシャクナゲ多いが尾根を忠実に行けば問題なし。 途中の大岩で「なな」の写真を一枚写す。1361Pにはわけなく到着する。 いよいよここからの下りが結構難しい前回も右に行ってしまいマークを見失う。 1361Pからクマイザサの蜜薮になるマークを追う結果はまた間違う横移動するどうしても右に誘われる。 マークを発見してルートに戻った途中で水分補給して急な蔦のあるガレ場に到着して下の林道に降りた。 思い通りのルートで頂上を踏めたことを感謝をする。車に戻って昼食を取った。 今日のごごの予定を考える前沢の対岸の前倉山、高倉山の偵察をする。 今日の明神ヶ岳は栃木の山懐の深さを感じさせる山歩きだった。 また一つの山も季節を変えて、ルートを変えて歩いて見たいそんな思いの山だった。

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