三俣山 みつまたやま 1980.2m NO.283
黒檜岳 NO.174-3
シゲト山 NO.175-2 宿堂坊山 NO.188-2
栃木の山283全山登頂の最後の山をノラさんと3人で歩く。
Satoさんと山部は同時283全山登頂に挑戦する。
【山行日】 2004年 12月 11日 (土)
三俣山山頂にて乾杯
【山 域】  日光、足尾、群馬
【地 図】  1/2.5万図 国土地理院
        地図(菖蒲ヶ浜、赤岩)
        地図(千手ヶ浜) 地図(黒檜岳)
        地図(シゲト山) 地図(三俣山)
        地図(宿堂坊山) 地図(西ノ湖)
【天 候】   快晴(深夜・夜明け前 強風風花舞う) 
【所在地】  日光市、足尾町、群馬県境
【同行者】  Satoさん、ノラさん
【関連ページ】 黒檜岳-2  (2004.06.05)
         黒檜岳、シゲト山(2003.06.08)
         宿堂坊山 (2003.08.03)
【コースタイム】
 自宅発(21:45)=栃木駅(12/10 22:00)=栃木IC==(東北道・日光宇都宮道)==清滝IC=菖蒲ヶ浜スキー場・駐車場(0:15-2:00)−−高山分岐(2:38)−−千手ヶ浜(2:48)−−千手堂跡先登山口(3:02)−−沢を渡る(3:37)−社山分岐(5:20)−黒檜岳 1976m(5:30-50)−−黒檜岳雨量観測局−−1919峰(6:30)−−シゲト山 1835m(7:00-15)−1928m峰(8:22)−1970m峰(8:53)−−宿堂坊山分岐(9:22-26)−三俣山 1980.2m (9:38-10:15)−宿堂坊山分岐−−1789m峰(10:35)−−宿堂坊山 1968.0m(12:30-50)−−1802m北東尾根−−1444m東尾根(13:30)−西ノ湖つり橋(14:15)−大学村・千手ヶ浜バス停−−千手ヶ浜(14:40-55)−−高山分岐(15:03)−赤岩(15:30)−菖蒲ヶ浜(15:52)==日光清滝IC==(東北道・日光宇都宮道)==栃木IC==栃木駅(17:10)自宅着
(17:25)

中禅寺湖畔・菖蒲ヶ浜に集合
 12/10PM10:00ノラさんとの集合場所栃木駅へ。 定刻に合流その足で日光へ向かう。 菖蒲ヶ浜に着いて1時間仮眠をする。 師走に入り土日の山行は最後になりそうである。 いよいよ栃木の山歩き、全山登頂の最後の山となった。 記念すべき最後の山は三俣山である。 同じく栃木全山最後の山を迎えたSatoさん(栃木県)と同時に頂上に立とうと10月に約束をして今日を迎えた。
 山部は2001.9.9のNO.018大倉山(粟野町)から栃木の山を目指して歩きはじめた。 そして3年3ヶ月この日が来た。 そのおかげで多くの方と知り合えて多くの事を学んだ。 
多くの山行にご一緒いただいた氏山さんは今回腰痛でお休みとなった、月安会の皆さんにもただただ感謝です。。
今回の山行には愛犬「なな」留守番となったが、ここまで来たのも「なな」のお陰でもある大山が「なな」とのラスト山行となった。

菖蒲ヶ浜(2:00)赤岩−高山分岐(2:38)−千手ヶ浜(2:48)−黒檜岳登山口(3:02)
 菖蒲ヶ浜のプリンスホテルの駐車場に車が入ってきた。 探しているようだライトを振って合図する。 Satoさんだ予定通りに到着する。 以前から友人のようでもあり挨拶をして出発の準備をする。 定刻歩き始める星が澄んだ空にキラキラと輝いている、足元の草は霜が白く輝く少しばかり雪も見られる。 スキー場から踏み跡に下り進み湖岸周回道にのる。 思ったより湖は静かで波もない。 中宮祠のホテル街の明かりが輝いている。 7,8分で赤岩、栃の木のある浜、高山分岐を過ぎると程なく千手ヶ浜の渡船場に着いた。 ここで小休止する風が出ている、湖岸周回道までは高山の影で風が無かったようだ。
 千手ヶ浜から外山沢川を渡り、柳沢川のつり橋先を歩いていると男体山の肩上に二度流星を見た。 周りが暗いので眼はヘッドランプの照らす明かりだけを追いながら歩く。 小沢の木橋を二つ渡り石段を上がるといよいよだなと思い気を引き締める。 祈る気持ちを千手堂跡の祠に手を合わせ石段をくだる。 黒檜岳登山口の案内標識に着いた。 阿世潟まで8Kの表示のある杭も雪で地際は真っ白だ。

Satoさん 黒檜岳にて

山頂に付いた3D山名板

黒檜岳登山口(3:02)−社山分岐(5:20)−黒檜岳(5:30-50)
 進む順序が決ってしまったようだ。 遠慮がちなお二人が山部の後に歩いてくる、早くなると早くなり影のように続いてくる。 黒檜岳登山口の案内標識の横をすり抜けて暗夜の道に進み入る。 以前はテープやら赤布やら有ったに思っていたが途中から見当たらない。 登山道は雪に消えルートを一時失う手分けして探す10分弱タイムロスしてしまう。 先頭の山部のランプが暗く迷惑を掛けたようだ。 いよいよつづらな道の尾根に取り付くややトラバースしながら以前の記憶をたどりながらランプの光の先を見ながら歩く。 この先にはロープの下がる小沢を渡る所がるなど考えながら進む。 すると大木が道を塞ぐ下は潜れない、下降も時間が掛かりそうなので上部を巻いた。 沢も暗くどうなっているか解らないうちに反対側に渡った。 どうにも暗く少し進んで途中でランプを変えた。 ランプ交換ついでにパンと給水を摂る、どうも食事なしでスタートすると約3時間でエネルギーが涸れるようである。

 補給してまた歩き始める。 雪が全てを覆い明るい筈だがまたもやランプの電池ぎれで交換する。 ペースが速いのか遅いのか解らぬままに雪にスリップしながら歩く。 積雪は数センチ程度である、岩の現れる所を通過して平らな尾根に出た。 尾根の途中から風が強く時折り風花も飛ぶ、すでに葉のない木々が風の音に大きく揺らせられている。 辛くても黒檜岳に上がれば後は少なくてもシゲト山までは下りで楽々なのでと言い聞かせながら歩く。 後のノラさんから分岐の標識が見えると声が掛かる。 社山への屈折地点に到達でにぎやかに山名板がある。 寒い風が吹き抜け黒い雪雲が暗さを増している。 ここでの仕事は以前設置した山名板を外す事である。 緩めに縛ってあるので直ぐ外せた。 それを持って出発するここからも踏み跡は雪が被っているが知れた道でもあり、鹿の足跡に案内される「達筆」標識まで導いてくれた。 「達筆」は04.06.05に中山に行くつもりで黒檜岳山頂から延びる北尾根を上がってしまった時にも見ている。 ここに山名板を付け替えなければ全山は終わらないと考えていた。 一つの計画が実行出来た。

オロ山に陽が当たる

皇海山をシゲト山から見る

黒檜岳(5:50)雨量観測設備−1919峰(6:30)−シゲト山 1835m(7:00)
 黒檜岳山頂に山名板付け直して一仕事が終わり次のステージに。 少し東の空が明るくなる兆しがしかしまだランプは必要である。 風が吹き続き気温が低く山部は雨具の上を着込む、ノラさんは上下を着込む、Satoさんも着替えを全員スパッツを着ける。 まだ暗い見えない雪に埋もれた踏み跡も一度歩いているとルートは明瞭である。 黒檜岳雨量観測局横の小シャクナゲ薮も今は踏み跡が明瞭になっていた。 黒檜岳雨量観測局アンテナ柱の所にはまだ暗く景色も期待できないのでそのまま通過した。 ここからは真直ぐ続く尾根を下る。 尾根は暗い細い樹木で有るが踏み跡が出来つつある。 立木は踏み跡側の枝が折れ歩き易くなっていた。 踏み跡には鹿の足跡か゛付いているいるので導かれているように思える。
 前回のシゲト山の時10m至近で熊に会った笹の鞍部に着いた、明るい笹原は変わっていなかった。 笹と雪の白さが陽が昇り上空が白みさせてきている。 先の尾根に登り返すと1919m峰に到達したここで方向を南に広い斜面をくだる、そしてその先を西へ進む尾根の北側を歩きシゲト山の尾根に乗る。 足尾側はミヤコザサの笹陽が今昇りはじめた朝日が大平山の上の雲を輝くオレンジ色に染めている。 笹と樹林の中を交互に歩くと笹原の別れ際にシゲト山の山名板が有るはずである。 シゲト山はもうすぐでそこにあるはずだ。

 今回の計画ではルートは周回にしようと当初から考えた、日照時間、積雪、天候、ルートも考えた。 計画はスタートを菖蒲ヶ浜として、宿堂坊山→三俣山→シゲト山→黒檜岳とノラさんにメールで連絡した。 ノラさんからの返信それでは同時登頂にはなりませんの却下のメール、あっさり逆コースとなりそれをSatoさんに連絡してコースが決った。
 シゲト尾根の南に開けた所からは松木川の南に続く尾根上だけが赤く染まり出した、程なくしてまぶしい陽があっという間にシゲトの尾根にも射してきた。 夜明けであるほど無くシゲト山の山名板に着いた。 Satoさん282山登頂である。 これでSatoさんと山部共に残す所あと1山となり並んだ。 シゲト山に山名板が一枚増えていた「山紀行」さんの物だ。 いよいよSatoさんと山部は最後の283番目の三俣山へ向かう。

シゲトの尾根分岐から三俣方面を見る

1928m先の様子

シゲト山(7:00-15)1928m峰(8:22)−群馬県境分岐(9:22-26)三俣山 (9:38-10:15)
 HP上ではこの先尾根の分岐でコースアウトによる時間ロスがあるらしのを三人は知っている。 我が隊もシゲト尾根を急いで進み過ぎて次のピークまで行ってしった。 先のピークから尾根北側を確認しながら戻りった、結局笹の鞍部の北側に出るここが目的の尾根。 シゲト尾根を振り返ると鞍部までリボン、沢山マークが並んで見えていた。 ここからしばらく笹原の尾根を進む、前にラクダのコブのような峰が見えて来た。 皇海山が近くに迫って来た、目指す三俣山のピークはまだラクダのコブの裏に隠れているようだ。 
 なだらかな笹尾根を進みとラクダのコブの急斜に差し掛かるとちょっときつく感じた。 またもやエネルギー切れのようだ急な登りの途中で補給する。 奥深く松木川の源流部が見える。 シゲトの尾根は三沢に最後は切れ落ちて崖になっている。 シゲトの尾根をそのまま進んでとても沢を越えて三俣山にはとても上がれないように見える。 その先に大ナラキ沢の右尾根が見える。 烏ヶ森の住人さんの松木川を詰めて三俣山に上がった事が話題になり、超人を再認識した次第でした。 (超人は他にもいらっしゃいました。 我々三俣登山隊が三俣山を後にした後に三俣山に祝福に超人ルートでYoahiさんが来られました。 感謝感謝とお二人の超人ぶりには驚きです。)

 コブ(1928m峰)を越えると次のコブこれまた急な登り何とか頂上に、コメツガの枝を分けて開けた所に出たが見通しはない。 残り雪は多い一面真っ白である。 ここから方向が南西に変わるマークが見える。 この辺からピンクの新しいマークが現れた。 なだらかな広い尾根にマークがあちこちにある。 一応頂高部に上がったら北にマークが有った。 はじめその先が県境尾根分岐があると思ってここは三俣山進むとアルミ板のマークだらけの所に来た。  ここが分岐点であったさっきのさっきのピークのマークはどこに向かっているのであろうか。 マークが沢山有ると聞いていたが確かに多くある。 丁寧にアルミ板に地図が彫ってあるこれはベストな案内板だ感心する。 ○と四角の案内板が同じ所にある。 まあ助かるね錫ヶ岳への分岐から三俣山の山頂に向かう。 この辺は北斜面のせいか雪は30cm位だった。
 葉の落ちた疎林は気持ちよく歩けた。 分岐から10数分で山頂に到着する。 やったと独りでに言葉が出てしまう感激の瞬間である。 全員にこにこ顔、早朝午前2時出発黒檜岳では風花舞う寒い強風を受け辛いなと思ったがここまで来られて良かった。 全山の頂を踏んだ実感は直ぐには湧いてこない。 いくつかの山は歩いていたが全山となるとあと260強の未知の山を歩く、この遠大な計画に3年半掛かった。 応援していただいた方々の顔が浮かぶしばらくしてヤッターと感じたのは5,6分経ってからである。 でも疲れたでもそれも直ぐに忘れた、心地よい爽快感がする。 冷たい風が心地良い、ノラさんがビールを3缶ザックに入れてきてくれた。 感激の乾杯である、この苦味はスーパードライ忘れられない物になった。 「三俣山」の山名板もザイルにぶら下がり記念撮影である、代わる代わる握手の場面を撮った。 なんと言う至福の時なのであろうか、快晴群馬の山並みが直ぐそばに広がる皇海山が木々の間に大きくほころんでいた。 

プレートをもって

取り付けは緩めに

三俣山 (10:44-50)1789m峰(11:50)宿堂坊山(12:27-35)
 目標であった感激の三俣山を後にしてこれからは下山時間との戦いが始まる。 三俣山から分岐を錫ヶ岳宿堂坊山への群馬県境尾根にコースを変えて尾根の雪の疎林に向かう。 分岐からはしばらくどんどん下って行く雪の傾斜は下の様子が解らないので注意が必要しばらくは慎重にくだる。 少し慣れるとスピードを上げる後ろの二人も計ったかのようについて来る。 下る途中はルート的には間違える要素はなく快調に歩く、先が開けて広い笹原が現れる中央の枯れ木に付いていたマークが落ちていた。 ノラさんから三俣山から宿堂坊山まで約2時間とのタイムを聞かされているが本当に2時間なのであろうか。 1789m峰に軽く乗るここまでが三俣山の裾野で端のピークで三俣山から宿堂坊山までの1/3を歩いた事になる。 鞍部の先にはまたやラクダのコブが見える手前は1840m峰であろう、ここへは西ノ湖の西のカクレ滝の右岸を1644.0mの尾根を合わせている。 1840m峰に急な斜面を上がる、雪が無いのが幸いであった。 1789m峰のピークは見晴らしの良い所で西ノ湖、男体山と中禅寺湖が絵の様にある。 群馬側は雑木に遮られている。 ここのピークの笹原の枝の先に小さい赤のビニルマークが遠慮がちについていた。(今年のもの)

 1840m峰に立つと宿堂坊山の山腹には露岩の大岩がそそり立っているあそこは通らないだろうと思いながら尾根に沿って登る。 1840m峰に登るよりも宿堂坊山への尾根の方がなだらかである。 尾根途中の小ピークからは西ノ湖の上に中山がその先の千手ヶ浜の林の向こうに中禅寺湖がここからも絶景だ。 ひと登りで懐かしい宿堂坊山山頂に達した、事前にSatoさんが山部さんの山名板健在でしたと聞いていたのでいとしく思って見た。 対面の感想は別に何も感じないむしろ板切れに掘られた年代物には太刀打ちできないと感じた。 そのうち味が出てくればと思う。 これで今日の登りは完了した、けっこうバテていたのであとは下りだけだと思うと安心というよりはうきうきしてくる。 一面の雪は暗い林を明るい清々しく見せる。 積雪は少なく山頂付近は10cm位だろう夏とは別世界に感じた。

三俣山からの下り

西ノ湖の上に中山と中禅寺湖

宿堂坊山(12:27-35)−1802m東尾根(12:50)千手ヶ浜(14:40-55)菖蒲ヶ浜(15:52)
 山頂で最後の補給で体は復調三人で下るルートを打ち合わせ、山部は一升瓶の所にしか下っていない。 歩く前からノラさんから東尾根を行こうと提案がありそこを進むことにしていた。 それにSatoさんからさらに東尾根を繋ぐ西ノ湖つり橋までのルートを提案あり、議論の余地なし全員行動開始。 倒木に雪が被りそれを乗り越え1802m地点付近を通過し少し進んだ所に来る。後のSatoさんからそろそろ急な斜面を下りるとの声、後を見ると磁石を見ている完璧1500m付近の平たい林に下り付く。 高度が下がると暑くなる山部は雨具の上着を脱ぐ、1444mピーク先でノラさんSatoさんも身づくろい。 完璧なルーファンで下段の尾根に乗りあとは鹿の道を真直ぐに進むだけでぴったりとつり橋の手前に降り立つ。 柳沢川が見たくなり川に沿って歩く直ぐにつり橋に足を濡らすことなく川を渡る。 ふーせんさんの宿堂坊山からの東尾根を下ったHPページも参考になった。 色々の人に助けられて今日の三俣山が歩けたような気がした。

 橋を渡ればあとは千手ヶ浜まで平地歩き渡船場に着いた。 陽の沈みかけた西の空を見ると山の上方だけが赤く染まっているまだ3時前だがもう夕暮れは近い。 淡々と高山の下の中禅寺湖周回道を歩く分岐、栃の木のある浜、赤岩を過ぎてプリンスホテルの桟橋が見えてからとふつふつと湧きあがる達成を感じながら歩きました。 予定の4時を切って駐車場に到着する直ぐに夕闇が迫ってきた。  

宿堂坊山の東尾根を下る

千手ヶ浜の渡船場

栃木の山に一区切りをつけて
 挑戦を意識してはじめに目指した山は粟野町にある大倉山でした。 その後3年半が過ぎ今回の三俣山を迎えた。 栃木の山の全山踏破の収穫は多くの人との交流でもあった。 挫けそうな時も励まされここまで来られた。 今回同行のノラさんSatoさんはじめ多くの方々からご援助頂いた。 今日も烏ヶ森の住人さんは黒檜岳西ノ湖、Yoshiさんは三俣山、隣町のHさん高山付近と今日近くまで応援に来てくれた心温まる。 先日も大平山に群馬移動通信さんが一緒にその時の激励には感謝にたえません。 Webでの多くの方の情報で挑戦意欲を維持できました。 山の先輩には遠く及ばないが助言をいただき今日で区切りがつけられました。 多くの皆様に謝辞お送りいたします。 これからもますます好きになった山部サイズの栃木の山を歩いていきます。  今後ともよろしくこ゜声援ください、ありがとうございました。。
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